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岐阜県美術館「てくてく現代美術世界一周」展 その1 [美術]

3月8日(日)、岐阜県美術館「てくてく現代美術世界一周」展へ行きました。
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この展覧会、2月3日(火)からやっていて、私は岐阜県美術館の後援会員なので
全ての企画展が一度ずつ見られるので、見に行かなくちゃと思いながら、
会期が5月17日(日)までと長いし、現代美術なのねーと、のんびりしていたんです。

8日も、私のことなので、午前中はゴロゴロと過ごし、天気がいいので、
たくさん洗濯をしたりして、すっかり出かけるのが遅くなってしまいました。
(この日は、美術館でパイプオルガンの定期演奏会もあったのに、
 もったいないことをしたなと後から思ったんですが)

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後援会員証を見せて入ると、入口に田口弘氏の写真。
この展覧会は、岐阜県郡上市出身の
実業家(エムアウト代表取締役、ミスミグループ本社特別顧問)であり、
現代美術コレクターの田口弘氏のコレクションだそう。

へー!! すごいですね。去年見た、
名古屋市美術館「マインドフルネス! 高橋コレクション展」
精神科医の高橋竜太郎氏による個人のコレクションだと知って、
驚いたんですが、日本の現代美術でした。
田口弘氏のコレクションは日本をはじめ世界の現代美術で、
そのこともスゴイけど、私には高橋コレクションより
今回の展覧会の作品の方が好みだなって感じたのは、
現代美術を見慣れてきたこともあるのかな?

この展覧会、
「タグチヒロシ・アートコレクション パラダイムシフト
 てくてく現代美術世界一周」という長いタイトルなんですが、

「パラダイムシフト」とは、科学史家トーマス・クーンの提唱した概念で、 ある科学者共同体では通用していた科学理論がその外では通じない状態になる、 そうした認識の転換をさした言葉です。(展覧会図録より)

なるほど、現代美術の多様多彩な表現は、
「価値観が変革する時代のうねり(パラダイムシフト)」なのかなと。

最初に展示されていたのは、
アンディ・ウォーホルの花の作品。

そして、ディヴィッド・ホックニー

キース・へリングと、私でも名前を知っている有名な作家の作品が並びます。

突き当りで、案内の人が、まず左手の部屋から見てくださいと。
幕を開けて入ると、強烈な光!!眩しい!!
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オラファー・エリアソン(デンマーク)の作品。撮影OKでした。

オラファー・エリアソン‥‥どっかで聞いた名前‥‥と思ったら、
金沢21世紀美術館「レアンドロ・エルリッヒ―ありきたりの?」展へ行った時、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-07-24
庭に楽しい作品ができているなって見たんですが、それが
オラファー・エリアソン《カラー・アクティヴィティ・ハウス》2010
でした。展示室でも巨大なステンレスの作品があって面白かったなと。

その左手の、いつも陶芸作品等が展示されている小部屋では、
ポール・マッカーシー(アメリカ)の《ぺインター》という映像作品が
上映されていました。大きな付け鼻をつけて、マンガの登場人物のような
画家が絵の具を塗りたくっていたりして、これはアートのパロディ?
しばらく見ていましたが、長くなりそうなので(実際、50分01秒だそう)
出ました。

新しくできた、いつも所蔵作品が展示されている部屋は、日本の現代美術が
展示されていました。結局全ての作品に撮影OKマークが付いていました。

まず、ピカピカのスチールにLEDの数字が点滅しています。
おぉ、宮島達男ですね。
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岐阜県美術館にも宮島達男の作品があって、それが、
西濃運輸関係の財団法人田口福寿会から寄贈されたものなので、
「田口コレクション」って呼んでいるんですよね。
岐阜県美術館 田口コレクション展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2008-05-03
なので、今回の展覧会「タグチヒロシ・アートコレクション」って聞いて、
それのことかと思っちゃいました。もちろん今回の方がずっとスゴイです。

周囲が映り込むスチールってとこが、ちょっと新鮮かな。

そして、黒い糸に囲まれた白いドレス。塩田千春ですね。
高橋コレクション展でも同じようなの見たなと。
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こちらを見る印象的な顔。顔や目の輪郭がゆっくりと動いています。
なんか静謐で美しいイメージ。渡辺豪の作品。
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あいちトリエンナーレ2013 (2) 愛知芸術文化センター その2 で、
やたら暗くて、なにこれ?なんかゆっくり動いているけど、
よくわからないなーって思った映像が渡辺豪の作品だったんですね。

あっ、これは、
金沢21世紀美術館「レアンドロ・エルリッヒ―ありきたりの?」展
コレクション展で、マクドナルドの紙袋に切込みを入れて作った作品を見ましたが、
こちらは、ティファニーの紙袋ですね。
照屋勇賢《告知―森(ティファニー)》
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同じく、ラルフローレンの紙袋でできています。
照屋勇賢《告知―森(ラルフローレン)》
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壁一面に画家についての考察が展示してあって、
これは解説なのか?と見たら、
青山悟《 About Painting 》という作品でした。
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横軸が、Social――Personal
縦軸が、Radical――Conservative
画家たちが位置づけられ、
代表作が工業用ミシンで刺繍されています。

