SSブログ

京都国際マンガミュージアム「山岸涼子」展 [マンガ]

なかなかブログの記事が書けませんが‥‥
9月3日(日)、京都国際マンガミュージアムへ行ってきました。

「山岸凉子 展『光-てらす-』
 ―メタモルフォーゼの世界―」 の最終日
YamagishiRyoko.jpg

友人からこのチラシもらって、行きたいなーって
思ってたんですが‥‥会期わりとあるのに気が付けば終了間近。

ホントは兵庫県立美術館「怖い絵 展」へ行った8月30日(水)に
ここへ行こうって列車とか調べてたんですよね。でも
京都国際マンガミュージアムは水曜日が休みだって知って、
「怖い絵」へ行ったんです(それはすごく良かったんですが)
で、兵庫まで行ったばかりだし、ちょっと自制しないといけないかなーって、
一度はこの展覧会あきらめようかとも思ったんですが、
やっぱり、あきらめきれずに出かけてしまいました。

乗換案内で調べてたんですが、名鉄岐阜駅からJR岐阜駅への
乗換9分はちょっと無理で、JR岐阜9:51の米原行きに乗りました。
今日は、京都で他も行きたかったので、米原から新幹線を奮発しちゃいました!

京都駅に11:11着。地下鉄烏丸線で3駅目の「烏丸御池」で降りて徒歩2分。
建物の時計が11時35分を指していますね。
2017-9-3-(7).jpg

入口にあった記念撮影スポット
2017-9-3-(8).jpg
麗しの厩戸王子サマww

販売機で入場券800円を買って入館。

京都国際マンガミュージアムには、2015年1月4日に
青池保子原画展を見に来たのが最初で、今回2回目。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-01-09

なので(?)常設展示のメインギャラリーは素通りして、
企画展が開催されているギャラリー1・2・3へ。

撮影OKだった入口のパネル
2017-9-3-(11).jpg

作者の自画像(?)も撮影OKでした。
2017-9-3-(10).jpg

1969年にデビューしたマンガ家・山岸凉子は「アラベスク」や「日出処の天子」などの大ヒット作を生み出し、巧みな心理描写と画面構成で読者を魅了し続けています。 (チラシ裏面より)
YamagishiRyoko-2.jpg

少女マンガ花の24年組の一人ですね!!(山岸凉子は昭和22年生まれですが)
もちろん私も夢中になりました。

このブログでも記事を書いています
山岸凉子『アラベスク』
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2008-09-10

山岸凉子『ゆうれい談』
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2008-08-13

山岸凉子『パエトーン』
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-05-16

過去記事『アラベスク』にも使いましたが、私のお宝コレクションの
アラベスク連載第10回目のページ、このバレエのポーズと背景が
別々に描かれていたのを知りました。
arabesque9.jpg

この頃の雑誌のカラーって3色刷り(CMY)なので、
セリフはシアン(青)で印刷されています。

この絵の背景を描いたのは萩尾望都ですって?!!
YamagishiRyoko-4.jpg

『アラベスク』は「りぼん」1971年10月号~1973年4月号に連載されました。
最終回の扉ページ
arabesque12.jpg

『アラベスク第二部』は「花とゆめ」1974年6月号~1975年22号に連載(Wikiより)
YamagishiRyoko-5.jpg

セリフの色が黒になってますね。カラー印刷も4色(CMYK)になったのは、
雑誌のせい? 時代のせい?
YamagishiRyoko-6.jpg


『日出処の天子』は衝撃でしたね。
当時は聖徳太子って言ったら、万札のことだったんですよ!!
YamagishiRyoko-17.jpg
それがこの美少年で、超能力者で、同性愛者!!!!
「LaLa」での連載は1980年4月号からだそうですが、その当時、私は
大学を卒業した頃で、少女マンガからは遠ざかっていたはずなんですが、
この作品だけは、雑誌を立ち読みしたりして読んでいたのを覚えています。
大学の友人たちと、このマンガについて熱く語っていたように記憶して
いるんですけど、大学を卒業した後で会った時に話していたんだと。

