愛知県美術館「プーシキン美術館展」 [美術]
5月21日(火)愛知県美術館へ
「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」を見に行きました。
愛知県美術館で4月26日(金)から開催されている企画展で、
チラシに使われているルノワールの《ジャンヌ・サマリーの肖像》
まぁなんて素敵な絵なんだろうって見ほれてました。
夢見るような目をしたこんな女性に見つめられたら
ぽーっとしてしまいますよね。
ルノワールが「幸福の画家」って呼ばれるのがわかります。
今年1月16日(水)愛知県美術館「クリムト展」に行った時に、
切り離してポストカードにも使える豪華なチラシ(?)が置いてあって、
すごい名品が来るんだなって楽しみにしていたんです。
この展覧会、2011年7月8日(金)~9月4日(日)に開催の予定だったんですが、
東日本大震災の影響でとりやめになり、(代わりに開催されたのが
「棟方志功」展)今年やっと開催の運びとなりました。
なので、チラシの「『やっ』と逢えるね」ってキャッチは、
そのことを意味しているのかなって思ったんですが、
2年前の展覧会のチラシを作る時から、日本初公開の作品ってことで
これに近いキャッチを作っていたと、友の会バスツアーで聞きました。
(館長、こちらの話は公開OKですね(笑)
でも、展覧会始まっても、すぐゴールデンウィークで、私も忙しかったし、
混んでいるだろうと、連休後に行くってのは決めてたんですが、その後、
友の会バスツアーに行ったり、平日の休みが月曜日しかなく、
友の会でもらった招待券をあげた友人たちが行って「すっごく良かった!」
ってお礼言われて、早く行きたくてウズウズしてたんですが、
「やっ」と行くことができました。
チラシ裏面(クリックで拡大します)
会場に入ると、部屋の壁紙の色が深いエンジ色で素敵。
いかにも「泰西名画」ってカンジ(この言葉、今はあまり言わない?)の
ニコラ・プッサン《アモリびとを打ち破るヨシュア》などの古典主義の絵が。
クロード・ロラン《アポロとマルシュアスのいる風景》
マルシュアスが生きながら皮をはがされる場面――ええぇーっ?!!
それにしては周囲の人々、無関心すぎませんか?風景も穏やかだし。
ロココ主義を代表するような
フランソワ・ブーシェ《ユピテルとカリスト》
レズビアンの二人が睦みあっているようなんだけど、実は右側の女性は
月の女神ディアナに化けたユピテルなんだと。ふふふ、それはアブナイわ!
これを見て、この後ヤマザキマザック美術館へ是非行かなきゃって気に
なりました。この日、出かける前から、ついでに見てこようかなって
思ってたんですが、このプーシキン美術館展とヤマザキマザック美術館、
なんか似てるって。
この展覧会見るまで画家の名前まで覚えてなかったんですが、
ジャン=バティスト・グルーズ《手紙を持つ少女》を見て、
あっ、これはヤマザキマザックにある絵の少女!って
(その絵、今「夏目漱石の美術世界展」に貸し出されて
ヤマザキマザック美術館には展示されてませんでした)
展示室の壁紙の雰囲気や、部屋ごとに壁紙の色が変わる見せ方も
わー、ヤマザキマザック美術館みたいでいいなって思いましたが、
さらにプーシキン美術館展は、部屋の入口のカーテンの雰囲気が
すごくいいですね!
他に、ロココの部屋では、
マルグリット・ジェラール《猫の勝利》に、猫派としてちょっとニヤッと。
新古典主義の部屋では、
ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル《聖杯の前の聖母》
チラシ見てから楽しみにしていた絵です。やっぱりすごくいいですね。
アレクシ=ジョゼフ・ペリニョン《エリザヴェータ・バリャチンスカヤ公爵夫人の肖像》
まばゆいばかりの若く美しい公爵夫人にうっとりしました。ドレスも素敵!
ジャン=レオン・ジェローム《カンダウレス王》
豪華なライオンの毛皮の上で衣服を脱いでいる後姿の女性の裸体にドキッと。
脱ぎ捨てられたサンダルが妙にエロチック‥‥って、説明を読むと、
カンダウレス王はヘンタイ趣味で妻の裸を見るようにと、家来に命じるのだが、
妻が裸を見られたことを知って、その家来に、死ぬか王を殺して自分と結婚するかと
要求し、家来はカンダウレス王を殺して新しい王になるという話の絵だそう。
きゃー、かなりアブナイ話!この絵が室内装飾など古代風で端正な絵なのに、
なんかエロチックに見えるのも道理だわ!
カンダウレス王はベッドで待っていて、これはベッドイン前の絵なんだから。
話では妻は見られていることを知らないのだが、この絵を見てると、
実は知っていて見せびらかしているようにも見えたりして‥‥と、私的に
非常に印象的だった絵です(どんな趣味してるんだ?!)
自然主義の部屋を過ぎて、素敵なカーテンをくぐり、印象主義の部屋へ入ると、
クロード・モネ《陽だまりのライラック》がすごくいい雰囲気!!
実は今頃になって印象派の良さがわかってきました。
ルノワール《ジャンヌ・サマリーの肖像》はもちろん良かったけど、
以前の私なら、顔にこんな寒色のタッチが混じって荒っぽくてイヤって
思ったかも。そして、意外に小さな絵なんだなって。
エドガー・ドガ《バレエの稽古》がすごく繊細な雰囲気で素敵。
ゴッホ《医師レーの肖像》も、ゴーギャン《エイアハ・オヒパ(働くなかれ)》も、
さすがいいなぁって見ました。
ルイジ・ロワール《夜明けのパリ》が、雨上がりの夜明けの雰囲気が
すごく感じられて、印象に残りました。
フォービズムやエコール・ド・パリの部屋では
うーん、私、最近やっと印象派の良さがわかってきたけど、このあたりになると‥‥
アンリ・ルソー《詩人に霊感を与えるミューズ》この絵はどうなの?って。
このプーシキン美術館の所蔵作品のモトになったコレクター
セルゲイ・シチューキンとイワン・モロゾフについての説明がありましたが、
ピカソやマティスなど、フランス国内でも評価が定まらない前衛画家を見抜いて
コレクションしたシチューキンの目はすごいなって。
フランス絵画300年の歴史がよくわかる、名品揃いの展覧会です。
会場においてあった愛知県美術館の「鑑賞ガイド&作品リスト」が
とてもわかりやすくてよかったです。
この展覧会、愛知県美術館での会期は6月23日(日)まで。その後、
横浜美術館 7月6日(土)~9月16日(月・祝)
神戸市立博物館 9月28日(土)~12月8日(日)と巡回します。
愛知県美術館: http://www-art.aac.pref.aichi.jp/
「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」のサイト: http://pushkin2013.com/
ヤマザキマザック美術館: http://www.mazak-art.com/
「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」を見に行きました。
愛知県美術館で4月26日(金)から開催されている企画展で、
チラシに使われているルノワールの《ジャンヌ・サマリーの肖像》
まぁなんて素敵な絵なんだろうって見ほれてました。
夢見るような目をしたこんな女性に見つめられたら
ぽーっとしてしまいますよね。
ルノワールが「幸福の画家」って呼ばれるのがわかります。
今年1月16日(水)愛知県美術館「クリムト展」に行った時に、
切り離してポストカードにも使える豪華なチラシ(?)が置いてあって、
すごい名品が来るんだなって楽しみにしていたんです。
この展覧会、2011年7月8日(金)~9月4日(日)に開催の予定だったんですが、
東日本大震災の影響でとりやめになり、(代わりに開催されたのが
「棟方志功」展)今年やっと開催の運びとなりました。
なので、チラシの「『やっ』と逢えるね」ってキャッチは、
そのことを意味しているのかなって思ったんですが、
2年前の展覧会のチラシを作る時から、日本初公開の作品ってことで
これに近いキャッチを作っていたと、友の会バスツアーで聞きました。
(館長、こちらの話は公開OKですね(笑)
でも、展覧会始まっても、すぐゴールデンウィークで、私も忙しかったし、
混んでいるだろうと、連休後に行くってのは決めてたんですが、その後、
友の会バスツアーに行ったり、平日の休みが月曜日しかなく、
友の会でもらった招待券をあげた友人たちが行って「すっごく良かった!」
ってお礼言われて、早く行きたくてウズウズしてたんですが、
「やっ」と行くことができました。
チラシ裏面(クリックで拡大します)
会場に入ると、部屋の壁紙の色が深いエンジ色で素敵。
いかにも「泰西名画」ってカンジ(この言葉、今はあまり言わない?)の
ニコラ・プッサン《アモリびとを打ち破るヨシュア》などの古典主義の絵が。
クロード・ロラン《アポロとマルシュアスのいる風景》
マルシュアスが生きながら皮をはがされる場面――ええぇーっ?!!
