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金沢21世紀美術館「レアンドロ・エルリッヒ―ありきたりの?」展 [美術]

7月15日(火)、金沢21世紀美術館へ行きました。

「レアンドロ・エルリッヒ ーありきたりの?
 Leandro Erlich―The Ordinary? 」展をやっています。
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レアンドロ・エルリッヒと言えば、金沢21世紀美術館の
《スイミング・プール》という作品(というか、もう美術館の施設ですね)が
有名です。

去年秋に豊田市美術館の「反重力」展で見た《豊田の家》という作品も、
すごく楽しかった!
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-12-02

なので、また金沢21世紀美術館行きたいな、とは思ってたんですが、
休日になっても疲れていたり、近くの展覧会に行ったりして日が過ぎてきました。
この日、珍しく平日の休みで、特に予定もなく、私にしては早く起きた――ので、
そうだ、金沢行こう! と。

JR岐阜駅近くの駐車場に車を停めて(少し歩くと平日700円とか600円で駐車できる)
岐阜10:12のしらさぎ5号で金沢12:47着 乗車券4,000円+自由席特急券2,380円

金沢駅から城下まち金沢周遊バスに乗りました。
右回りか左回りか迷ったけど、どちらも同じくらいの時間で着くみたいですね。
私は左回りに乗りました。200円。

金沢21世紀美術館に来るのは3回目。
最初は2005年秋に岐阜県美術館後援会のバス旅行で。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2005-10-28-1

前回は2008年夏に「ロン・ミュエック展」を見に。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2008-08-22

芝生にガラス張りのとても開放的な美術館です。
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これは前回来た時にはなかったなー。
オラファー・エリアソン《カラー・アクティヴィティ・ハウス》2010
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わー、この真ん中の球、白色なんだ。
あとで知りましたが、これ、夜には光るそうです! 昼間とはまた違った
風景になりますね。見てみたいな。
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色ガラスの重なりによって、いろんな色に見える。
三原色の色ガラスを使っているので、色の混色も体験できますね。

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小学生たちもたくさん見学に来ていました。楽しそう。

LAR/フェルナンド・ロメロ《ラッピング》2005
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金沢21世紀美術館では、レアンドロ・エルリッヒ展だけでなく、
コレクション展「透過と反射」、「中村好文 小屋においでよ!」など
いろんな展覧会が開催されています。
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チケット一般1,000円を買います。
このチケットで「コレクション展」も見ることができます。

まずは、光庭の《スイミング・プール》を上から。
(上から見るだけならチケットは不要)
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そして「レアンドロ・エルリッヒ-ありきたりの?」展へ。

最初に丸い展示室14へ。《見えない庭》
大型鳥かごのような中に人工的な植物が配置された庭?
でもどことなく不自然。庭の向こうに自分の姿が見えます。
鏡を使っているんですね。
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金沢21世紀美術館、外国人の鑑賞者がとても多くて驚きました。
皆、カメラで写真撮っているので、写真を撮ってもいいの?と聞くと、
(チケットには撮影禁止ってあったので)
レアンドロ・エルリッヒ展の方はフラッシュなしならいいみたい。

奥の光庭の植物の壁《緑の橋》の間を通って次の展示室へ行くと、
展示室12の《エレベーター・ピッチ》は調整中で見ることができませんでした。残念。

展示室11は《階段》
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巨大な作品。そのままのタイトルですね。フツーの階段と違うのは、
これは上から見たところではなくて、横から見たところなんです。
それぞれの階?にはドアがあって出入りできます。
そっかー! レアンドロ・エルリッヒの作品は、
誰か気の合う友人と来てワイワイと楽しむ作品なんですね!