山岸凉子の絵はカラーが美しいんですよね。
着物の文様や背景の植物とかもすごく細かく描いているし。
日本画やミュシャをすごく研究したんだろうなって。
私はこの人は、努力して絵を描く人だと見てたんですが、やはり
今回買った画集の最後に載っていたインタビューに、
当時“原稿料はすべて資料に注ぎ込む”と決めていたので
ってありました。
モノクロもビアズリーの画集を参考にしたそうですが、とても美しいです。
ま、力が抜けた自画像のような絵も、それなりに和むんですけど。

そして、「一番好きな作品は『星のたてごと』です。」ってあったのには、
やっぱり!! って、嬉しくなりました。

水野英子『星のたてごと』
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2009-02-25

そのお凉サマが90年代に深刻なスランプだったって話は
初めて知りました。
(その頃は私はマンガ、特に少女マンガから遠ざかっていたし‥‥)
でも、その頃に描かれたという『鬼』古本で手に入れて読みましたが、
悲惨な話だけど最後に“救い”があって私はいいなって思いましたけど。

近年、友人とコミックカフェに行くようになって、
『テレプシコーラ-舞姫-』を読みました。
(コミックカフェには第1部しかなかったので、第2部はまだ読んでないのですが)
現代のバレエマンガはこうなるのか‥‥って、
なかなかハードな話でしたが、さすが、お凉サマの世界です。

コミックカフェには最近『レベレーション 啓示』も入ったので、
ジャンヌ・ダルクがどのように描かれるのか、これから楽しみです。
2017-9-7-(2).jpg

京都国際マンガミュージアムは、館内の至るところが「マンガの壁」
書架に約5万冊のマンガ単行本が自由に読めるようになっていて、
レアなマンガ本もあるんですが、山岸凉子展の開催期間中は、
特別に1階の書架に山岸凉子の本が並べられていたので、

山岸凉子のデビュー作「レフトアンドライト」と、初期の
女性同士の愛を描いたという「白い部屋のふたり」を読みました。
まだ読んでいない作品もたくさんあったので、心残りではありましたが、
京都でもう一か所回ろうと思っていたので、ショップで画集を買い、
YamagishiRyoko-3.jpg
山岸凉子画集3,240円

壁に漫画家の直筆サインが描かれたカフェで、
「唐マヨ丼」650円とコーラ210円を食べて、次へ向かいました。
2017-9-3-(12).jpg

京都国際マンガミュージアムの庭でも、マンガ本を読むことができます。
日陰の芝生でマンガを読みふけっている人がたくさんいますね。
2017-9-3-(13).jpg

京都国際マンガミュージアム: https://www.kyotomm.jp/


--オマケ--私のお宝コレクションから

『アラベスク』の連載が始まる前の号(「りぼん」1971年9月号)に載った
『ネジの叫び』
YamagishiRyoko13.jpg
それまでの絵からずいぶん変わった雰囲気で、ホラーなストーリーと
共に、私が山岸凉子を見直した作品でした。
過去記事『アラベスク』でも書きましたが、『アラベスク』の
連載が始まるまで、私は山岸凉子をあまり評価していなかったのです。
なにより絵が好きでなかったので。なので、
この大人っぽい絵とストーリーはいいなって思ったんですけど、

画集に載っていたインタビューで、その前号の作品『雨とコスモス』で
デビュー当時の丸い絵から、元の自分の絵に戻したのですが、 読者からものすごい反発がありました。
ってことでした。(私は『雨とコスモス』は読んでないです)

画集のインタビューで(170ページ)
 怪談物第一作『ネジの叫び』(1971年)も「何を描かせたらいいか困った編集部に “怪談でも描いたら”って言われて。当時は怪談物は、期待できない人が穴埋めのために 描く色物という感じで、イヤだなとガッカリしながら、でも言われたからには描いてみせると思い、無理やり描いたのです」と。

