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岐阜県美術館「象徴派」展 [美術]

7月15日(日)、岐阜県美術館の「象徴派」展へ行きました。

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こちらの先行チラシを見た時に、
おおおーっ!なんて私好み!!って楽しみにしていたんです。

「夢幻美の使徒たち」‥‥なんて素敵なコピーなんでしょう!
世紀末芸術、ラファエロ前派‥‥このあたりの耽美な世界が私の趣味なんです。

ギュスターヴ・モロー《サロメの舞踏》
えっ!?この絵、メナード美術館が持ってるの?!!ってびっくりしたんですが。

世紀末芸術で好んで取り上げられた、
ファム・ファタル――男を破滅させる魔性の女――としてのサロメ

宝石で飾り立てられたような衣装をまとってヘロデ王の前で踊るサロメを
モローは何枚も描いているんですね。
洗礼者聖ヨハネの首がサロメの目前に出現した《出現》も何枚かあるようですが、
モローの代表作というとこれらの作品が浮かびます。

このメナード美術館所蔵の《サロメの舞踏》
とても小さな絵で驚きました。そして水彩画なのも!
でも水彩の透明感がキラキラしているみたいですごくきれい!!
この絵は期待通りすごく良かったです。

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(先行チラシ裏面)

でも‥‥私の悪いクセで、期待が大きすぎたのか、この展覧会ちょっと‥‥
私にはロマンチックが足りなかったというか‥‥

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(チラシ表面)

岐阜県美術館所蔵の作品がかなりを占めているんですよね
(考えてみたらそれは岐阜県美術館スゴイってことなんですが)
なので、ルドンの作品がかなり展示してあるんですが、
まぁ、私、ルドンは‥‥もちろんそれなりに好きですが、
前回の所蔵品による特別展示「三幕の物語」展の第三幕
「ルドン氏が見た夢」の展覧会でたっぷり見てるしー‥‥って。

それに、いつも抹茶茶碗などが展示してあるケースにルドンの版画ってのは、
ちょっと見にくいですよ。

ただ、いつも所蔵作品展でなんとなく見ていた画家が、
西洋美術の中でこのような位置にいたんだってのがわかったのは良かった。

ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの大きな絵〈《慈愛》のための習作》〉
所蔵作品展示で、淡い色調の大きな古典的な絵だなってなんとなく見てたけど、
象徴主義に分類される画家なんですね。
岐阜県美術館のは習作なので、タッチがかなり荒いけど、
島根県立美術館の《聖ジュヌヴィエーヴの幼少期》(チラシ裏面上右)
とても丁寧に描かれた典雅な絵で、モローとは全く違うイメージです。
シャヴァンヌは、黒田清輝をはじめフランスに留学した日本人画家が多数そのアトリエを訪れ、
日本では比較的早くから雑誌『白樺』などで紹介された画家だそう。

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(チラシ裏面)

私の好きなロマンチックな絵として、ラファエル前派の
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス《フローラ》郡山市立美術館
(チラシ裏面上左)こういうロマンチックな絵もっと見たかったなー。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ《マドンナ・ピエトラ》郡山市立美術館
この画家には珍しい上半身ヌードの女性像でしたが、
いかにもロセッティらしい顔立ちで印象的でした。

フェルナン・クノップフ《ヴェネツィアの思い出》姫路市立美術館
ちょっと冷たい目のミステリアスな表情の女性が素敵(チラシ裏面上中)

「第3章 ナビ派とジャポニズム」のコーナーで、
アンリ・リヴィエールのリトグラフ《エッフェル塔36景》
(新潟県立近代美術館・万代島美術館)は、明らかに
北斎の《富嶽三十六景》を意識していますね。
日本の美術が与えた影響を思うと、ちょっと誇らしい気がします。

「第4章 装飾美術」では、
アルフォンス・ミュシャ《歌劇「ジスモンダ」サラ・ベルナール主演》
ミュシャを一躍有名にしたよく知られたポスターですが、
この等身大の大きさの迫力と美しさは衝撃だったでしょうね。

カンディンスキーやロートレックのポスターなども展示してあって
(サントリーポスターコレクション(大阪市立近代美術館建設準備室寄託)
興味深かったです。

オーブリー・ビアズリーの《サロメ》の挿絵も展示されていました。
(うらわ美術館蔵)これらの絵もよく知られていますね。(チラシ裏面2段目右)
技法に「ラインブロック」ってあって、何なんだろうって調べたら、
1880年代に実用化された複製技術で、ハーフ・トーンが出せないが、
比較的安価に複製を作成することができたそう。

ヤマザキマザック美術館や、黒壁美術館寄託の
エミール・ガレのガラス器などもいくつか展示してありました。

‥‥イマイチとか言いながら、こうやって書いてくると、
やっぱり私の好きな世界で、素敵な作品がいっぱいあったなーって。

岐阜県美術館のHP: http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/

この展覧会、7月22日(日)の日曜美術館のアートシーンで紹介されていましたが、
岐阜県美術館で7月13日(金)~8月26日(日)の後は、
新潟県立近代美術館 9月8日(土)~10月21日(日)
姫路市立美術館 11月3日(土・祝)~12月16日(日)と巡回するそう。
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8月12日、新潟県立近代美術館の「象徴派」展のチラシをゲットしたのでアップします。
symbolists-niigata.jpg
岐阜県美術館のチラシとは全く違って、別の展覧会のような印象!
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ《マドンナ・ピエトラ》が大きく使われています。
モロー《聖セバスティアヌスと天使》、ルドン《眼をとじて》(いずれも部分)は、
岐阜県美術館の作品ですね。
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ここで、ちょっと岐阜県美術館の後援会のPRを!
私、岐阜県美術館の後援会に入っているんですが、とてもおトクです。
年会費3,000円(一般会員)で、
 1.所蔵品展が常時無料で鑑賞できます。
 2.企画展毎に各1回無料で鑑賞できます。
 3.ミュージアムショップで割引が利用できます。(一部対象外商品あり)
 4.美術館だより、美術館ニュース、後援会会報が送られてきます。
 5.日帰り研修旅行へ参加できます。


私は全ての企画展に行っているので、しっかりモトとってます!
駐車場無料なので、私の場合余分な交通費がかからないのが嬉しい。
5.の日帰り研修旅行は、私は過去1度だけ参加したことがあります。
金沢21世紀美術館へ行きましたが、とても素敵なバス旅行でした。

当日、美術館のミュージアムショップ店頭で申し込むことができ、
その日から使えますので、この「象徴派」展一般1,000円をはじめ、
「マルク・シャガール展」 9月5日(水)~10月28日(日)
「岐阜県美術館の30年の歩み展」 11月2日(金)~12月24日(月・休)
「体感アート@県美.com展」 1月22日(火)~5月6日(月・休)
などが見られます。(有効期限は申込月から1年間)
シャガール展も楽しみだけど、「体感アート@県美.com展」
―アボリジニからヌイプロジェクト、現代アートまで―って副題で、
なんか面白そうで期待しているんです。
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