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岐阜市歴史博物館「国宝 薬師寺展」 [美術]

7月31日(日) 岐阜市歴史博物館の「国宝 薬師寺展」に行きました。
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麻布に描かれた彩色画としては日本最古という吉祥天女像、
薬師寺東院堂の本尊で白鳳時代に制作された銅造の聖観世音菩薩立像、
八幡三神坐像の僧形八幡神坐像、神功皇后坐像、中津姫命坐像の3躯、
慈恩大師像1幅
と、国宝が6点も展示されていました。
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聖観世音菩薩立像は、光背が外されて、
美しいお姿を全方向から見ることができてよかったです。
衣の裾がスカートのように広がっているのが、白鳳時代の仏像の特徴だとか。
(解説で聞いたのですがうろ覚えです)
銅造でぴかぴかした等身大(より一回り大きい?)の像は、
とても1300年も昔に造られたものとは思えない威厳のある存在感を放っていました。

平安時代に造られたという、重要文化財の四天王立像
持国天、増長天、広目天、多聞天も、修理後初公開とのことで、
間近で見ることができました。
仏の守護をするという四天王の鎧をまとったファッションが素敵です。

菩薩も瓔珞などの素敵なアクセサリーを身につけていらっしゃいますよね。
如来は悟りを開いた姿なので、衣のみのシンプルなお姿だそうですが、
菩薩は修行中のお姿なので、出家前の釈迦をモデル
――つまりインドの貴族の姿――としているためとのこと。

吉祥天女像は、光明皇后がモデルだと言われるそうですが、
当時のふっくらした美人のお姿がよくわかります。
(赤いおちょぼ口が可愛らしい‥‥あ、これは美人画ではなくて
 吉祥天女像なのだから、そんなことを言うのは不敬かしら?)
精緻で華やかな衣の模様なども色がよく残っていて素晴らしいです。

今回の特別展、薬師寺の管主さんは岐阜県本巣市根尾出身、
長老、執事長も岐阜県出身とのことで開催されたそう。
薬師寺管主をはじめ、関係者によるガイダンスが会期中毎日行われているそうで、
私たちが行った31日は、村上大胤執事長(各務原市出身)による解説を聞くことができました。

最近はこういう仏像の展覧会、人気ですね。
阿修羅像の展覧会などはものすごい行列だったとか。

この展覧会、7月29日(金)から始まったんですが、ローカルニュースで紹介されて、
へー、岐阜市歴史博物館頑張ってるじゃないって思ったんですが、
主催が岐阜新聞の方なので、中日新聞を購読している私は、
それまであまり知らなかったんですよね。

31日の日曜も、疲れて昼頃までぐったりしていたのですが、
ダンナが岐阜市のアルペンまで靴を買いに行きたいと言うので
(車が必需のこの地で暮らしているのに、なんとダンナは免許を持ってないのです)
せっかく岐阜まで行くなら、ついでにどこか行こうかということになって、
この特別展のことを思い立ったのです。
(アルペンと岐阜公園ではだいぶ方向が違いますが‥‥)
でもこういう展覧会って終わる時間早いから、先に行った方がいいかな?って思ったら、
特別展の会期中は、開館時間が午前9時~午後7時という嬉しい設定!

ということで、アルペンで買い物をして、岐阜公園の駐車場に車を入れたのは
3時過ぎだったでしょうか。家を出る時は晴れていたのに、岐阜各務原ICあたりは雨、
でも県庁近くは全く降っていなくて、岐阜公園ではまた雨――というような
不安定な天気。公園の緑が生き生きしています。
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金華山の上の岐阜城あたりは薄い雲に隠れています。
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岐阜市歴史博物館
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「国宝薬師寺展」の観覧料1,000円を払って当日券を買おうとしたら、
プラス100円で、加藤栄三・東一記念美術館の「薬師寺所蔵名品展」との
共通券がありますがいかがですかと勧められ、
そちらは今日でなくても入場できるとのことで、1,100円の共通券を買いました。

一階の会場を見始めたら、4時から村上大胤執事長の解説が講堂であり、
再入場できるとのことでしたので、そちらを聞かせてもらいました。

売店では薬師寺管主の手書きのうちわや図録が売られていました。
図録を買った人にサインをしますとのことで、だいぶ心が動いたのですが‥‥
また、お写経の用紙も売られていて、お手本をの上に薄い和紙をのせ、
筆か鉛筆でもいいので写して薬師寺に納経するというもので、こちらも、
へぇ、そんなのでいいのならやってみようかなーって、ちょっと思いましたが‥‥
仏像は大好きなのに、まだまだ信仰心まで至らない私であります。

二階の最初の部屋では「壬申の乱と美濃」として、
関市の弥勒寺跡の出土品や、各務原市の山田寺の出土品などが展示されていました。

薬師寺は680年に天武天皇が皇后の病気平癒を帰還して建てたそうです。
天武天皇は壬申の乱に勝って即位したわけですが、
壬申の乱では、美濃地方に天武天皇の拠点があり、
村国男依(むらくに の おより)などの美濃の豪族が天武天皇に協力して戦いました。

村国男依は各務原市ではオペラになったりして、ちょっとした有名人です。
市内にある村国神社には農村歌舞伎舞台があり、毎年子供歌舞伎が奉納されています。

それから岐阜市とその周辺の歴史を古墳時代から順に展示してありますが、
岐阜市と言えば織田信長。楽市が立体絵巻となっているコーナーが楽しかったです。
(ここだけは写真OKでした)

楽市楽座の立て札の前で子供に説明をしています。
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魚屋さん
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戦国時代の衣装や鎧を着ることができます。
私たちが行った時は時間が遅くて係の人がいなかったので、
この南蛮人のマントと帽子のみOKでした。(こういうことにノリのいいダンナです)
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浮世絵の刷りを簡単に体験できるコーナーもあって、
黒、青、赤と摺ってできた版画(赤版がズレました)
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BSプレミアムで放送中のアニメ「へうげもの」に関連して、
織部の陶器を展示しているコーナーもありました。
こんなスタンプラリーをやっていると、つい、他の9館も行ってみたくなりますね。
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満足して帰ろうとすると、外はすごい雨が降った様子。
後で知ったのですが、各務原市ではJR高山線や名鉄各務原線が止まる程の雨だったとか。

岐阜市歴史博物館の「国宝 薬師寺展」は10月2日(日)まで。
加藤栄三・東一記念美術館の「薬師寺所蔵名品展」もその日までなので、
また岐阜公園に行かないと。
「薬師寺所蔵名品展」は画家だけでなく、赤塚不二夫や手塚治虫、
里中満智子や、やなせたかし等、漫画家が奉納した作品も展示されているとのことで、
興味深いです。お抹茶の割引券ももらったので、そちらも行ってこようかな。

岐阜市歴史博物館のサイト:http://www.rekihaku.gifu.gifu.jp/index.html
岐阜市歴史博物館 特別展「国宝 薬師寺展」のページ:http://www.rekihaku.gifu.gifu.jp/tokubetutenyakushiji.html

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