『月の落葉』りぼん 1972年4月号増刊
YamagishiRyoko-10.jpg

そして、衝撃作『ゲッシング・ゲーム』!!
YamagishiRyoko-9.jpg

山岸凉子のWikipediaに書かれています
1972年の『ゲッシング・ゲーム』は、少女漫画雑誌初の男性同性愛の話である。

このセブンティーン・コミックスに収められているのは、
『ミシェル・デュトワの物語(Story of Michel Duthoit)』4部作
Part: 1 『ゲッシング・ゲーム』月刊セブンティーン1972年11月号
Part: 2 『バロッコ・コンチェルト』ファニー1973年9月号
YamagishiRyoko-8.jpg
Part: 3 『ル・コック』ティーニー1974年5月号
Part: 4 『グリーン・カーネーション』月刊セブンティーン1976年1月号
YamagishiRyoko-16.jpg
「グリーン・カーネーション」とはソドミーって意味なんですって?
このベッドがきしむ「ギシ」って音が、ものすごくリアルだと、
当時の友人たちと盛り上がりましたねー。
今なら「腐女子」って言われる?

『三色すみれ』りぼん1973年5月号
『アラベスク』(第一部)の連載が終わった次の号に掲載された作品
YamagishiRyoko-11.jpg
フォン・ルフェビュール家ゆかりの3人の女性たちの話
今年8月にヤマザキマザック美術館で「よそおいの200年」という、
フランスのファッションや髪形の歴史を絵画などから紹介する
展覧会を見て(感想が書けておりませんが)、あらためて
この作品に登場する女性たちのドレスや髪形の時代考証が
きちんと描かれているのに感心したんですよね。
YamagishiRyoko-12.jpg

『ティンカー・ベル』デラックスマーガレット1973年秋の号
YamagishiRyoko-15.jpg
YamagishiRyoko-14.jpg
サンコミックスには『ティンカー・ベル』の他に、
『ラプンツェル・ラプンツェル』
『かぼちゃの馬車』
『わたしの人魚姫』
『ねむれる森の』が収録されています。

『シュリンクス・パーン』プリンセス1976年5月号
YamagishiRyoko-7.jpg

掲載された雑誌等については山岸凉子のWikipediaを参考にさせてもらいました。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

山岸凉子画集 光 [ 山岸 凉子 ]
価格:3240円(税込、送料無料) (2017/9/24時点)




nice!(3)  コメント(3) 
共通テーマ:コミック

nice! 3

コメント 3

sknys

東京・弥生美術館(2016.9.30-12.25)と同じ展示内容だと思いますが、
展示方法は京都国際マンガミュージアムの方が良さそうです。
弥生美術館は古臭く、狭くて、ガラスケース越し、
前・後期と中期で60点以上の入れ替えがあったから‥‥
中期と後期の2回観に行く羽目になりました(2回目は最終日のXmas!)。
猫画家のヒグチユウコさんもツイッターで感激していたように、
カラー原画が美しい。
衣裳の模様は細密画のように繊細で艶やかでした。
拙記事〈メタモルフォシス展〉をTB出来ないのは残念にゃん^^;
by sknys (2017-09-29 12:16) 

宮崎

私は弥勒美術館に行きました。そのあと「光」画集を買い、単行本の山岸凉子集を何冊か買いました。
小学校のころ、友達から単行本でゲッシングゲームをもらってから山岸凉子先生のファンになりました。中学のころ、買ったばかりの「あやかしの館」と自転車での帰り道で落としてしまい。雨のなか泣きながら探したのをよく覚えてます。車に踏まれて痛んでしまったけれど宝物です。
by 宮崎 (2019-04-28 14:25) 

しーちゃん

宮崎さん、コメントありがとうございます。
「小学校のころ、友達から単行本でゲッシングゲームをもらってから山岸凉子先生のファンに」って、かなり早熟であられたのでは?(^^)
山岸凉子先生のカラー原画、とても美しくて、この展覧会良かったですね。

by しーちゃん (2019-04-29 14:40) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。