Personal の ジョージア・オキーフ
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中央付近にあった左下がブリジット・ライリー、
右上がポール・セザンヌ
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作品の左下(SocialでConservative)にあった、左から
ピエト・モンドリアン、フランシス・ベーコン、アンディ・ウォーホル
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作品としてどうかというより、勉強になるなぁと。

白いキャンバス(木製パネルに張った布)に、パール系の絵の具が
塗られています。見る角度によって、絵の具が虹色に光ります。
大庭大介《UROBOROS(spectrum)》
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あぁ、村上隆ですね。‥‥高橋コレクション展でも
いろんなタイプの絵が展示されていましたが、私はこの人の作品の
どこがいいのか、よくわからないんですけど。
この作品も、なんか安っぽい包装紙のようだなと。
《黄色い麦わら帽子の女の子》ってタイトルの意味は??
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奈良美智はワンパターンだなーって思うんですけど、
(この《サイレント・ヴァイオレンス》って絵、どこかで見なかったかなぁ?)
でもそこそこ好きかな。立体がいいですよねぇ。この大きさ!
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岐阜県現代陶芸美術館「陶芸の魅力×アートのドキドキ」展
で見た、巨大な陶芸作品には及ばないけど、存在感あります。

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後ろの壁の作品は、杉戸洋《ダンシング・マン》
うーん、この人の絵、私はやっぱりわからんわー。
愛知県美術館の「アイチのチカラ!」展や、
「あなたのリアル、わたしのリアル。」展でも見たけど。

川島秀明《結末》
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あ、これは杉本博司の海景シリーズですね。《日本海 隠岐》
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愛知県美術館「あなたのリアル、わたしのリアル。」展
ヘンリー8世の蝋人形を撮影した写真を見て、杉本博司を知ったんですが、
名古屋市美術館「だまし絵Ⅱ」にも
ホッキョクグマの剥製を撮影した写真などが展示されていました。

会田誠《灰色の山》
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灰色の山と見えるのが、近づいて見ると‥‥
名古屋市美術館「マインドフルネス! 高橋コレクション展」
の作品と比べるとかなり大人しい表現ですね。
そんなところが、私には、高橋コレクションよりこちらの方が好みって
感じたところ。高橋コレクションのグロさがどうも私はダメだったので。

加藤泉も高橋コレクション展にありましたね。
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この土着的なプリミティブなパワー、インパクトあります。
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展示室の真ん中に絨毯が敷かれて、その上のテーブルの上に
トランプが並べられている?と思ったら、それらは
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刺繍が施された小さな絨毯なんですね!
高田安規子・政子《切り札》
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金箔やラインストーンも使われた装飾性の強いファッショナブルな
女性の絵。春夏秋冬になっているんですね。
大槻透《四季2010》
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現代日本版クリムトというか、私の好みの要素が満載なんだけど‥‥

あ、これはドラクロワの絵がモトになってますね。
《サルダナパールの死》アッシリア王サルダナパールが反乱軍に滅ぼされようとする折に、 自らの財産が敵の手に渡らないよう宝飾品を破壊し、愛妾たちを殺害する場面。
今津景《サルダナパールの死》と《サルダナパールの死のための習作》
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ドラクロワの絵がモトになっているってわかる絵の方が「習作」で、
この絵だけを見たら、瓦礫の絵としか見えない方が、
今津景の《サルダナパールの死》なんだ。
現代美術には珍しい?キャンバスに油彩の作品。

こちらもキャンバスに油彩の作品だけど‥‥
福永大介《ローカル・エモーション》
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うーん、この絵は私には良さがわからない。
なんか中学生が一生懸命描きました、みたいな‥‥。

あっ、これ草間彌生なんだ!《INFINITY-NETS THROW》
パッと見、ずいぶん上品に見えたけど、やっぱり草間彌生だー。
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加藤美佳《マスカット》
カワイイ人形の顔を大きく描いた絵。
‥‥あれ、この作品どこかで見なかったかなぁ?
チラシの裏面にも使われているから、それをどこかで見たと思っちゃったのかな?
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加藤美佳の作品は、
名古屋市美術館「マインドフルネス! 高橋コレクション展」
にも展示されていて、描写力すごいなって見ましたが。

名和晃平の作品。透明な球体で覆われたモニター
何が映っているいるのかはよくわからないけど、
球体を通して屈折してゆっくり動いていくのがなんかキレイ。
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名和晃平《PixCell-RGB-Text#1》
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名和晃平《PixCell-RGB-Picture#1》
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名和晃平、
あいちトリエンナーレ2013 (5) 納屋橋エリア で、
大きな部屋いっぱいの泡の山の作品はインパクトありました。

さわひらきの作品は、
愛知県美術館「あなたのリアル、わたしのリアル。」展 とかでも見たけど、
夢の中のようなゆったりした映像。この展覧会での作品は、
小さなモニターがミニアチュールのようでいいなと。
(写真は撮ったのですが、うまく写ってなかったので画像なしです)

やっと日本の現代美術のことをアップできましたが、
まだまだ世界の現代美術がこれ以上に展示されていたんです!
そちらのことは次の記事で~~

岐阜県美術館のHP: http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/

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