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岐阜県美術館「伊藤慶二+林武史展」 [美術]

3月4日(金)、岐阜県美術館へ行ってきました。
私は岐阜県美術館の後援会員(個人会員は年会費3,000円)になっているので、
各企画展が一回ずつ無料で見られるんです。
前回の企画展は「三尾公三展」でした。
感想はこちら:http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-01-22

今回の企画展が「伊藤慶二+林武史展」2月22日(火)~5月8日(日)
チラシ表面(真ん中より両側に開く)
gifuart1.jpg
裏面
gifuart2.jpg
中面
2011.3.4-026.jpg
このチラシ、ちょっと変形で、紙質も半透明のような、
片面がツルツルした包装紙のような紙で、なかなかカッコイイじゃないって、
思ってたんですが、アーティストの名前は知らなかったです。
(伊藤慶二は2007年の円空大賞展で見てるはずなんですが)

現代アートの2人展なのね、くらいのことで、まぁ正直、
無料で入れなければ行かなかったかもしれませんが。
でも、岐阜県美術館の現代アートの展覧会、なかなか良くて、
私は今回はどんな作家なのか楽しみでもありました。

美術館の庭に入ると、まず、この土俵のような土の塊が目に付きました。
2011.3.4-008.jpg
土にはワラも混じっていて、壁土だそうです。
今はこんな壁土を塗る家も少なくなりましたけどね。
織部焼きのような緑色の陶器があちこちに出ています。
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タイトルは《春―美濃》林武史の作品です。

企画展の入口で「音声ガイド無料」という表示がありました。
ヤマザキマザック美術館で無料の音声ガイドを聞きながら鑑賞して
良かったので、無料なら、と借りてみました。

解説と、作家の声も聞けて、これはいいですね。

この音声ガイドがなければ、ふーーんってカンジで、
なんかよくわかんないけど、面白い形ーって、
あっという間に鑑賞終わりってなってしまったと思うんですが。
ま、反対から言えば、あー面白いで充分じゃない、
小難しいことをゴチャゴチャ言わなくてもってのも‥‥

例えば、入口に展示されていた《HIROSHIMA 証》
針金で支えられた白くて薄い陶の平面に、小さなコマのようなものが
たくさん並んでいて、あらカワイイって思ったんですが、
これは、広島と長崎に落とされた原爆のキノコ雲と、あとたくさんの
キノコ雲を表しているんだとか。ふーーん。

チラシの表面の写真に使われている《面》という作品(シリーズ)は、
原始的な力強さ、存在感を感じる作品。

この人の作品――陶だけでなく、木や布で作られた作品も――は、
何か精神性が感じられるところがいいですね。

いつも抹茶茶碗とか陶器が並べられている小さな展示室が、
伊藤慶二アーカイブ室とかで、これまでに影響を受けたりしたモノが
並べられているんですが、色々なものがあって楽しい。
それを和紙に絵と書で描いているんですが、これがまた素敵でした。

林武史の部屋に入ると、広い空間に花崗岩が並んでいる
《水田》という作品。
‥‥なるほど。水田ね。作家が音声ガイドで語るところによると、
ヨーロッパ留学から帰って日本に来たと感じたのが水田風景だったそう。
わかります。私も水田の風景を見ながら育ちましたから。
固い岩が並んでいるのに、風にゆれる稲の風景が感じられるような気がしました。

ガラスケースの中に入れられた《林間》という作品。
花崗岩の柱(ちょっと逆三角形ぽくて、地震が来たら倒れるんじゃないかと
思ってしまうような形)が、壁にもたせかけられるように林立している。
ガラスケースに入れての展示は初めてとのことだそうだが、
不思議な静かな印象になっていました。

多目的ホールに展示されていたのが、《石間》《紅の庭》
美濃和紙に赤い模様がリトグラフで印刷され、四方にたれ下がり、
一箇所だけ短くなっているところを、茶室のにじり口のように入ると、
中に、白い大理石の石が並べられている、四角い床があります。
靴をぬいであがってもいい(但し裸足はダメ)ということで、
おそるおそる上がると、石は固定されておらず、ぐらぐらと動き、
周囲に反響する音―コーンという澄んだ音―が、びっくりするくらい大きい。
大理石の滑らかな冷たさが、靴下を通しても気持ちよかったです。

外庭にあったのが、入ってきた時に見た《春―美濃》と、
《立つ人―月見台》という作品。
2011.3.4-016.jpg
岐阜県白川町産の安山岩でできているそう。
こんな穴が開けてある石もありました。
2011.3.4-018.jpg
「石が動きますので十分注意して乗ってください」と
注意書きがありました。
2011.3.4-021.jpg

あと、3月19日(土)に、日干しレンガのピラミッド
《月に吠える》という作品が庭園に組み立てられるそうです。
誰でも参加できるワークショップでの制作で、
使用する日干しレンガは昨年10月に子供たちと作ったそう。

岐阜県美術館の所蔵品展では、猪熊弦一郎の猫の襖絵がよかった。
まるで子供が書いたようなおおらかさで思わず笑ってしまう。
戦後の混乱期、世話になっていた家のために描いたものだそう。
(こんな絵を描かせて、援助していた家がスゴイ。
 熊谷守一も援助していたそう。)

県民ギャラリーでは
第18回 フォトアート岐阜写真展 と、
第44回 岐阜二紀グループ展 をやっていました。

写真展は、キューバの写真や駅をテーマとした写真、それぞれいいですね。
二紀グループの絵画は、大作が並んでいました。
金田千加子さんの絵には金網やファスナーを組み込んだものもあって、
鮮やかで童画的な雰囲気と相まって印象に残りました。

2011.3.4-009.jpg
(岐阜県美術館の入口)
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コメント 4

たまのママ

昔の壁には、藁が入ってました。
実家の壁を直す時に、見たことがあります。
こういう美術っていうのでしょうか・・・なんていうのかな??
いいですね~。。
石は動きましたか??
by たまのママ (2011-03-09 12:56) 

しーちゃん

たまのママさん、コメントありがとうございます。昔の家づくり、大工さんたちの作業を見ているのは飽きなかったですね。(今はクレーンであっという間にできてしまいますけど) 
この《春―美濃》という作品、公開制作されたそうです。見てみたかったな。
《立つ人―月見台》石はちょっとぐらつきます。土木工事なら欠陥工事?ま、アートですので?私もよくわかりませんが、なんかイイ感じだなーって思って楽しんでます。
by しーちゃん (2011-03-09 21:37) 

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