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一宮市博物館「絹谷幸二展」 [美術]

10月13日(木)、一宮市博物館の絹谷幸二展を見てきました。
KinutaniKoji1.jpg
とてもよかった!
あざやかな色彩の乱舞、金箔を使った絵もステキ。

チラシ表面に使われている《ガイア(生きている地球)》は
スチロールで作られた大きな地球儀の立体作品(径170.0cm)

KinutaniKoji2.jpg

なんか見てると元気が出るというか、幸せな気分になってくるんですよね。
おケチな私に珍しく図録まで買ってしまいました。(1,500円)
KinutaniKoji-book.jpg
展示されている全ての作品に、画家のコメントが添えられていて、
この人、絵を描くのが好きなんだというか、楽しんで描いているんだろうなって。
そんなコメントが載っていたのも図録を買った理由の一つ。

東京芸大の卒業制作の自画像(1966年)を始めとして
(油画科の小磯良平教室で学んだとのこと)
ブルーを基調とした色使いの初期の作品、
イタリアでのジョットの模写作品が展示され、
(イタリア留学でアフレスコ技法を習得)
そして色彩や形が爆発した作品へと‥‥

‥‥いいなぁー
立体作品5点を含めて50点が展示されていますが、
(図録にはあと5点、都合で展示されなかった絵も載ってます)
結構大きい作品が多いので迫力です。

この立体作品もすごく大きくて、うわー“はじけてる”って。
《湾岸の悲劇の長い物語》180.0×458.0×23.0cm 1991年の作品で、
『平面作品を立体にしました。ニュースでは、
湾岸の長い諍いが報じられていました。人間
の行いの愚かさを作品にしてみました』
 とのこと。
2011.10.27-007.jpg

その「平面作品」ってこちら?
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でも制作年が1993年となっているので違うかな? 立体と見比べて面白かった。
《ラボニア(夢の時)》
ラボニアは絵に出てくる犬の名前
『ある日、ラボニアが最後のあいさつを私の前に
しに来て、翌日天国に旅立ちました。空中に浮き、
ラボニアが昇天していく辛さを感じました。』


近年の作品は、金箔が多く使われて、鮮やかな赤色との対比が
とても美しいです。豪華で飾るのにいいでしょうね。
(もちろん買えるようなお金も飾る場所もないですが)欲しくなる作品です。

洋画に金箔って意外に思ったんですが、展示されている作品で、
技法に「油彩」ってあるのは初期の4点だけなんですよね。
あとは「アフレスコ・ストラッポ」とか「顔彩、麻布」とか、
ほとんどが「ミクスト・メディア」と表示されてます。
技法も含めて、とても自由というか、
なんでもチャレンジしてみようみたいなパワーが感じられるのが魅力です。
だから立体作品なんかも作られたりするんでしょうね。

チケットに使われているのは《時の王国・緑色大地コロッセオ》の部分
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イタリアを俯瞰した大きな作品《イタリア天空の調べ》259.1×193.9cm 2枚組
観光パンフなどにしても楽しくていいなぁって。
(絵の前で、たまたま鑑賞していた人と友人とでイタリア旅行の話で盛り上がっちゃいました)

三社祭や京都の祇園祭の絵は文字枠の中に描かれていたりして、
商業デザインっぽいセンスも魅力ですね。

長野冬季オリンピックの公式ポスターの原画も展示されていました。
素敵です。訴求することと芸術性がすごく調和していますね。

今回の展覧会で一番大きな作品、そして、この
一宮市博物館でしか見られない作品が、この壁画です。
《あやなすまち一宮 ひと ひと ひともよう》
2011.10.27-001.jpg

1987年の一宮市博物館の創建時に描かれたアフレスコ壁画で、
450×2280cmの大きさ。壁画の前に立っても階段などがかかり、
一度に見渡すことはできないので、
図録は、壁画を撮影して画像を加工処理して一枚の図版にしたそう。

この一宮市博物館、一緒に行った友人は知らなかったそうですが、
私もずい分前(2003年)ここで開催された「MOA美術館名品展」に
一度行ったくらい。展覧会ももちろん良かったですが、
建物がとてもステキでびっくりしたんですよね。
2011.10.13-002.jpg

ネットで調べたら、世田谷美術館などを設計した内井昭蔵の設計とのこと。
内井 昭蔵(うちい しょうぞう 1933-2002)
第二次世界大戦後の日本建築史を代表する建築家の一人ってあって、
あー、なるほどーって。
この一宮市博物館も数々の建築賞を受賞しているそう。
中庭の柳原義達の鳩や鴉の彫刻がとても印象的です。

すぐ隣が妙興寺で木々に囲まれた環境なのもいい雰囲気。

この「絹谷幸二展」、一宮市制90周年の特別展とのことで、
力が入ってます。(図録もここだけで制作してるんですよね。)
観覧料が一般500円ってのは嬉しいです。
11月27日(日)までですので、お近くの方是非どうぞ。

絹谷幸二氏のギャラリートークなどもあったそうですし、
10月30日(日)午後1時30分より、
絹谷幸二氏と、愛知芸術文化センター総長の神田眞秋氏、妙興寺の稲垣宗久老師の
美術鼎談があるそうで、友人が「あっこれ日曜だし、行かない?」って
誘われたんですが、私は30日はパートが入っちゃってるので。
午前中なら良かったんだけど‥‥

一宮市博物館、今回私たちは車で行きましたが、
公共交通機関を利用するのなら、名鉄名古屋本線「妙興寺」駅下車が便利です。

一宮市博物館のHPはこちら: http://www.icm-jp.com/
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コメント 2

おりぞめ

私も絹谷さんが好きで、行ってきました。
いいですね。
楽しく読めせて頂きました。
また、お邪魔します。
by おりぞめ (2011-12-04 12:39) 

しーちゃん

おりぞめさん、コメントありがとうございます。一宮市博物館行かれたんですね。お近くの方ですか?この展覧会も建物も素敵でしたね。
by しーちゃん (2011-12-04 13:03) 

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