SSブログ

豊橋市美術博物館「カンヴァスに描かれた女性たち」展 [美術]

7月3日(日) 豊橋美術博物館へ
「カンヴァスに描かれた女性たち」展を見に行ってきました。
toyohashimuse.jpg
このチラシ、ヤマザキマザック美術館で手に入れたんですが、
ヤマザキマザック美術館にあるような雰囲気の、この優美な肖像画
――「ベルサイユのバラ」とでも呼びたいような、ロココ美術のロマンチックな絵――
ジャン=マルク・ナティエ《花の神フローラに扮する女性》
を見て、気になってたんです。

ナティエはヤマザキマザック美術館に
《狩りの衣を着たマイイ伯爵夫人》という絵があって知りました。
モデルの女性たちを神話の女神に擬した肖像画でとても人気があったと。

下のいかにも泰西名画って雰囲気の
アンソニー=ヴァン・ダイク《エジプトへの逃避途上の休息》も
いいなぁって。

行きたいけど、豊橋か‥‥って思ってたら、
刈谷市美術館の「蕗谷虹児展」を教えてくれた友人が行ってきて、
「ヤマザキマザック美術館が好きなら絶対行くべき」って、
豊橋の地図がついた観光案内パンフレットまでくれたんです。

行く気になれば、豊橋へは名鉄岐阜から特急で最短70分。
豊橋駅は名鉄もJRも一緒というか、名鉄のホームは1つしかないんですね。
隣はJR飯田線。
2011.7.3i-003.jpg

豊橋駅。
2011.7.3i-006.jpg
構内には、7月第3金土日に行われる豊橋祇園祭の神輿も展示されていました。

「歩ける距離だけど、行きは市電に乗るといいよ」という友人の言葉に従って、
豊橋駅前から路面電車に。150円という料金が嬉しい!
2011.7.3i-008.jpg

新しくてキレイな車内。市民の足として利用されているようですね。
2011.7.3i-009.jpg

「豊橋公園前」で降りて、緑濃い豊橋公園の中にある
豊橋市美術博物館へ
2011.7.3i-025.jpg

「カンヴァスに描かれた女性たち」展の観覧料は1,000円でした。

展覧会、すごく良かったです!
フェルメールこそないけど、ヴァン・ダイク、レンブラント、ゴヤ、コロー‥‥
西洋美術の巨匠たちの作品が並んでいて、
私は先日の豊田市美術館の展覧会よりこちらの方が好きです。
ポーランドのヨハネ・パウロⅡ世美術館所蔵品とのこと。

まず第Ⅰ章として聖母子の絵が集められていました。
西洋美術において描かれた女性像はまず聖母マリアだったと。

ルーカス・クラーナハ(子)の聖母子
いかにもクラーナハの、ちょっとあごのしゃくれた、独特の顔をした
マリアの絵でしたが、これは同名の息子の絵だそう。
油絵の輝くような深い色がとても素敵でした。

バルトーロメ・エステバン・ムリーリョの聖母子は、いかにもスペイン風?
それぞれの画家の聖母子を見比べるのも興味深かったです。

第Ⅱ章は「神話と伝説」というテーマ

16世紀ボローニャ派、ティツィアーノの追随《ルクレティアの死》という絵。
多分、この画家は女性のヌードを描きたくて、この伝説を主題にしたのだと思うけど、
このヌード、とても美しくて、私この絵がとても気に入りました。

ウィリアム=アドルフ・ブーグロー《ヴィーナスとキューピッド》
やわらかな色調がとても美しい絵です。(チラシ裏面の中右の絵)
ブーグローは印象派が起こった頃にとても人気のあったアカデミックな画家で、
人々はブーグローを賞賛し、印象派を非難したそう。
うん、私も印象派の絵よりブーグローの甘美でちょっと耽美的な絵の方が好き!

toyohashimuse2.jpg
(チラシ裏面)

