ヤマザキマザック美術館「森の夢」展 [美術]
7月21日(日)ヤマザキマザック美術館へ行きました。
「夏の思い出 森の夢 不思議ないきものたち」展をやっています。
ヤマザキマザック美術館は、私のお気に入りの美術館で、
2010年に美術館が開館してから、一年ごとに開催される
企画展ごとに行っているのですが、
過去記事
ヤマザキマザック美術館: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-01-24
ヤマザキマザック美術館「ロココの雅」展: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-08-28
ヤマザキマザック美術館「エマイユの煌き」展: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-08-09
ヤマザキマザック美術館「フランスの美しい風景」展: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-05-29
今年は企画展が2つあるんですね。
「当館における最初の現代美術展となる本展‥‥(チラシ裏面の案内文より)」か、
あいちトリエンナーレ2013の並行企画事業でもあるわけね。ちょっと面白そう!と、
会期―7月19日(金)~9月29日(日)―が始まってすぐの日曜日に行きました。
チラシ持参で、入館料一般1,000円が100円引きの900円になりました。
(地下鉄一日乗車券・ドニチエコきっぷでも100円引きの900円になります。
そして、先に知ってたら絶対こっち買ったのに!と悔しかったのが、
1階のカフェのケーキセット付きのチケット。1,500円または1,600円でお値打ち!)
無料サービスの音声ガイドを借り、まず4階から見て行きます。
入口に展示されていたのが、新野洋《宙の木》
企画展のパンフレット200円だったので買ってしまいました。
このパンフの写真はちょっと、つくりものっぽいところが見えてしまってますが、
暗い中に吊るされてスポットライトが当たった雰囲気は、繊細で神秘的で、
あら素敵って。
根っこの先には虫の羽のようなものが付いているし、
花のように見えるのは、よく見ると、虫のような足があるではありませんか。
これらは作家が自宅やアトリエ周辺の里山で採取した植物を樹脂で型取りし、
彩色したものだそう。そんな植物のパーツ(花びらやガクなど)が組み合わされて、
生きている虫のようなかたちがつくられていると。
そんな虫たちの設計スケッチ
チラシ表面の花の上の虫も、そんな植物の寄せ集めでできた架空の虫なんですが、
虫に詳しくない私が見ると、こんな虫がいるかもしれないって見てしまう。
‥‥だって植物に擬態する虫もいるわけだし、これはやはり足の付き方とか
ホンモノの虫をよく観察した作家だからできることなんでしょうね。
なので虫に詳しくない私にとっては、モクレンの花が作ってあるんだなって見たら、
モクレンの花が虫になって木にとまってるー!って、そんな明らかに架空の虫だって
わかる作品が面白かったです。そしてこの企画展が面白いのは、その作品の隣に、
ヤマザキマザック美術館所蔵のエミール・ガレのモクレンの花をモチーフにした
ガラス鉢が並べてあるところ! なるほど、
―我が根源は森の奥にあり―エミール・ガレが自身の工房の扉に刻んだ言葉だそうですが、
植物や虫などの自然をモチーフに制作されたこれらの現代美術、
ちょっと退廃的な雰囲気も含めて、アール・ヌーヴォーの作品に通じるところがありますね。
さすがヤマザキマザック美術館のチョイスです。
いつも藤をモチーフにした家具が展示されている部屋に、この作家(新野洋)の
水草を逆さにしたようなオブジェ(私にはあまり虫っぽくは見えなかったけど)が
浮かんでいるのは、世界がさかさまになったような、なんか不思議な浮遊感を感じて、
いいなぁって思いました。
新野 洋(しんの ひろし)のウェブサイトを見つけました。作品の画像が美しいです。
http://nonshi99.blog57.fc2.com/
チラシ裏面に使われている斧原由季(おのはら ゆき)《帯びる》
心臓をひきずりながら飛ぶ蛾の絵。不気味で、孤独感が漂う不思議に美しい絵で
いいなーって。(ただ、印刷で見た方がいいカンジ)
ガラスの頭から木の枝が伸びている中澤小智子(なかざわ さちこ)《ひとつの断片》
こちらも、ちょっと怖いけど、ガラスでできた人間の頭部がとても美しく印象的でした。
フルート奏者であるという加藤元章(かとう もとあき)のバードカービングは、
小鳥たちが今にも動き出しそうですごいって見ました。
正直、ふーん、って(現代美術はわからん)思った作品もありましたし、
小規模な企画展ではありますが、不思議でちょっと怖く、美しい、退廃的な雰囲気も
感じるこの現代美術のチョイスとエミール・ガレの作品との取り合わせ、
ヤマザキマザック美術館らしくて楽しみました。
そして5階はヤマザキマザック美術館本来の展示に戻ってまして、
赤い壁紙のロココの部屋に、ブーシェの《アウロラとケファロス》《恋文》が
並んでいるのはやっぱり贅沢でいいなぁって。
そして黄色い壁紙の部屋にクールベや印象派、
青い壁紙の部屋にフォーヴィスムやエコール・ド・パリの絵と、
フランス美術の歴史がよくわかる展示になっているのも、いつもながら気に入ってます。
ヤマザキマザック美術館のあるマザックアートプラザ
手前が美術館棟。隣はオフィス棟
美術館前のクスノキもいい雰囲気
地下鉄東山線「新栄町」駅に直結しています。
ヤマザキマザック美術館のHP: http://www.mazak-art.com
「夏の思い出 森の夢 不思議ないきものたち」展をやっています。
ヤマザキマザック美術館は、私のお気に入りの美術館で、
2010年に美術館が開館してから、一年ごとに開催される
企画展ごとに行っているのですが、
過去記事
ヤマザキマザック美術館: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-01-24
ヤマザキマザック美術館「ロココの雅」展: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-08-28
ヤマザキマザック美術館「エマイユの煌き」展: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-08-09
ヤマザキマザック美術館「フランスの美しい風景」展: http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-05-29
今年は企画展が2つあるんですね。
「当館における最初の現代美術展となる本展‥‥(チラシ裏面の案内文より)」か、
あいちトリエンナーレ2013の並行企画事業でもあるわけね。ちょっと面白そう!と、
会期―7月19日(金)~9月29日(日)―が始まってすぐの日曜日に行きました。
チラシ持参で、入館料一般1,000円が100円引きの900円になりました。
(地下鉄一日乗車券・ドニチエコきっぷでも100円引きの900円になります。
そして、先に知ってたら絶対こっち買ったのに!と悔しかったのが、
1階のカフェのケーキセット付きのチケット。1,500円または1,600円でお値打ち!)
