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ヤマザキマザック美術館「動く絵」展 [美術]

2月2日(日)、愛知県美術館「アイチのチカラ!」展を見た後に、
ヤマザキマザック美術館へ行きました。

「アイチのチカラ!」展を見終わったのが3時頃。今から遠くの美術館へ行く程の
時間はないけど、これで帰るのはちょっともったいない‥‥って。
迷ったんですよね。8階の日展を見ようかなって。でも、去年は職場の方から
入場券もらったけど、今年はもらってなくて、入場料1,000円かーーってのと、
人も作品もいっぱいで疲れそう‥‥ってことで、ヤマザキマザック美術館へ行くことに。

1月5日(日)から「金澤麻由子 動く絵」展をやっています。
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ま、チラシ見て、うーんこれはどうなのか‥‥ってのは思ったんですけどね。
ヤマザキマザック美術館は私の大好きな美術館だし、
愛知県美術館から徒歩で10分とかからずに行けるので。

1階の受付で入館料1,000円払って――あ、今チラシ見たら、このチラシ持参で
900円に割引しますって書いてあるじゃないですか!!
しまったー、出すの忘れちゃった。おケチな私としたことが!!それに
前にもらったスタンプカードも持ってくるの忘れてる(ToT)――
コインロッカー(100円は後で戻ってくる)にコートを預けてエレベーターで4階へ。

入口近くに設置された大きな鳥の巣のような中には、
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(この展示、撮影OKでした。但しフラッシュはNG)
霧のような煙が流れ、そこに羽ばたく小鳥が映し出されています。
手を入れると小鳥が指にとまるってことなんですけど。
ちょっと小鳥の映像が儚げすぎて‥‥
《巣―Nest》2012年の作品

《Sweet Home》2010
ふかふかの毛におおわれた椅子に座ると、
前のスクリーンに映っているアルパカの親子のテーブルに
自分も映し出されます。椅子の脇のロウソク(もちろん作り物)に火をともすと、
スクリーンの中のドアが開いて、アルパカの子供がケーキを運んできて
テーブルに置きます。どうやら誕生パーティをしてくれてるみたい。
最後にアルパカのお父さんがハグしてくれます。

《Polyphonic Jump》2012
ジャンプをすると、大きなスクリーンの中にいろんな動物たちが出てきて、
自分の姿も一緒に映って、大きな絵本の中に入り込んだような体験ができる作品。
ゴリラが木の上から出てきてオシッコひっかけたり、
ミーアキャットが集団で出てきて踊ったり、
大きなゾウがスクリーンをゆっくり横切っていったり、鹿やうさぎやタヌキやキツネ‥‥
そして、ヤマザキマザックのマークをかたどった虫が飛んでいったりと、
童心にかえってジャンプして遊べる楽しい作品でした。

チラシ裏面の作品は、覗き込むと、動物たちが近づいてくるという
《時の企て》2013
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金澤麻由子さんの絵本『てんからのおくりもの』の原画も展示されていました。

楽しい展示ではありましたが、私、IAMASの卒業制作展とか、
「魔法の美術館」展とかに行ってたりするので、
テクノロジー的にはそれほど驚かなかったかな。

いくつか写真撮ったんですが、自分の姿が映っていたり、うまく映ってなかったりで、
ここにアップできる写真はなくて残念です。

今回の企画展コーナーの後はいつもの常設展示へ。
いつもはエレベーターのところで貸し出してもらう無料音声ガイド、
今回はここで貸してもらいます。

企画展示スペース分、エミール・ガレやドーム等アールヌーヴォーのガラス作品の展示が
少ないですが、その分厳選されていて。

そして、ここ何回も来ているのに、今回初めて知ってビックリしたんですが、
写真撮影OKだったんですよ!!!
最初の注意書きに、撮影OKってあったのは、企画展だけのことかと思ってたんですが、
常設展示の方の説明パネルに、たまに写真撮影NGマークがあったんです。
え?!‥‥ってことは付いてないのは撮影していいの?って聞くと、
フラッシュはダメですが‥‥とのこと!

なので、バチバチ撮っちゃいました。
エミール・ガレのガラス《蘭文花器》
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ドーム《葡萄文花器》
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ティファニー《ケシ文ランプ》
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が‥‥どうもうまく写らないですね(ToT)
ガラスの透明感やランプの輝き‥‥カタログの写真ですら実物の美しさには
遠く及ばないのだから、私のiPhoneで写せるわけもなく‥‥

4階の展示ですごいのは、アール・ヌーヴォーの家具が単体だけでなく、
一部屋まるごとのコーディネイトで見ることができること。

ルイ・マジョレルの食堂用家具の部屋
シャンデリアはバカラ、食器はマイセン
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ポール・アレクサンドル・デュマのナナカマドのモティーフがちりばめられた
食堂用の室内装飾一式。暖炉やクロス張りの壁面フレームまで、
一部屋まるごとデザインされています。
シャンデリアはドーム。
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iPhoneのパノラマ機能使って、ぐるりと回りながら撮影してみました。
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(クリックで拡大します)

そして、さらにすごいのが5階のロココ絵画の部屋!