第Ⅲ章は「貴婦人の肖像」
写真のなかった頃、肖像画に描かれた女性は高貴で裕福な家の人だったでしょうね。
皆、豪華な衣装や宝飾品を身につけています。
ナティエをはじめ、
ヤマザキマザック美術館の音声ガイドで(正確ではないかもしれませんが)
「彼に肖像画を描いてもらうのがステータスシンボルで憧れでした」と
解説されていたニコラ・ド・ラルジリエールの《モントロー皇女の肖像》
ジャン=フランソワ・ド・トロワの肖像画も当時の上流階級の雰囲気が出てます。

レンブラントが描いたのはオランダの富裕な新興市民の女性。
バックの深い闇に浮かび上がる女性像が重厚な雰囲気です。
(チラシ裏面上の右から2番目)

第Ⅳ章「若い婦人と少女」
フリッツ・ツーバー=ビューラー《花環の少女》可愛い!
(チラシ裏面上右)

第Ⅴ章「母と子」
カルロ・ファッキネッティ《母性愛》(チラシ裏面下右)
現代の聖母子像といった雰囲気で、友人はこの絵が一番好きだそう。

図録が2,000円で、だいぶ迷ったんですよね。欲しいけど‥‥
最近展覧会もあちこち行ってるし、ここは節約しなくちゃって。
(こうやって感想書いてると、やっぱり買ってくればよかったって後悔したりして)

――なーーんて、そこはケチったのに、
展覧会スペシャルケーキセット500円ってのにはつい‥‥
2011.7.3i-018.jpg
だって、このケーキセットが500円って、とてもお値打ちじゃないですか!?
ケーキはこのブルーベリータルトと、もう一種類、キャラメルチーズケーキ(?)の
二種類から選べました。
2011.7.3i-015.jpg
喫茶店の椅子やテーブルも素敵ですね。

そして、せっかく来たのですから、二階でやっていた夏休み企画展
「素材の冒険」という夏休み企画展も見てきました。(入場無料)
toyohashimuse3.jpg
子供向けに、コラージュやマチエールから現代美術を解説しているのが、
興味深かったです。豊橋市美術博物館の学芸員の人、やりますね。

味岡伸太郎の土を貼り付けた作品や、木や金属、紐を使った作品、面白かったです。
toyohashimuse4.jpg

豊橋美術博物館の収蔵作品の図録なども見られるようにしてありましたが、
いい作品がありますね。

豊橋公園の隣に市役所があり、13階は展望台になっているそう。
2011.7.3i-023.jpg

豊橋公園内の吉田城址にも行ってきました。これは復元された鉄櫓
2011.7.3i-033.jpg

風格を感じるイスノキの大木
2011.7.3i-035.jpg

鉄櫓の横の展望台からは雄大な豊川の風景が眺められます。
toyokawa.jpg
(画像3枚を合成しました)

昭和6年(1931)建設の公会堂。ロマネスク様式とのこと。
2011.7.3i-048.jpg

大正2年(1913)建設の豊橋ハリストス正教会。ビザンチン様式
2011.7.3i-053.jpg

鬼祭が行われる安久美神戸神明社
2011.7.3i-049.jpg

帰りは豊橋駅まで歩き、豊橋名物のちくわを買って帰りました。

豊橋市美術博物館「カンヴァスに描かれた女性たち」は7月10日(日)までです
豊橋市美術博物館のHP: http://www.toyohaku.gr.jp/bihaku/

その後、巡回するそうですので、お近くの方、是非どうぞ。
7月16日(土)~9月19日(月・祝) 足利市立美術館
10月14日(金)~12月11日(日) 大分市美術館
2012年2月10日(金)~3月25日(日) 秋田市立千秋美術館 

ヤマザキマザック美術館のHP: http://www.mazak-art.com/
所蔵作品の詳細な説明と画像が充実していてすごくいいです!

初めてヤマザキマザック美術館に行って感動したことを書いたのがこちら:
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-01-24
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました