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岐阜県美術館「彫刻のさんぽ道」(所蔵品展)その2 [美術]

5月14日(水)岐阜県美術館へ行ってきたことの続き。
(16日(金)にも、ブログに庭園の彫刻の画像が欲しいと行ってきました。
岐阜県美術館の後援会員になっているので、
所蔵作品展は何度でも見られるんです。
企画展は1回ずつ見ることができます。年会費3,000円はとてもおトク!)

最初の展示室は「明治洋画の変遷を中心に」と、
北蓮蔵(きた れんぞう)の《鍾馗図》が最初に掛かっていて、

それから山本芳翠の作品が並んでいました。
岐阜県恵那郡明智村出身の明治の洋画家の草分け、山本芳翠の作品を
岐阜県美術館は多数所蔵しています。
中でも、滞欧中に描かれた《裸婦》‥‥この作品、
国重要文化財(絵画)指定されたそう。今、貸出中で6月3日から展示されると)
はじめ、《浦島図》‥‥誰もが知っている浦島太郎の物語を、西洋の神話も
ミックスしたような不思議で幻想的な絵。女性たちの装飾品がとても素敵。
YamamotoHosui.jpg
「岐阜県美術館 名作50選」の表紙にも使われています。
など、代表作も揃っています。

長原孝太郎《明星》も私の好きな絵です。

次の部屋がすごい!! ギュスターヴ・モロー《ピエタ》
‥‥モローにしては普通(?)の重厚な宗教画だけど。
《聖セバスティアヌスと天使》
そして、モローよりモローらしい(?)
ジョルジュ・デヴァリエール《アフロディテ》と、
3枚並んで私好みの絵が並んでいるのが素敵。

そしてマックス・クリンガー『イヴと未来』の
版画(エッチング、アクアティント)が並んでいます。
4月27日放送の日曜美術館のアートシーンで、
平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品って国立西洋美術館の企画展を紹介していて、
平野啓一郎がマックス・クリンガーの
《『手袋』Ⅱ.行為》について熱く語っていたんだけど、
「あれ、この絵(版画)岐阜県美術館持ってるよね」って。
私は、巨大な鳥?が手袋をくわえて飛んでいく
《『手袋』Ⅸ.誘拐》がすごく印象に残ってる。
『イヴと未来』もなんか妖しくて不思議な雰囲気がいいな。

そして、なんといってもビックリしたのは、
ミュシャの油絵がある~~!!!! 寄託作品ってあったけど。
アルフォンス・ミュシャ《花飾りをつけた娘》
いいなぁー、ミュシャの女性。額縁もシンプルだけどアールヌーボー風で素敵!
Mucha-sketch.jpg

真ん中の小さな展示室1-Cは、ルドンの作品が並んでいました。
うん、ルドンのコレクションを誇る岐阜県美術館には、
いつもこれくらいのルドンの作品は見られるようにしておいてほしいワ。
《神秘的な会話》と《眼をとじて》そして蜘蛛か目玉の版画くらいは
常設にしておかないと、ルドン目的で訪れる人もいるだろうし。

リニューアルで増床になった展示室2は、現代美術が並んでいることが多い。
今回は「第1回―6回 円空大賞受賞作家名品選」として、
李禹煥(リ ウーファン)をはじめ、小清水漸や天野裕夫、
高山登や山田光の作品が並んでいた。

そして平成25年度新収蔵作品として、
ジョルジュ・ルオー『ミセレーレ』
去年の秋から展示されてるけど、初めて見た時に、
わーすごいの購入したんだってビックリした。
版画(アティント、ドライポイント他)だけど、すごい迫力。
大きなケース入りの一式なので、たくさん作品があるみたい。

抹茶茶碗などが展示されていることが多い展示室1-Dは、今回、
各務鑛三(かがみ こうぞう)のクリスタルガラスや、
岩田藤七(いわた とうしち)や岩田久利(いわた ひさとし)のガラス作品
私は焼き物はイマイチわからないけど、ガラスはいいなって思う。

いつも企画展をやっている展示室3は(今回も「彫刻のさんぽ道」って、
企画展っちゃ企画展なんですが)岐阜県美術館が所蔵する彫刻が並んでいました。

佐藤忠良《裸婦立像》と舟越保武《裸婦'81》が、
それぞれデッサンと共に展示されているのがスゴイ。
この二人の彫刻が並んでいるのもすごいし、
デッサンと彫刻が並んでいるのもすごい!

