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インドネシアのバティックとワヤンクリ(影絵芝居) [美術]

9月28日(日)、岐阜の上宮寺で開催された
「第8回 岐阜アートフォーラム ~時空の住処(すみか)~
 インドネシアの風に吹かれて」の
ワヤンクリ(影絵芝居)を見てきました。
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こちらのイベントのチラシを送っていただき、
わー面白そう! それにお値打ちな値段で嬉しい!!と、
日曜日はパートも休みなので、友人を誘って行きました。
(その前に、岐阜の町家でアートに出会う「月をめぐる九つの物語」も回ってきました)

会場の上宮寺は鶯谷トンネル出口にある東別院の向かい。
4月に開催された 第7回 岐阜アートフォーラム
二村元子さんの「Re∞Birth」展で来たことがあります。
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その時は芽吹く前だった大イチョウ、今は青々としています。

まずは本堂で席を確保して、庫裏で開催されている
ジャワ更紗(バティック)展示を見に行きました。
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チラシに使われているバティック「マジャランカの祭り」が
正面に展示されています。
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こんなお祭りの人々まで文様になっているんですね。
とても繊細で色鮮やかで素敵!!

バティック(ジャワ更紗)とは、
インドネシアのジャワ島を中心に作られてきたロウケツ染めの布。
「さらさ」という言葉は外来語で、室町時代末期の南蛮貿易によって、
鎖国後はオランダ船によって入ってきた布の総称。
「更紗」と呼ばれる布には、ジャワ更紗のほかに、
インド更紗、シャム(タイ)更紗、ペルシャ更紗、日本の和更紗などがある。
ジャワ更紗はロウケツ染めの技術を高め、発達した布で、その
インドネシア語の「バティック」はロウケツ染めの世界共通語として
使用されるようになった。現在、バティックは世界の伝統染織のなかでも
高く評価されている。
(2009年ユネスコの世界無形文化遺産に認定されたそう)

バティックの制作方法の説明。右から、
手描きバティック(バティック・トゥリス)、
型押しバティック(バティック・チャップ)
バティック・コンビナシ(型押しした布に手描きを施したもの)
布の上にあるのが、型や、手描きのためのチャンティン(蝋描き用具)
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展示してあったバティックの制作地として、以下の7か所の産地と、
それぞれのバティックの特徴についても説明してありました。
[西ジャワ]
チレボン/Cirebon
プカロンガン/Pekalongan
インドラマユ/Indramayu
ガルット/Garut
タシクマラヤ/Tasikmalaya
[中部ジャワ]
ジョグジャカルタ/Yogyakarta
スラカルタ(ソロ)/Solo

説明のプリントもらいましたが、どのバティックがどこで制作されたか、
特徴とかも説明してあったけど‥‥私には見分けられません。
どれも美しくて繊細ですごいなーと。
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一口にインドネシアと言っても、それぞれいろんな地域の
いろんな文化があるんだろうなと。

インドネシアの衣装素敵です。
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渡り廊下に吊るされて展示されていたバティック
一番手前のは、サンゴや亀など、海の生物が文様になっています。
(海を題材にした文様が多いのはインドラマユだそう)
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インドネシアのバティックが渡り廊下の風に吹かれています。
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茶室に展示されていたバティック
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さて、ワヤンクリの公演の時間。
公演してくれるのは、HANA★JOSS(ハナジョス)という
ジャワ人ローフィさんと大阪人ひろみさんのジャワ芸能ユニット

まず、この日の公演前に行われたワークショップで、
子供たちと岐阜大学のボランティアスタッフが、
厚紙や色セロファンでワヤン人形を作り、
即興の影絵芝居を披露してくれました。

ジャワでは誕生祝や結婚式、独立記念日等の行事や村のお清めなどの儀礼の際に、
夜8時頃から翌朝4時頃まで、ガムランの音色とともに夜を徹して
ワヤンクリが上演されるそうですが、その際にも前座として、
子供たちが影絵芝居を行ったりするそう。

ひろみさんのノリのいい司会で、子供たちが楽しそうに人形を操ってくれました。

それからも「皆で『なんちゃってケチャ』をやってみましょう」とか、

ローフィさんが作り物の馬に跨って踊ったり、

獅子舞ならぬトラ舞い(後ろ足は急きょ駆り出された岐大のスタッフ)とかがあって、

いよいよワヤンクリ。

ひろみさんがガムラン演奏、
ローフィさんは、人形を操り、セリフをしゃべり、足で鳴り物!
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そして、私、初めて知って驚いたのですが、
影絵芝居って言うから、人形は裏で操って影を見るものだと思ってたんですよね。

でもローフィさん、こちら側で操ります。人形もとてもカラフル。
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ひろみさんが、こちら側が現実世界、後ろ側が異世界(?)みたいな感じで、
どうぞ幕の後ろ側に回っても見てくださいね、って説明してくれました。
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なので裏側に回ってみました。
細かい細工が施された人形の影がとても幻想的です。
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インドネシアのワヤンクリ上演では、物売りなども出て、
まるで縁日の賑わいのようだと。夜を徹して上演されて、
人々は横になって見たりして、たとえ1時間くらい眠ってても、
ストーリーはゆったりしているから大丈夫だと。

このお話も、姫を嫁にくれという乱暴者を、王子が、
太った神から乱暴者の弱点を聞いて、弓で弱点を射抜く、
みたいな、日本の昔話にも似たような話があるなーと。
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でもインドネシアの話、勧善懲悪ではなくて、
乱暴者にも同情するところはあるそう。

インドネシアの豊かな文化に触れた楽しいイベントでした。
ワヤン・クリ(Wayang Kulit)も2009年、ユネスコ世界無形遺産に登録されたそう。
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岐阜アートフォーラムHP http://gifuartforum.wordpress.com/
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