SSブログ

中山道広重美術館「抒情の系譜」展 [美術]

11月13日(日)、御嵩町のラ・プロヴァンスで優雅なティータイムを過ごした後、
ついで(?だいぶ離れていますが)に、恵那市の中山道広重美術館へ行きました。

開館10周年記念秋季特別企画展「大正百年記念 抒情の系譜」展をやっています。
こんなチラシを見つけまして、「まぁこれは私のツボだわ!」と。
Enamuseum.jpg
今年5月に刈谷市美術館に「蕗谷虹児展」を見に行って、すごく良かったんですが、
これは「―夢二から華宵・まさを・虹児・しげる・淳一へ―」と副題にあるように、
当時の少女雑誌の挿絵を飾った叙情画家の絵を比べて楽しむことができます。
(チラシの絵、左上から下へ 夢二・華宵・淳一、
       右上から下へ まさを・虹児・しげる)
少女マンガの源流だと私は思うのですが。

展示されていたのは、ほとんどが少女雑誌の口絵で、印刷物が多かったのですが、
ほとんど同じサイズで並んでおり、画家を比べて楽しむのにいいんですが、
正直、区別がつかないなぁってのも。
これは、少女マンガに詳しくない人が萩尾望都と竹宮恵子の区別がつかないようなものかな?

竹久夢二(たけひさ ゆめじ)1884~1934
「大正浪漫(ロマン)」の代表的な画家ですね。
日本画・水彩画・油彩画・木版画など、多彩な作品がありますが、
竹久夢二美術館所蔵の少女雑誌の口絵・表紙24点が並んでいました。
(竹久夢二美術館と弥生美術館は同じ施設なんですね)

高畠華宵(たかばたけ かしょう)1888~1966
中将湯(ちゅうじょうとう)の広告制作を契機に広く認められ、
少年雑誌や少女雑誌のの口絵、挿絵で多くの少年少女を魅了し、
“華宵好みの君も行く‥‥”と流行歌にまで歌われたそう。
文通が大流行していた女学生たちに「華宵便箋」は大人気だったとか。
今回の展覧会は竹久夢二以外は弥生美術館の所蔵作品です。
私のツボの作品をたくさん所蔵している弥生美術館は、華宵との親交が深かった
弁護士・鹿野琢見が、華宵のコレクションを公開するために創設したんだそうですね。
一度行ってみたいと思っているんですが‥‥。
今回展示されていたのは少女雑誌の口絵や便箋の原画や印刷でしたが、
この人の描く美少年もいいんですよねー。
当時の女学生気分になって、売店で売っていた華宵便箋買っちゃいました
(弥生美術館のグッズです。600円)
表紙絵も素敵だけど、便箋や封筒のデザインも素敵!!
kasho.jpg

加藤まさを(かとう まさを)1897~1977
童謡「月の砂漠」の作詞者で少女雑誌の挿絵も多く描いた
くらいしか知らなかったんですが、
「まさをの描く等身大の少女像は、同時期に活躍していた高畠華宵の描く「夢の世界のお嬢様」と読者の人気を二分した。」とか。

蕗谷虹児(ふきや こうじ)1898~1979
今年5月に刈谷市美術館で多くの作品を見てすごく素敵だったんですが、
こうやって並んでいると、他の作家と区別がつかないって作品もあるんですが、
比べると、なんとなく都会的でシャープな印象を受けました。

須藤しげる(すどう しげる)1898~1946
実は展示の6作家で、この人だけ知りませんでした。
吉屋信子「花物語」、加藤武雄「君よ知るや南の国」の挿絵を描いたそうで、
あ、それは見てみたいなぁ。

中原淳一(なかはら じゅんいち)1913~1983
この人の作品は少女の目が大きいので、すぐ区別がつきます。
モダンで優美、そしてファッショナブルなセンスを持っていたんだなって。
軍部からの圧力がかかるのもわかるなぁー。

この特別展が開催されていた中山道広重美術館、初めて行ったんですが、
JR中央線の恵那駅からすぐ近くのところにあります。
私たちは車で行ったのですが、隣の駐車場が美術館入館で90分間無料になります。
(越えてしまったので、30分間70円の駐車料金を払いました)
2011.11.13-027.jpg

市内のコレクターから広重の浮世絵の寄贈を受けて設立されたとか。
今年で開館十周年だそうです。
展示室は1階と2階があり、今回の「抒情の系譜」展は1階の展示室で開催されており、
特別企画展の入場料は大人800円でした。

2階は、浮世絵の解説や模擬版木を使った刷り体験(岐阜市歴史博物館にもあった)や
恵那の大井宿のジオラマなどがある「浮世絵ナビルーム」や、
映像コーナーでは広重が描いた浮世絵と実際の風景を比べていたり、
刷りの最初の版と後の版で色が違っていたりするのを比べていて興味深かった。

2階展示室では「二人の広重」として、
初代広重とその弟子である二代広重とを並べて展示していました。
Hiroshige.jpg
比べれば、やっぱり初代の方がいいなってのはわかる。
二代目は色がちょっとキツすぎる。でも二代目のだけ見たら浮世絵らしい
誇張された遠近感とか当時の風俗とかいいなって。
チラシにあった二代広重の金シャチの絵は前・後期で展示入替えがあって
見られなかったのがちょっと残念でした。

中山道広重美術館のHP: http://museum.city.ena.gifu.jp/top.html

「大正百年記念 抒情の系譜」展は12月4日(日)まで
美術館に行くと他の展覧会のチラシなども置いてあって、つい行きたくなってしまいますよね。
‥‥日本大正村かー
taisho100.jpg

こちらは府中市美術館。そんなん行けるワケないじゃない!けど、チラシとても素敵!!
fuchuartmuseum.jpg
fuchuartmuseum2.jpg
fuchuartmuseum3.jpg
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました