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愛知県美術館「デュフィ展」の周辺と「草乃しずかの世界展」 [美術]

10月19日(日)愛知県美術館へ行き、デュフィ展を見てきたことは
前記事に書いたので、コレクション展のこと等を。

コレクション展の最初の展示室5は、
ピカソの《青い肩かけの女》や、モディリアーニ《カリアティード》
クリムトの《黄金の騎士》など、愛知県美術館が誇る名品、そして
サム・フランシス《消失に向かう地点の青》や、
モーリス・ルイス《デルタ・ミュー》など、まぁおなじみの
作品が並んでいたんですが、最後のコーナーが良かった!

原裕治と戸谷成雄という愛知県立芸術大学出身の同世代の彫刻家の
作品が並んでいたんです。

一見、二人の作品はとてもよく似ているように見えました。
原裕治の《マンデリオンNo.2》という作品が良かった!!

舟のような形の木に人体が凸と凹に刻まれています。
死者を埋葬した木棺のようにも見えます。

「マンデリオン」とは、キリストの顔を写しとった布のことだそう。
なんか宗教的(?)な、荘厳な雰囲気が周囲に漂っていました。

この作品、平成25年度の新収蔵作品だそう。
2012年に、碧南市藤井達吉現代美術館が原裕治の展覧会をやって、
チラシがすごく素敵で、見に行きたかったのですが、行けませんでした。
HaraYuji-1.jpg
そのチラシ表面に使われているのがこの《マンデリオンNo.2》ですね。

そして壁に掛けられている絵画?
《アポクリファ No.1》と《アポクリファ No.2》が原裕治の作品。
背高泡立ち草や紙や油彩を重ねてグラインダーで彫り込んだ平面作品だとか。
えっ?! セイタカアワダチソウ?!
土に刻まれた痕跡のよう。「アポクリファ」というタイトルも、
キリスト教から(ネットで調べたら「新約聖書外典」とのこと)つけられているようで、
そんな宗教的な雰囲気が素敵です。
HaraYuji-2.jpg

戸谷成雄の作品は《森化Ⅲ》と《森》が展示されていました。
木をチェーンソーで削った作品は精神性のようなものが感じられて
いいなと。
戸谷成雄は、岐阜県美術館の第2回円空大賞展(2004年)で知りました。
愛知県美術館にもいくつか作品が収蔵されているようですね。
今までも、「アイチのチカラ!」展で《双影体Ⅱ》を見て、

前回の「これからの写真」のコレクション展で《地霊Ⅰ》を見て、

どちらも印象が強かったので、ブログにも書いてます。
(こうやってブログ記事書いておくと、その時は面倒だけど、
 後から検索できてとても便利だとわかりました。)

展示室6のプロジェクト・アーチ。
愛知県美術館の学芸員と作家との協同によって作られる展覧会。今回は第12回。
占部史人《七つの夜の海》
暗い部屋が夜の海のようです。ところどころの島と、ライトに照らされた舟。
胸の高さくらいの位置に吊り下げられて漂っているので、
見ていると、自分も海の中を漂っているようにも思えてきて、
素敵な雰囲気でした。(下図は私のイメージで描いたもの)
ProjectARCH12.jpg

展示室7は、「夭折の画家たち」というテーマで、
40歳に満たず夭折した日本近代の画家たちの作品が並んでいます。
関根正二、佐伯祐三、岸田劉生、中村彝(なかむら つね)‥‥
田中恭吉の版画が私のツボです。23歳で肺結核で亡くなっているんですね。
藤牧義夫(ふじまき よしお)は24歳で失踪?‥‥うーん、何があったんでしょう?

展示室8の木村定三コレクションは茶釜
こちらも私にはよくわからない世界。千利休の茶杓があったりして、
この間見てきた「大織部展」を思い出しました。

愛知県美術館は企画展以外のコレクション展等も充実しているので見応えありますね。

さて、愛知県美術館を出て、松坂屋へ。でも美術館ではありません。
(「肉筆浮世絵の美」という展覧会やってて、
 北斎の《酔余美人図》とか来てたけど、まぁいいかと。)
その上の階のマツザカヤホールで開催されていた
「草乃しずかの世界展 ひと針に祈りをこめて40年」という、
日本刺繍の展覧会に行きました。
KusanoShizuka.jpg
職場の方からチケットいただいたんですよね。
で、まぁせっかくなのでと。開催期間が短かったので、この日曜日しか
行く機会がなくて、愛知県美術館をこの日に合わせたんですが。

日本の着物に施された細かな刺繍は、もちろんきれいでした。
美しすぎて、ひと針ひと針糸を刺していく手間と技術が、
どれくらい大変なものなのか、かえって分からないんだけど、
まぁ、大変な根気と神経を使う作業なんだろうなと。

薄いオーガンジーの布に刺繍された天女が素敵だった。
KusanoShizuka-2.jpg

で、ここ来たら、やっぱりこちらで休憩ですよね。
ハーブスのケーキと紅茶!
2014-10-19-(9).jpg

松坂屋美術館はパスしたけど、まぁついでなのでと(無料だし)
6階の美術画廊を見て行きました。
「八木佑介 日本画展」
1991年生まれという若い方!
夜の都会の風景を写真か?と思うほどに写実的に描いています。
日本画の画材(岩絵具?)の粒子が濃密で、キラキラするような画面がいいなと。

「新日本画研究会」の方は、
長沢明という方の絵が、不思議なパワーを感じて良かった。
へーいいなって見てたら、画廊の人が、この人は展覧会をやると
いつも作品が完売する人気の方なんですよと。
後から気付いたのですが、この展示作品と同じような作品が、
10月12日放送のアートシーンで紹介されていた
「寺田コレクション 自然と生命への賛歌」展で写ってたなと。
アートシーンの放送見ながら、
このコレクションをした人(寺田小太郎氏)の感性いいなって思ったんです。
茨城県天心記念五浦美術館の展覧会のページにも長沢明の絵の画像ありました。

茨城県天心記念五浦美術館: http://www.tenshin.museum.ibk.ed.jp/
松坂屋の美術画廊のページ: http://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/garou/

愛知県美術館: http://www-art.aac.pref.aichi.jp/

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