それにしては周囲の人々、無関心すぎませんか?風景も穏やかだし。
ロココ主義を代表するような
フランソワ・ブーシェ《ユピテルとカリスト》
レズビアンの二人が睦みあっているようなんだけど、実は右側の女性は
月の女神ディアナに化けたユピテルなんだと。ふふふ、それはアブナイわ!
これを見て、この後ヤマザキマザック美術館へ是非行かなきゃって気に
なりました。この日、出かける前から、ついでに見てこようかなって
思ってたんですが、このプーシキン美術館展とヤマザキマザック美術館、
なんか似てるって。
この展覧会見るまで画家の名前まで覚えてなかったんですが、
ジャン=バティスト・グルーズ《手紙を持つ少女》を見て、
あっ、これはヤマザキマザックにある絵の少女!って
(その絵、今「夏目漱石の美術世界展」に貸し出されて
ヤマザキマザック美術館には展示されてませんでした)
展示室の壁紙の雰囲気や、部屋ごとに壁紙の色が変わる見せ方も
わー、ヤマザキマザック美術館みたいでいいなって思いましたが、
さらにプーシキン美術館展は、部屋の入口のカーテンの雰囲気が
すごくいいですね!
他に、ロココの部屋では、
マルグリット・ジェラール《猫の勝利》に、猫派としてちょっとニヤッと。
新古典主義の部屋では、
ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル《聖杯の前の聖母》
チラシ見てから楽しみにしていた絵です。やっぱりすごくいいですね。
アレクシ=ジョゼフ・ペリニョン《エリザヴェータ・バリャチンスカヤ公爵夫人の肖像》
まばゆいばかりの若く美しい公爵夫人にうっとりしました。ドレスも素敵!
ジャン=レオン・ジェローム《カンダウレス王》
豪華なライオンの毛皮の上で衣服を脱いでいる後姿の女性の裸体にドキッと。
脱ぎ捨てられたサンダルが妙にエロチック‥‥って、説明を読むと、
カンダウレス王はヘンタイ趣味で妻の裸を見るようにと、家来に命じるのだが、
妻が裸を見られたことを知って、その家来に、死ぬか王を殺して自分と結婚するかと
要求し、家来はカンダウレス王を殺して新しい王になるという話の絵だそう。
きゃー、かなりアブナイ話!この絵が室内装飾など古代風で端正な絵なのに、
なんかエロチックに見えるのも道理だわ!
カンダウレス王はベッドで待っていて、これはベッドイン前の絵なんだから。
話では妻は見られていることを知らないのだが、この絵を見てると、
実は知っていて見せびらかしているようにも見えたりして‥‥と、私的に
非常に印象的だった絵です(どんな趣味してるんだ?!)
自然主義の部屋を過ぎて、素敵なカーテンをくぐり、印象主義の部屋へ入ると、
クロード・モネ《陽だまりのライラック》がすごくいい雰囲気!!
実は今頃になって印象派の良さがわかってきました。
ルノワール《ジャンヌ・サマリーの肖像》はもちろん良かったけど、
以前の私なら、顔にこんな寒色のタッチが混じって荒っぽくてイヤって
思ったかも。そして、意外に小さな絵なんだなって。
エドガー・ドガ《バレエの稽古》がすごく繊細な雰囲気で素敵。
ゴッホ《医師レーの肖像》も、ゴーギャン《エイアハ・オヒパ(働くなかれ)》も、
さすがいいなぁって見ました。
ルイジ・ロワール《夜明けのパリ》が、雨上がりの夜明けの雰囲気が
すごく感じられて、印象に残りました。
フォービズムやエコール・ド・パリの部屋では
うーん、私、最近やっと印象派の良さがわかってきたけど、このあたりになると‥‥
アンリ・ルソー《詩人に霊感を与えるミューズ》この絵はどうなの?って。
このプーシキン美術館の所蔵作品のモトになったコレクター
セルゲイ・シチューキンとイワン・モロゾフについての説明がありましたが、
ピカソやマティスなど、フランス国内でも評価が定まらない前衛画家を見抜いて
コレクションしたシチューキンの目はすごいなって。
フランス絵画300年の歴史がよくわかる、名品揃いの展覧会です。
会場においてあった愛知県美術館の「鑑賞ガイド&作品リスト」が
とてもわかりやすくてよかったです。
この展覧会、愛知県美術館での会期は6月23日(日)まで。その後、
横浜美術館 7月6日(土)~9月16日(月・祝)
神戸市立博物館 9月28日(土)~12月8日(日)と巡回します。
愛知県美術館: http://www-art.aac.pref.aichi.jp/
「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」のサイト: http://pushkin2013.com/
ヤマザキマザック美術館: http://www.mazak-art.com/
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