展示室10の《エレベーターの迷路》
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エレベーターが並んでる? と、中へ入ると、ハハハー!
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展示室9は、白いセナミックスインクが吹き付けられた(?)ガラスが
何枚も重なっていて、まるで雲が閉じ込められたように見えます。
部屋の隅にまとめてタイトルが表示してあるんですが‥‥
《雲―蟹(カニ)》《雲―水母(クラゲ)》《雲―犬の頭》
《雲―白熊》《雲―雌鳥》《雲―ライオン》と。
うーん、どれがどれだか‥‥
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展示室8は、《リハーサル》
入場は8人までとのこと。靴を脱いで部屋に入ると、
椅子の上にバイオリンの弓が置いてあります。
正面のガラスの壁の向こうの部屋にはバイオリンやチェロやピアノがあり、
こちらでポーズすると、あたかも自分が楽器を弾いているみたいに見えます。
ハハハハハハー! しかし、やっぱりこれは友人や家族で楽しむ作品だわ~
でも、iPhoneで写真撮ってたら、ちょうど来ていた若い外国人の男の子が
写真撮ってくれたので、私も撮ってあげました。(うまく写ってないけど)
見ず知らずの鑑賞者とのコミュニケーションをするのもいいですね。
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展示室7は《サイドウォーク》
暗い通路の横は砂地で、水が溜まっています。雨のような水滴も落ちてきます。
その水たまりには街が映っています。街の映像、
建物の窓の中の人が動いていたりするのも面白かった。2014-7-15-(34).jpg

展示室7前は《ログ・キャビン》
ログ・キャビンの窓に映る室内と室外の映像。
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うん、面白かったけど‥‥《エレベーター・ピッチ》が見られなかったことも
あって、ちょっと物足りなかったかなぁ。
友人とワイワイ写真撮れたら、また印象も違うかな。
たまたま鑑賞していた外国人の男の子と写真の撮りあっこをした《リハーサル》が
一番楽しかったから。《階段》なんか、ノリのいい友人と来たら面白そうだ。
(階段から落ちる~みたいな写真が撮れたかも。ハハハ)

それからコレクション展へ。「透過と反射」というテーマで、
金沢21世紀美術館のコレクションの中から選んで展示されています。

こちらは写真撮影禁止。でも、金沢21世紀美術館のウェブサイト
作品の美しい写真と説明が詳しいです。

展示室1にはアニッシュ・カブーアの透明なアクリルの立方体。
中に浮かんでいるように見えるのは、何もない空間らしい。
まさに「透過と反射」美しいです。

隣の部屋が、美術館の施設ともいうような、カブーアの部屋。
傾斜したコンクリートの壁面の黒い楕円形は、穴なのか?
じっと見つめていてもわかりません。

展示室2
田中信行の漆の作品。《触生の記憶》
漆のつやつやしたなだらかな曲面は映り込みと反射とで複雑に変化して美しい。

塚田美登里のガラスの作品も美しい。

ウラディミール・ズビニオヴスキー《石の精神》
石の上に光学ガラスがのっていて、接着面は金属のようにも見えて、
とても美しい。

マクドナルドの紙袋に切込みを入れて作ったという木
すごーい!! この複雑な木がすべて紙袋の紙で出来ているの?
照屋勇賢(てるや ゆうけん)《告知―森:アスター・プレイス、NYC》

展示室3は、宮永愛子のナフタリンの椅子を閉じ込めた作品
《waiting for awakening - chair》
あ、これ、大阪の国立国際美術館の
宮永愛子「なかそら―空中空―」展で見た椅子だ。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-11-18

展示室3と4の間には、ヤノベケンジの鮮烈なデビュー作
《タンキング・マシーン》が展示してありました。
この作品、今はここの所蔵品なんですね。
8月9日(土)に体験イベントもあるそう。

展示室4は、
嵯峨 篤(さが あつし)の《MUMI / 013-018》
白一色(に限りなく見える)のパネルが並んでいました。
ツヤツヤした白い画面は、目を凝らすと、または斜めから見ると、
微かなカタチ―家具のイメージだそうだけど―が見えると。
見えた? わからん‥‥なんてやってると、
「見る」ということを問われているようで面白かった。
この作品は実際に作品の前に立ってみないとわからない作品ですね。
写真や印刷ではその雰囲気は伝わらない‥‥。

正面の、フランチェスコ・クレメンテ《靴とグラスのある自画像》
やたら余白のある落書きみたいな人物。
うーん、これは私には何がいいのかわからない。

ルイザ・ランブリの写真は、抽象画かと思った。カーテン越しの風景だそう。

光庭に突き出たショーケースのような展示室5には小島久弥の作品。
望遠鏡で覗きます。ダイビングする男が見えるけど、それは
テーブルの上に置かれたワイングラスの中の小さな人形。
《男は海水のなかをダイビングしている》
たまに気泡が出てくるのも面白い。

