SSブログ

岐阜県現代陶芸美術館「土の冒険のぼうけん」展 [美術]

9月1日(木)に行ってきた展覧会ですが、
とても素敵だったので、感想を書いておきます。

岐阜県現代陶芸美術館
「こじまひさやの
 土の冒険のぼうけん」展
MagicalMiracleCeramic.jpg

私は岐阜県美術館の後援会員なので、3,000円の年会費で、
岐阜県美術館だけでなく、岐阜県現代陶芸美術館の企画展も
1回ずつ無料で見ることができるんです!
(なんておトクなんでしょう!! 誰でも入会できます。)

前回、岐阜県現代陶芸美術館へ行ったのは、6月5日(日)
「セラミックス・ジャパン」展
「リフレクション」展を見ました。

その時に、次回の企画展として、このチラシをもらったんですけど、
夏休みの子供向けの展示かと思ったんですよね。

MagicalMiracleCeramic-2.jpg
ちゃんと、チラシ裏面に、
虚と実の狭間にある「臨界点(=クリティカルポイント)」を求めて制作を続けてきた現代美術家・小島久弥(こじまひさや/1957年名古屋市生まれ)。 本展では当館の所蔵品を中心に、小島久弥と2003年より制作をともにする江藤莅夏(えとうりか)のユニット「W.N.project」による共同演出で、やきものの新しい鑑賞スタイルを提案します。
形態や釉薬の景色を意識させる仕掛け、普段の美術館ではみられない展示方法など、観る者が驚きや発見を体感できるインスタレーションが満載です。光と影、映像や音響を駆使してつくり上げた、マジカルでミラクルなセラミックの世界を、ぜひお楽しみください。

って紹介してあるんですけど。

なので、会期末の9月4日(日)が迫ってきて、バタバタしていたこともあり、
見に行くのあきらめようかなとも思ったんですが、
ツイッターで評判が流れてきていたので、
パートが休みだったこの日、ちょっと遅くなったけど出かけました。
岐阜県現代陶芸美術館へ着いたのが3時くらいになりましたが、
ここ、6時まで開館しているので朝の遅い私にはありがたいです。

受付で岐阜県美術館の後援会員証を見せると、
出品リストと「ぼうけんパスポート」って小冊子がもらえました。
2016-9-25-(36).jpg

ロビーのこの展示のみ撮影可
2016-9-1-(11).jpg

消防士のようなスーツは、陶芸家の鯉江良二さんの耐火スーツだそう。

やきものを焼いている最中に
茶碗を窯から外に引き出し、
水につけて冷やすと
上薬に含まれる鉄分が黒くなり
引出黒茶碗ができあがります。
陶芸家の鯉江良二さんは、耐火スーツを着て
この引き出しを行います。

(「ぼうけんパスポート」より)

展示室の入口の左上には、焼き物の人形たちが取り付けられ、
上からのライトで影が長く伸びています。

最初の展示室に入って驚きました!!
清水六兵衛《CERAMIC CIRCLE'86》が中央に置かれ、
ライトがゆっくりと上下しています。
sunsetsunrise.gif
(あくまで私の印象で作ったGIFアニメ)
《Sunset Sunrise》
焼き物の隙間がまるで遺跡の影のように伸びたり縮んだりして、
太陽が昇ったり、沈んだりするように見えます。

うわー!! なんて素敵な現代アートインスタレーションなんでしょう!!
これ、8月28日(日)に行ったあいちトリエンナーレより私の好みかも!!!

2016-9-25-(37).jpg
次が《Breath of Craza(釉の囁き)》
小川待子《K-2000》が台の上に展示され、
微かな音がしています。窯からやきものを出した後、
冷える時に、ひび割れて出る音だそう。
作品のくぼみにたまった釉が氷のようにも見えました。

続く展示室の中央に、ケースにいっぱい
乾燥したシロツメクサが詰まっています。

江戸時代、オランダから
さまざまなものがやってきました。
その時、品物を守るため
すき間に詰められていたのが
シロツメクサです。


壁の展示ケースには、
三島喜美代のマンガ雑誌をやきもので作った《Comic-07》や、
八木一夫《頁1》
西村陽平の本を焼成した作品、
荒木高子《頽廃の聖書》など、
本をモチーフにした作品が並んでいました。