この雰囲気!! まるでどこかの宮殿にでも迷い込んだよう!!
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やっぱりすごいのが、フランソワ・ブーシェ《アウロラとケファロス》
ルイ15世の寵姫ポンパドゥール侯爵夫人の邸宅に飾られていたと伝わる作品だそう。
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優美で官能的なこの絵の前で、貴族たちが恋の駆け引きを楽しんだのかなと。

もう一枚のフランソワ・ブーシェ《恋文》
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どれほど貴重な作品なのか想像もつかないのに、
あえて額装からガラス板、アクリル板をはずしてあるんですよ!!

ジャン・マルク=ナティエ《狩りの衣を着たマイイ伯爵夫人》
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描かれているマイイ伯爵夫人は、ルイ15世の寵愛を10年間にわたって受けた女性とのこと。

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手前から、マリー・アントワネットの肖像画家であった
エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ=ルブランが
フランス革命を逃れ、ロシアに6年間滞在した時に依頼を受けて描いた作品
《エカチェリーナ・フェオドロヴナ・ドルゴロウキー皇女》
そして、その後、イギリスに3年間滞在した時に描かれた《リラを弾く女性》
フランス革命後、各地を逃亡(肖像画家としての才能を生かした、結構優雅な生活だったようですが)し、
「1842年87歳で生涯を閉じるまでの間、877点の絵を描き、そのうちの662枚が肖像画であったと言われています。」(ヤマザキマザック美術館HPより)
「ベルばら」にも出てくるルブラン夫人、すごい画家だったんだなと。
その奥の絵は、ドラクロア《シビュラと黄金の小枝》

昨年5月に来た時に「夏目漱石の美術世界展」に貸し出されていた
ジャン=バティスト・グルーズ《少女の頭部像》戻ってました。
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優美なロココ絵画とこの雰囲気、私のお気に入りの美術館です。

過去記事
ヤマザキマザック美術館: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-01-24
ヤマザキマザック美術館「ロココの雅」展: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-08-28
ヤマザキマザック美術館「エマイユの煌き」展: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-08-09
ヤマザキマザック美術館「フランスの美しい風景」展: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-05-29
ヤマザキマザック美術館「森の夢」展: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-07-28


ヤマザキマザック美術館のHP: http://www.mazak-art.com
コレクションの画像と詳しい説明もあってとてもいいサイトです。
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コメント 2

神奈川のしーちゃん

ヤマザキマザック美術館、素敵ですね!
「大きな絵本の中に入り込んだような体験ができる」って、なんかすごく楽しそう・・・
一度体験してみたいです。

ガレやドームのガラス作品があるのもいいなぁ~
何年も前ですが、諏訪の北澤美術館で、ガレのガラス作品の「ひとよきのこランプ」(で、あってましたっけ?)に大感動しました。
作品の素敵さもですが、「小さなお茶会」というコミックの中に、このランプを題材にしたお話があったから・・・
作者は、諏訪近辺在住だったようです。

ブーシェ展も、もう30年位前になりますが、見にいったことあります。
乙女チックと言う人もいますが、私は好きでしたよ。
ドレスの質感とか、肌の感じとかすごくリアルで、気に入りました。

ここで、「ベルばら」がらみの画家さんがでてくるとは・・・(笑)
こんな素敵な美術館が近くにあったら、リピーターになっっちゃうかも・・・
by 神奈川のしーちゃん (2014-02-06 21:16) 

しーちゃん

神奈川のしーちゃん、コメントありがとうございます。諏訪の北澤美術館へ行かれたことあるんですか?! 私はわりと最近になってそこがアール・ヌーヴォーのガラス作品をたくさん所蔵しているって知って、行ってみたいって思っていたところなんです。
猫十字社のマンガ「黒のもんもん組」は単行本も持っているんですが、「小さなお茶会」は読んでないんですよ。「ひとよきのこランプ」を題材にしたお話‥‥わーそれ読んでみたい!!
ブーシェ展なんて開催されたんですね?!! 30年位前ですか? すごい!!作品を集めてくるのが大変だったんじゃないでしょうか。私もブーシェのこの、ちょっと恥ずかしくなる程の乙女チック?な雰囲気、ツボです。
この美術館、お耽美少女漫画にハマった人にはたまらないんじゃないかなーって思います。

by しーちゃん (2014-02-07 11:37) 

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