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岐阜県美術館「てくてく現代美術世界一周」展 その2 [美術]

3月8日(日)、岐阜県美術館「てくてく現代美術世界一周」展へ行ったことの続きです。
前記事では、日本の現代美術の展示のことを書きましたが、
そちらの部屋を出て、いよいよ世界の現代美術をてくてくします。

ピーター・ブレイク(イギリス)《トイ・ショップNo.2》
懐かしのおもちゃが並んでいます。こういうキッチュな雰囲気好きだけど‥‥
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AES+F(ロシア)《ジ・アライヴァル・オブ・ゴールデン・ボート》
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まず写真(ラムダプリント)の大きさと画質の美しさに驚き、
アジアっぽい?(和服の女性も混じっていますね)エキゾティシズムとか、
キッチュな雰囲気とか、どこかの名画で見たようなポーズをとっていたりする
たくさんの登場人物を見て行くのも楽しい。
AES+F は、モスクワ生まれの4人のアーティストグループだそう。

ジュリアン・オビー(イギリス)《魚にまじって泳ぐクリスティーン2》
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最近、奈良美智、村上隆を世に出したギャラリスト・小山登美夫の本
「現代アートビジネス」を読んだけど、面白かった。

現代アートビジネス (アスキー新書 61)

現代アートビジネス (アスキー新書 61)

  • 作者: 小山 登美夫
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2008/04/10
  • メディア: 新書


アートのブランド化について書かれたところで、
最近では、そういう意味でジュリアン・オビーは最適なブランドです。 人物や風景を記号化したピクトグラムのような作風はとてもわかりやすいのです。 表参道ヒルズのシンボルアートにもなりました。
それで、ジュリアン・オビーを知りました。
確かに「あっこれはジュリアン・オビーの絵」ってすぐわかりますね。

ウェイ・ジャ(中国)《フライト・タブーⅢ》
キャンバスにアクリル絵具で描かれた絵。‥‥ふーん
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ジョナサン・プラプチャック(カナダ)
《ほんの少しの間誰か僕を愛してくれないかな》
って、長いタイトルの作品だったんだと、今、出品リストを見て知りました。
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アシューム・ヴィヴィッド・アストロ・フォーカス(ブラジル)
《カラー・ボールズ》
長い名前と思ったら、エリ・スドブラックとクリストフ・ハーマイド=ピアソンとを
中心にしたアーティスト集団だそう。
ジャクソン・ポロックみたい、と思って見てたけど、
コンピューター・グラフィクスによるデジタルプリントだそう。
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展示室の床に置かれたこの作品、なんとストローでできているそうですよ。
トム・フリードマン(アメリカ)《無題》
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撮影NGの作品
ジェイソン・マーティン(イギリス)《ユダ》
アルミニウムに塗られた真っ黒な絵の具が櫛(?)でひっかかれたような、
ちょっと工芸的な作品。レコードの溝みたいにも見えます。
見る角度で画面が違って見えます。硬質な雰囲気がいいな。
画面が四角ではなく、ちょっと変形したカタチなのもいいカンジ。
意味深なタイトルがつけられていますね。

ウェンディ・ホワイト(アメリカ)《ビトウィーン・キャナル&グランド》
‥‥ふーん。なんか地下鉄の駅の表示板みたい‥‥なんて。
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ジャナイナ・チェッペ(ドイツ)《プリマヴェーラ》
温かな色の重なりが、なんかいいカンジ。春‥‥か。
水彩画だそう。
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ジン・メイヤーソン(韓国)《シェンゲン協定効果》
絵の大きさとあふれるようなパワーの迫力がいいなと。
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マリナ・レインガンツ(ブラジル)《マケット》
‥‥描きかけの絵みたい
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アンゼルム・ライラ(ドイツ)《無題》
‥‥うーん、セロファン(?)がくしゃくしゃになってるだけなんじゃない?
(アクリルガラスにおおわれていて、うまく写ってないですが)
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その隣の、色の違うドットが並んだ絵は、ダミアン・ハーストですね。
撮影NGでした。
イギリス現代アートの牽引者ダミアン・ハーストや村上隆も、ブランド化していると言ってもいいでしょうね。
 アーティスト名と同じく、イメージの認知度が高ければ高いほど、ブランドとしての価値が上がります。 だからダミアン・ハーストは、一貫して「生と死」というテーマを扱いながらも、鮫や牛、羊を切断して ホルマリン漬けにした作品から、わかりやすい十八番のドットや蝶々といった、似たようなイメージを出し続ける 方法へとプレゼンテーションの仕方を変えました。
」 小山登美夫「現代アートビジネス」より
見ていると、ドットが点滅したり動き出したりするような感覚になって、
なんか不思議でいいなぁと。ま、私はこの絵を大枚出して手に入れようとは思いませんが‥‥。

