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古川美術館 [美術]

2月1日(火)、名古屋・池下にある古川美術館へ行ってきました。
ダンナに頼まれて、事務所まで資料を届け、
さて、せっかく名古屋まで来たのだから、どこへ寄ろうかと考え、
今まで行ったことがない、古川美術館へ行くことにしました。

ヘラルドグループの創業者で、初代館長である故古川爲三郎(1890-1993)が
収集した美術品コレクションを寄付し、1991年(平成3年)11月にオープンとのこと。

地下鉄東山線「池下」駅を出るとすぐに、
(チラシでは「1番出口より」とあったんですが、私は2番出口の方から出てました)
木立にかこまれた趣のあるお屋敷がありました。
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これが古川美術館の分館「爲三郎記念館」です。

でも、この時は、分館まで見るかどうかは決めていませんでした。
(だいたいどんなところなのかも知りませんでしたし‥‥)
で、えーっと本館はどこだ?と、坂を下りて行くと、
普通の住宅街の中に、普通の住宅にはさまれてありました。
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入館料一般1,000円を払って入りました。
今やっていた企画展は、「長生きは芸術なり」
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初代館長の古川爲三郎は平成5年に103歳で亡くなったそうですが、
晩年、「長生きは芸術なり」という言葉を好んで使ったとのこと。
‥‥うん、いい言葉ですね。
この企画展は、古川美術館のコレクションの中から、
80歳以上の長寿の画家の作品を選んで展示するとのこと。

画家って長寿の人が多いですね。それか思い切り短命か。
ま、画家として成功して、日々好きな絵を描いていられるというのは、
幸せなことなんでしょう。

横山大観(1868-1958)の掛け軸に始まり、安田靫彦(1884-1978)、杉山寧(1909-1993)
小野竹喬(1889-1979)、東山魁夷(1908-1999)、福田平八郎(1892-1974)‥‥
よく知っている画家たちの絵が並びます。
100歳を越えた画家たちのコーナーでは、
小倉遊亀(1895-2000)、奥村土牛(1889-2000)、
青山義雄(1894-1996)、吉井淳二(1904-2004)
後の2人は私は始めて名前を知った画家ですが洋画でした。

椿を描いた絵を並べていたコーナーもありました。

そして2階には、
川合玉堂(1873-1957)、岩橋英遠(1903-1999)、奥田元宋(1912-2003)らの
松竹梅などのおめでたい絵

愛知県が1976~1996年の21年間、満80歳以上の方に長寿を祝い贈呈した
長寿扇が展示されており、
その原画を描いた画家たち
三岸節子(1905-1999)、片岡球子(1905-2008)、杉本健吉(1905-2004)ら、
県に縁の深い画家の絵が展示されていました。

そして2階の展示室で一番大きくて目に付いたのが、
朝見香城(1890-1974)の、六曲一双の金屏風《花鳥図》でした。
私、この画家の名前は知りませんでしたが、
左隻に紅葉と雉、右隻に桜と孔雀が描かれて、とても優美で豪華でした。
以前、目黒雅叙園の花鳥風月展というのを岐阜県美術館で見たことがありますが、
あの〈昭和の竜宮城〉と呼ばれた、目黒雅叙園を飾った
絢爛豪華な絵に通じるところがあるように思いました。

ただ私、この屏風は気に入ったんですが、
後の絵は、小品ということもあって、ちょっと物足りない気がしました。
それぞれ有名な画家が描いているので、それなりにいいんですけど‥‥。

あとハイビジョン映像を上映する部屋もありましたが、
途中で眠ってしまっていました(--;)

こじんまりした美術館で、気軽に美術鑑賞するにはいいかなーと。
鑑賞者も(私がイメージしていたよりはいましたが)あまり多くなくて‥‥。

本館の裏手に行ってみたら、この家、美術館と関係がある人のお宅なんでしょうか?
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デザインがカッコイイ! 階段に猫のオブジェが飾られているのもナイス!
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チケットは分館との共通入館券となっていたので、分館にも行ってみることに。
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一代で名古屋を代表とする実業家となり、芸術文化のみならず、
福祉、教育、医療などに関心を持ち、寄付などを通じて社会に多大な貢献をしたという
古川爲三郎。分館は彼が終の棲家とした邸宅だそうで、
「創建時の数奇の姿をとどめる邸宅を皆様の憩いの場に」という遺志により、
平成7(1995)年より公開するようになったとのこと。
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趣のある入口です。内部は写真撮影が禁止されていたのが残念。
私はとても気に入りました。
昭和9年に創建されたという、数奇屋建築の「爲春亭(いしゅんてい)」
各部屋に意匠が凝らされていました。
それぞれに飾られた掛け軸や生け花、床飾りなども趣がありました。
開放的なガラス窓からは日本庭園の眺めが素晴らしく、
流れる水音が心地よかったです。

新しく作られた「桜の間」には、洋画家・田村能里子の天井画や壁画が
飾られていて、また違った味わいです。

ここではお茶などもいただけるんです。
(古川美術館のチケットを買うと、呈茶200円割引券がついてきます)
おぜんざい(季節限定・毎日20杯限定)900円
抹茶と和菓子 700円
コーヒーと猫の舌(古川美術館オリジナル洋菓子のラング・ド・シャ)700円
などのメニューがありましたが、

私はおぜんざいを選びました。200円割引で700円。
アツアツのつぶあんのおぜんざいに、梅塩昆布と、香ばしい韃靼蕎麦茶がついてました。
庭を眺められる場所も捨てがたかったのですが、桜の間でいただきました。

古川美術館のサイトはこちら:http://www.furukawa-museum.or.jp/
分館の爲三郎記念館のページには、館内の見取図やそれぞれの部屋の説明、
360度回転ムービーなどがあって楽しめます。

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コメント 2

たまのママ

“長生きは芸術なり”・・・本当にいいコトバですね。。
横山大観、東山魁夷、小倉遊亀、片岡球子、私でも少し知ってる名前があって嬉しいです。
造りも立派で、猫のオブジェもユニークですね。。
国立とか大きい有名な美術館じゃなくて、こじんまりとしたこういう美術館もまた、趣があって良いですね。
ゆっくり一人で観るにはいい場所だなぁって思いました。
大松美術館の記事から先に見ましたが、確かに外観が似てますね。
by たまのママ (2011-02-09 08:51) 

しーちゃん

たまのママさん、コメントありがとうございます。こういう、こじんまりした美術館、ゆったりと鑑賞できて好きです。それぞれ建物にも趣向を凝らしていて、そんなところを見るのもも訪れて楽しいです。大松美術館は閉館してしまって残念です。美術館の維持というのも大変なんでしょうね。ここは結構人が入っていましたが、頑張ってほしいです。
by しーちゃん (2011-02-09 19:06) 

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