これも彫刻っていうのかなーって思ったのが、
宮島達男《Opposite Circles》
岐阜県美術館 田口コレクション展」他でも見たことありますが。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2008-05-03
例のLEDの数字の点滅が輪になったのが、黒い大きな箱の中に展示されていました。
あ、この箱、ルドン展や川合玉堂展で記念撮影用のバックになってたヤツだ。

佐藤慶次郎《エレクトロニック・ラーガ》も展示されていましたが、
私は1999年の展覧会
「『在る』ということの不思議 佐藤慶次郎とまど・みちお展」で
展示されていた《岐阜ススキ群'99》をまた見たいなぁと。
SatoKeijiro.jpg

ノヴェッロ・フィノッティ《誘惑しないで》は
好きかどうかって聞かれるとうーん、って考えるんだけど、
ピンクの大理石に毛皮も使われていて、インパクトありますね。

よく美術館ホールに飾られている(ここに展示されている彫刻も
よく飾られていたりするので、たいてい見たことがあるんですが)
ヴァレリアーノ・トルッピアーニ《夜の番人》
《錨を上げる》もこの人の作品なんだと。あれ、そーいや、
美術館の外に展示してあった《錨を上げる》今日はなかったなーと
思ったら、ロビーにありました。

岐阜県美術館のブログによると「屋外展示で変形・腐食がすすんでいたので、修復に出されて3年。「彫刻のさんぽ道」で久しぶりにご紹介できることとなりました。
http://gifukenbi.blogspot.jp/2014/04/blog-post_30.html
ってことだけど、え!? 3年もなかった?
その間何度も美術館には行ってるのに、全然気が付かなかった(^^;
岐阜県美術館のブログには《錨を上げる》を組立している写真もあって
興味深かったです。

それから所蔵作品展に戻って、展示室1-Eは
「日本画と工芸にみる 揃い物のたのしみ」として、
対になった屏風や工芸品が展示してありました。
明治の超絶技巧・銅胎有線七宝の対になった大きな壺《遊鶴図花瓶一対》をはじめ、

川合玉堂の穏やかな風景画《春景秋景山水図》や、
玉舎春輝(たまや しゅんき)の桐の花と燕を描いた《皐月頃》と
紅葉と雀を描いた《小春日》

大橋翠石(おおはし すいせき)《虎図》
岐阜県美術館所蔵作品 大橋翠石《虎図》
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2009-10-30-1
とかで見てる六曲一双の《虎図》じゃなくて、二曲一双の方。
こっちの《虎図》は私見るの初めてかな。さすがの迫力です。

最後に「芝居絵の世界」として、中川ともや坪内節太郎の
歌舞伎を描いた絵が展示されていました。

「彫刻のさんぽ道」は5月18日(日)まで。
その他のこれらの所蔵作品展も5月25日(日)までで、展示替えになります。

岐阜県美術館のウエブサイト: http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/
コレクション検索も充実しています。
このブログ記事を書くのに、ずいぶん参考にさせていただきました。

岐阜県美術館、5月26日(月)から6月2日(月)まで休館だそう。
それから毎年恒例の公募展「岐阜県美術展」があり、

7月8日(火)から8月24日(日)まで「パスキン展」が開催されます。
Pascin.jpg
このチラシに使われているのも、岐阜県美術館のコレクション
《マリエッタの肖像》
私はこの絵でパスキンを知って、輝くような淡い色彩が素敵だなって。
「真珠母色の淡く優しい光」ってキャッチコピーいいですね!!
この展覧会、とても楽しみにしています。
この間行った名古屋市美術館の所蔵作品のエコール・ド・パリのコーナーに
パスキンの絵が2枚あって、いいなって見ました。
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