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松坂屋美術館「いわさきちひろ展」 [美術]

友人に誘われて、松坂屋美術館の「いわさきちひろ展」に行ってきました。
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正直「今さら、いわさきちひろ‥‥」って気がしていたんですよ。
私が育った頃、絵本や雑誌などで飽きるほどたくさんの絵を見ましたから。
でも、原画を見たらやっぱりすごいなって。
淡くやわらかな水彩がとても美しい。
子供の姿がとても愛らしくていいですね。

絵本も一緒に展示されていましたが、原寸大で描いているんですね。

そして、結構複雑な水彩画でも、輪郭線とかなくてきれいなんですよね。
トレース台とか使ったのかしらと思ったんですが、
展覧会場にちひろが絵を描いていた机やアトリエが復元されていて、
本当にシンプルなんですよ。
画材も、ホルベインの水彩絵の具がメインですし、
初期の、居間の一角をアトリエにしていた頃の机などは本当に小さくて‥‥
絵本などの絵をどんどん描いていた頃の机はさすがに大きくなってましたが、
画材などは本当に普通のものだなぁって。
これなら、私が持っている画材の方が豪華かもしれないって。

それで、あの柔らかな絵が出来ているのですからね。すごいです。
やっぱりデッサン力というか、スケッチも展示されていましたが、
うまいなぁって。

そして、描かれている子供の情景がなつかしいというか、
割烹着を着たお母さん、入園式に着物姿のお母さん、
たくさんの子供たちが外で遊んでいたり、
私が育った昭和の時代の情景だなぁと。
あの頃は家族のつながりがずっと深かったし、
大人と子供というのがハッキリ区別されていたような気がします。

いわさきちひろ、55歳で亡くなったんですね。(1918-1974)
本格的に絵を描き出したのが戦後の昭和22年、28歳の時。
それから、女性が仕事を持つのが難しかった時代に、
育児をしながら、夫を支えながら、一万点近い絵を描いたと。

とてもよかったので、図録を買おうとしたんです。2,000円だったので、
ちょっと高いなぁと思いながら、でも、ちひろの家の間取りや
アトリエの写真、年表なども入っていて、いいなぁと。
レジに持っていこうとしたんですが、横にあった本なども見たら、
この「ちひろの昭和」って本もすごく良くて、
どっちにしようかとかなり迷いました。

ちひろの昭和 (らんぷの本)

ちひろの昭和 (らんぷの本)

  • 作者: 竹迫 祐子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2009/04/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


図録の方が大きいので絵が大きく印刷されているのはいいけど、
「ちひろの昭和」は展覧会で見なかった絵とか写真とか充実してる。
何より、1,600円という値段で、こちらの本を選びました。
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展覧会に来ているのは、年配の女性が多かったですが、
子供連れの女性もいました。

さすが松坂屋だけあって、本や絵本の他、アートプリントや額縁、
ポストカードやレターセット、Tシャツやエプロンなど、
いわさきちひろのグッズもたくさんあって、多くの人が買い求めていました。
ちひろの絵は印刷されるのを前提にしているだけあって、
こういうグッズいいですね。
私もチラシに使われていた《母の日》(1972年制作)のポストカード買いました。
母の日のプレゼントと一緒に手渡そうと思って。
絵を見ているだけで、ふんわりと温かな気持ちになってきていいですね。

いわさきちひろの美術館、自宅兼アトリエがあった東京都練馬区と、
両親の出身地である信州の安曇野にある、安曇野ちひろ美術館があるんですね。
いつか行ってみたいな。
ちひろ美術館のウエブサイト:http://www.chihiro.jp/
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びっけ

私も いわさき ちひろの絵本で育った世代です。
あの透き通るような薄い色づかいと、黒目がちの子どもの目が大好きでした。

「母の日」のポストカード、ステキですね!
by びっけ (2011-05-08 22:57) 

しーちゃん

びっけさん、nice! & コメント ありがとうございます。ちひろの絵、見ているととても優しい気持ちになってきます。描かれている昭和の子供たちがとても幸せそうで、私たちは良い時代に育ったのかもしれないなんて考えてしまいます。
by しーちゃん (2011-05-09 13:24) 

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