展示室6は、ステンレスの突起がいくつもある巨大な物体。
中に入れるようになっています。
自分が万華鏡の中に入り込んだようで面白かった。
オラファー・エリアソン《La situazione antispettiva(反視的状況)》
あ、外にあった《カラー・アクティヴィティ・ハウス》の人ですね。

展示室6から地下に下りて《スイミング・プール》の下に行くことができます。
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光が水を透過してできる影の揺らぎがとても美しい。
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水を通して外の風景が抽象画のようになるのも面白いなぁー。
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館内にはこんな作品も(ここはチケットなしでも入れます)
妹島和世+西沢立衛 / SANAA《無重力性と透明性》
水のゆらぎを見ているような‥‥(ガラスかと思ったらアクリルだって)
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休憩用の椅子もカワイイというか。
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そしてジェームス・タレルの部屋《ブルー・プラネット・スカイ》
この美術館に来た3回とも、よく晴れた日だったなぁーと。
青空に白い雲が絵画のよう。癒されるーと、のんびりしていたら、
入ってきた小学生の男の子たちが「この部屋つまらんー」と
すぐに出て行ってしまったのが笑えた。
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加賀友禅をイメージしたという壁の前の休憩所
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目の前の光庭の向こうの屋根の上の彫刻は、
ヤン・ファーブル《雲を測る男》
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この横の展示室13は「好奇心をあじわう小部屋」という
展示になっていました。(無料で入れました)

暗い部屋に実験室のガラス瓶などが並んでいて、
ちょっと怪しげで、秘密めいていて、すごくいい雰囲気。
私はただこの雰囲気がすごくよくて、きれいだなと眺めていたんだけど、
後で知ったのは、ここに展示されている瓶は、

フードクリエイションとプログラム・メンバー(通称:テイストハンター)が一緒に集めた、好奇心を掻きたてる食材(実際には食べられないものも含む)を東大がコレクションする約1,000個の瓶などにアーカイブし展示します。

というものだと。(金沢21世紀美術館のウェブサイトより)
期間中の土日にはテイスティングのイベントもあるそう。

市役所口(西口)さすが金沢21世紀美術館、車椅子までオシャレです。
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枠のないエレベータも未来的な雰囲気。地下は市民ギャラリー等があります。
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「中村好文 小屋においでよ!」展
光庭に作られたこのシンプルな小屋は、エネルギー自給自足を目指す
ひとり暮らし用の小屋だそう。(と、ガラスに説明がかいてあります)
雨水を貯めるタンクや、太陽光発電のパネル、風力発電のプロペラなどがあります。
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他にも長期インスタレーションルームでの展示がありました。(無料)

ミュージアムショップ前のデザインギャラリーでは、
「橋本雅也 間(あわい)なるもの」展
鹿の骨と角から作られた、水仙や月下美人などの白い花たち。
儚げなところが素敵。鹿の骨と角から作られているってことが、
生物と死について考えさせられたりします。

ミュージアムショップも面白いものがたくさんありました。
息子のペンケースがずいぶんくたびれていたなというのを思い出し、
こんな小物入れを買いました。税込1,404円(本体1,300円)
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一本の長いファスナーからできています。
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他にも、白熊やペンギンが氷山にのっているような氷ができる製氷器なんてあって、
これで氷作って浮かべたら、気分は北極(南極)って思って欲しかったけど、
やっぱりこれ以上お金使ったらイカンとガマンしました。

しかし楽しい美術館ですね。レアンドロ・エルリッヒ展、8月31日(日)まで。
子供さんにも十分楽しめる展示です。夏休みの旅行に金沢まで。いいですよー!

金沢21世紀美術館のウェブサイト: http://www.kanazawa21.jp/


過去記事
金沢ぶらぶら旅(金沢城公園を中心に)
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2008-08-25

金沢21世紀美術館「ロン・ミュエック展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2008-08-22

岐阜県美術館後援会旅行(金沢21世紀美術館他)
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2005-10-28-1

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