それから、色が分かれているような壺や皿の展示がありました。
清水卯一《青磁鉄彩壷》や、
バーナード・リーチ《抜絵巡礼文皿》が良かった。

次の展示室が素晴らしかった!!
高い吹き抜けから、フーコーの振り子のように
ゆっくりと揺れているのは、阿曽藍人の《土の玉》
玉の影が広い展示室の壁をゆっくりと動きます!!
阿曽藍人・小島久弥のインスタレーション《Gravity》
Gravity.gif
(あくまで私の印象で作ったGIFアニメ)
横に、どれもかなり大きい球体の作品――
カルロス・カルレ《球体》
阿曽藍人《土の玉》
アレッショ・タスカ《裂け目のある大きな球体B》
金子潤《UNTITLED,1995》
――が並んでいるのも素敵だった!!

小島久弥の映像(?)作品《IN⇔OUT》(この作品のみ豊田市美術館蔵)は、
私にはよくわからなかったんですが‥‥
暗い草むらの中を照らす懐中電灯の光の映像。
スクリーンの前に透明な球が置かれていて、
スクリーン側から光が照らされて、球の影ができます。
懐中電灯の光は映像=虚だけど、球を照らす光は??

展示ケースをよく見たら、水が満たされているではありませんか!!
水の中に展示されているのは、大石早矢香《秘めりんご》
体の一部のような形も見えて、エロティックな雰囲気が、
水の中でさらに妖しいです!!
時々小さな泡が出るのもいいなぁ!!!

この記事を書くために小島久弥について調べたら、私、
金沢21世紀美術館「レアンドロ・エルリッヒ―ありきたりの?」展
に行った時に、《男は海水のなかをダイビングしている》って
作品を見たことがあるって気がつきました。
ワイングラスの中の小さな人形に、たまに気泡が出てくるのが
面白かった。

それから、以前の「きになるかたち」展とかでも見た
田嶋悦子や重松あゆみなど、不思議な面白い形の作品が並んでいました。
チラシ裏面の右側ちょっと妖しい不思議な形が、田嶋悦子《ポリープ》
左側の古代の不思議な形のようなのが、ユン・ドン=ナム《無題》

そして、薄暗い中にマイセンの燭台があり、
19世紀、夜、部屋の明るさはこれくらいだったと。

最後の部屋には、オルゴールの子守歌のメロディが流れ、
マイセンの猿の楽団の人形たちが輪になって並んでいます。
真ん中に映写機(?)があってゆっくり回転しています。
猿の楽団の映像が壁に映され、反対側には映写機からの光で影が映り、
部屋の中を回っています。見ている私の影も壁に映ります。

面白かった!! この展覧会、見逃さなくてよかった!!
こんな素敵な展覧会をほぼ独り占め状態で見せてもらって、
すごく贅沢な気分でした。
(ここ、なかなか素敵な展覧会やってるんだけど、
 車がないと‥あっても?‥不便な場所なんですよねー)

そして屋外に展示されていたのが、鯉江良二《雨/陶←→土》
2016-9-1-(23).jpg
手入れがされてないプランターが置いてあるのかと思ってしまうんですが、
2016-9-1-(12).jpg
「鉄製の箱に、植物の種子を含む土を詰め、そこに岩石を乗せて
焼いています。屋外に置かれ、雨にあたるうちに、土の中の焼け残った種子が
芽を出しました。(後略)」と説明がありました。

磯崎新(いそざきあらた)設計の岐阜県現代陶芸美術館が入っている
セラミックパークMINOの中庭の滝に、
阿曽藍人《土の玉》が7点置かれています。
2016-9-1-(15).jpg

それぞれかなり大きな球体です。
2016-9-1-(16).jpg

一つずつ風合いが違います。
2016-9-1-(19).jpg
2016-9-1-(22).jpg

--オマケ--
ポケモンGOで、こんな写真が撮れちゃいました。
阿曽藍人の土の玉とコラボしている? ハハハ
2016-9-1-(13).jpg

ついでに、岐阜県現代陶芸美術館、ポケモンGOのジムに
なっているんですが、ポケモンがいないジムなんて、はじめて見ました!
(ウチの近くの、ここ一般人は入れないんじゃ?ってジムにだって、
ちゃんとポケモンいるんですよ)
2016-9-1-(14).jpg

岐阜県現代陶芸美術館: http://www.cpm-gifu.jp/museum/

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました