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岐阜県現代陶芸美術館「フランス印象派の陶磁器」展 [美術]

8月24日(日)岐阜県多治見のセラミックパークMINOにある
岐阜県現代陶芸美術館へ行きました。

「フランス印象派の陶磁器 1866-1886」展の最終日

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金の特色を使ったチラシのデザイン素敵です。

チラシ裏面には金インクは使ってないですね。
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この展覧会、東京のパナソニック汐留ミュージアムで開催されていた時に
NHK日曜美術館のアートシーンで紹介されていたんです。(4月13日放送)
岐阜県現代陶芸美術館に巡回してくるって知って、へーいいなと。
私は岐阜県美術館の後援会員なので、岐阜県現代陶芸美術館の展覧会も
一度ずつ無料で見られるんですよ!!

でもここ1ヶ月程、忙しかったり、8月はパートの休みが日曜日しかないのに、
10日は台風で、17日は大雨で、家から出ることが出来ず‥‥

24日も出かけるのが遅くなってしまい、多治見のセラミックパークNIMOに
着いたのは4時近くになってしまってました。でもこの美術館6時まで
開館している(入場は5時半まで)ので助かります。

子ども向けのイベントがあるのか、広い駐車場が満車状態でしたが、
美術館はゆったりと見ることができました。

最初に1点だけ、それまでのフランスの典型的なお皿が展示されています。
丸い皿の中央に絵柄が描かれ、縁取りの模様で飾られています。

そんなお皿が常識だったフランス人たちに、
フェリックス・ブラックモンが北斎漫画などから図柄をとってデザインした
《ルソー》シリーズのお皿はどんなに革新的だったことか!

フェリックス・ブラックモンは第1回印象派展にも出品した画家・版画家とのこと。

今だったら、盗用だって問題になる?
元になった北斎漫画の絵がどれか展示されていたりしたんですが、
北斎漫画から3点選んで配置しただけじゃない?って。
配色はかなり職人に任されていたようです。
縁取りのブルーの梳目が効いているかな。

現代の日本人の私から見ても、なかなかいいなって思う
(ただ、食器にハエとかの虫はどうなの?)
《ルソー》シリーズの皿、当時のフランス人には、
左右非対称の絵とか、余白とか、すごく衝撃的だったんでしょう。
この《ルソー》シリーズは大ヒットしてロングセラーとなったそう。
フェリックス・ブラックモンは図案をエッチングで制作しているので、
わりと大量生産が可能だったことも一因なんでしょうね。

《ルソー》シリーズの器を使ったこちらのテーブルコーディネートは撮影可でした。
4人用のカジュアルセッティングとのこと。
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その後、フェリックス・ブラックモンは、フランスのリモージュを代表する
製陶所アビランド社の美術監督に就任して、日本趣味を取り入れた陶磁器を
数多くデザインしていったそう。

こちらは、ジラルダン、アルベール・ダムーズがデザインした
アビランド社の《パリの花》シリーズ8人用のフォーマルセッティング
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花が描かれた皿、素敵です。この余白のとり方、
ジャポニズム(日本趣味)がフランスで消化されていったんだなぁと。
日本人には馴染みがあるけど、左右対称の模様がフツーだった
当時のフランス人には斬新だったんだろうなと。
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アール・ヌーボーやエミール・ガレのガラスも思い浮かびました。
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それから「バルボティーヌ」という技法による
まるで印象派の絵画がそのまま陶磁器になったような花瓶や皿など。

画家がキャンバスに描くように、テラコッタの上から泥漿(でいしょう)で
筆致を生かした絵付けをしたとのこと。
陶磁器は焼くと縮んだり、色も変わるから、苦労があったでしょうね。

ただ、この「バルボティーヌ」の陶磁器、ちょっと私の趣味とは違うなと。
柔らかな筆致がなんかもっさりしたカンジに見えて‥‥
私があまり印象派の絵画が好きではないこともあるのかも。

日本の漆器のような黒に金で絵付けをした花瓶(チラシ裏面 写真10)とかは
興味深かったけど。

最後の部屋が、日本の土の色をそのまま生かす渋い陶器のような器。
うーん、私にはなんか日常の雑器のように見えてしまうんだけど、
当時のフランス人には新鮮だったのかなぁー?
こういう「シブイ」ものが受け入れられたってのがちょっと驚きだけど。

フランス語で「牛の血の色」と呼ばれる銅紅釉の器も、
私はこの色好きじゃないけど、この色を出すためにずいぶん研究が重ねられたよう。

この展覧会、ネットで調べたら、岐阜県現代陶芸美術館の前に、
2013年3月9日~6月9日 滋賀県立陶芸の森 陶芸館
2013年10月8日~11月24日 山口県立萩美術館・浦上記念館
2013年12月20日~2014年2月2日 岡山県立美術館
2014年4月5日~6月22日 パナソニック汐留ミュージアム
と巡回してきて、
岐阜県現代陶芸美術館が2014年7月5日~8月24日で最後のようですね。

その最終日の最後に滑り込んで見ることができて良かったです。

パナソニック汐留ミュージアムのHPが、この展覧会について
詳しく解説してあって良かったです。動画がとてもわかりやすい!

パナソニック汐留ミュージアム「フランス印象派の陶磁器」展http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/14/140405/

パナソニック汐留ミュージアムでは印象派の絵画も参考作品として
展示されていたんだー。

展覧会のアンケートに答えて、ポストカードをゲット!
《ルソー》の三つ脚付き鉢のカードを選んだけど、
この鉢、展覧会会場ではなくて、美術館の外のロビーのガラスケースに
飾られていたけど、もしかして岐阜県現代陶芸美術館の所蔵品?
French-ceramics-3.jpg

岐阜県現代陶芸美術館のHP http://www.cpm-gifu.jp/museum/
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