無料サービスの音声ガイドを借り、まず4階から見て行きます。
入口に展示されていたのが、新野洋《宙の木》
企画展のパンフレット200円だったので買ってしまいました。
このパンフの写真はちょっと、つくりものっぽいところが見えてしまってますが、
暗い中に吊るされてスポットライトが当たった雰囲気は、繊細で神秘的で、
あら素敵って。
根っこの先には虫の羽のようなものが付いているし、
花のように見えるのは、よく見ると、虫のような足があるではありませんか。
これらは作家が自宅やアトリエ周辺の里山で採取した植物を樹脂で型取りし、
彩色したものだそう。そんな植物のパーツ(花びらやガクなど)が組み合わされて、
生きている虫のようなかたちがつくられていると。
そんな虫たちの設計スケッチ
チラシ表面の花の上の虫も、そんな植物の寄せ集めでできた架空の虫なんですが、
虫に詳しくない私が見ると、こんな虫がいるかもしれないって見てしまう。
‥‥だって植物に擬態する虫もいるわけだし、これはやはり足の付き方とか
ホンモノの虫をよく観察した作家だからできることなんでしょうね。
なので虫に詳しくない私にとっては、モクレンの花が作ってあるんだなって見たら、
モクレンの花が虫になって木にとまってるー!って、そんな明らかに架空の虫だって
わかる作品が面白かったです。そしてこの企画展が面白いのは、その作品の隣に、
ヤマザキマザック美術館所蔵のエミール・ガレのモクレンの花をモチーフにした
ガラス鉢が並べてあるところ! なるほど、
―我が根源は森の奥にあり―エミール・ガレが自身の工房の扉に刻んだ言葉だそうですが、
植物や虫などの自然をモチーフに制作されたこれらの現代美術、
ちょっと退廃的な雰囲気も含めて、アール・ヌーヴォーの作品に通じるところがありますね。
さすがヤマザキマザック美術館のチョイスです。
いつも藤をモチーフにした家具が展示されている部屋に、この作家(新野洋)の
水草を逆さにしたようなオブジェ(私にはあまり虫っぽくは見えなかったけど)が
浮かんでいるのは、世界がさかさまになったような、なんか不思議な浮遊感を感じて、
いいなぁって思いました。
新野 洋(しんの ひろし)のウェブサイトを見つけました。作品の画像が美しいです。
http://nonshi99.blog57.fc2.com/
チラシ裏面に使われている斧原由季(おのはら ゆき)《帯びる》
心臓をひきずりながら飛ぶ蛾の絵。不気味で、孤独感が漂う不思議に美しい絵で
いいなーって。(ただ、印刷で見た方がいいカンジ)
ガラスの頭から木の枝が伸びている中澤小智子(なかざわ さちこ)《ひとつの断片》
こちらも、ちょっと怖いけど、ガラスでできた人間の頭部がとても美しく印象的でした。
フルート奏者であるという加藤元章(かとう もとあき)のバードカービングは、
小鳥たちが今にも動き出しそうですごいって見ました。
正直、ふーん、って(現代美術はわからん)思った作品もありましたし、
小規模な企画展ではありますが、不思議でちょっと怖く、美しい、退廃的な雰囲気も
感じるこの現代美術のチョイスとエミール・ガレの作品との取り合わせ、
ヤマザキマザック美術館らしくて楽しみました。
そして5階はヤマザキマザック美術館本来の展示に戻ってまして、
赤い壁紙のロココの部屋に、ブーシェの《アウロラとケファロス》《恋文》が
並んでいるのはやっぱり贅沢でいいなぁって。
そして黄色い壁紙の部屋にクールベや印象派、
青い壁紙の部屋にフォーヴィスムやエコール・ド・パリの絵と、
フランス美術の歴史がよくわかる展示になっているのも、いつもながら気に入ってます。
ヤマザキマザック美術館のあるマザックアートプラザ
手前が美術館棟。隣はオフィス棟
美術館前のクスノキもいい雰囲気
地下鉄東山線「新栄町」駅に直結しています。
ヤマザキマザック美術館のHP: http://www.mazak-art.com
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