同じく撮影NGだったのが、チラシ裏面に画像のある鮮やかな花の絵
(チラシは前記事にアップしてます)
マーク・クイン(イギリス)《ザ・ワールズ・ビギニング》
キャンバスに油彩ってなってるけど、写真かと思ったくらいリアルで鮮やか。
マーク・クイン、色々センセーショナルな作品も作っている作家だそうですね。

ロデル・タパヤ(フィリピン)《ホームカミング》
フィリピンに伝わる民間伝承をモチーフにした作品だと。
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アルトゥーロ・ヘレラ(ベネズエラ)《カム》
なんか日本の屏風のような雰囲気だなと。真ん中の画面に靴が描かれていますね。
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えー、これ作品なの?マンガのふきだしみたい!
ガーダー・アイダ・アイナーソン(ノルウェー)《ザット・ライト》
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キラキラ輝くオブジェは、なんと台所用品のオタマでできてます!
スボード・グプタ(インド)《サンフラワー》
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ワンゲチ・ムトゥ(ケニア)《エイリアン・オーⅤ》
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リチャード・モス(アイルランド)
《デッド・リーブス&ザ・ダーティー・グランドⅡ》
不自然な赤い葉(デジタルCプリント)の中で、銃を持つ兵士。
葉の赤い色が血の色のようにも見えて‥‥
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サム・テイラー=ウッド(イギリス)《ザ・リープ》
宙に浮かぶように見える男性の写真。
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ライアン・マッギンレー(アメリカ)《マスタード・メドー》
菜の花畑を裸の若者が歩いていく写真‥‥
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カルロス・アモラレス(メキシコ)《無用な疑念から 03》
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チラシの表面に使われているのが、
ヴィック・ムニーズ(ブラジル)
《マリリン・モンロー、女優、ニューヨーク、1957年5月6日、リチャード・アヴェドン(ジグソーパズル)》
アヴェドンが撮影したマリリン・モンローの有名な写真を
ジグソーパズルにして、ずらしながら撮影したもの。
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あ、ヴィック・ムニーズって、「だまし絵Ⅱ」展で、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-02-12
カラフルなおもちゃで自画像を作っていた人だ。
え、あの作品もタグチ・アートコレクションの所蔵なの?!

ステファニー・グッタイル(ドイツ)《頭の中の劇場》
なんか漫画チックなモンスターたち~
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リチャード・タトル(アメリカ)《ビトウィーン・トゥー・ポインツ》#1~#5
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私がこの展覧会で一番面白かったのがこの作品
マウリツイオ・カテラン(イタリア)《無題》
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とっても小さなエレベーター!!
たまに扉が開く「チン」という音がしなければ、気がつかずに通り過ぎちゃうくらい。
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でも、音に気がついて見ると、思わず笑っちゃいます!
とても精巧にできていて、子どもたちも、覗き込んで熱心に見ていました。
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エレベーター内部まで精巧に作られていますね。
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その隣の写真は
カンディダ・ヘファー(ドイツ)《ルーブル美術館 XVII》
‥‥これは、ルーブル美術館のモナリザの部屋を撮った写真ですよね。
大きな画面の隅々まで明るく美しく撮影されているけど‥‥これも現代アート?

ムン・ギョンウォン&チョン・ジュンホ(韓国)《妙香山館》
北京で個展を行った作家が、友人たちと北朝鮮食堂
へ行き、夢のような体験をするというビデオが流れていました。
映像はきれいでしたが、全部は見てないので‥‥

セバスチャン・ディアズ・モラレス(アルゼンチン)《パサヘスⅡ》
最近はモニターも薄いLEDになって、まるで額の中の絵が動いているように見えますね。
いろんな階段を登っていく映像。階段のアングルが美しいです。
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出口近くにあったのが、
ヤッコ・オリヴィエ(オランダ)《コーリング》
手描きの絵がアニメーションになっています。

展示室を出ると、ホール?の壁にずらーっと、
グラフィカルな絵のパネルが並んでいます。
マリーナ・カボス(アメリカ)《東京の街の光、色》
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「加甫州麻理奈」って!ハハハ
葛飾北斎の蛸の絵がモトになっている絵もありました。

遅く行ったので、かなり時間ギリギリで、
後から図録見て、ホールの壁の反対側にあった作品見落としてるーと。
《プリマヴェーラ》のジャナイナ・チェッペの作品がもう1点あったそう。
(ホールの壁なので、期間中に美術館に行けたら見たいなと)

ほとんどの作品を写真に撮らせてもらったし、
図録は買わなくてもいいかなとも思ったんですけどねー。
薄いわりに値段は1,600円、後援会員割引で1,500円だったので。
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でも、岐阜県美術館だけの図録だし、
何より展覧会楽しめたので、買っちゃいました。
世界の現代美術の作家の経歴とか知ることができて興味深く見ました。

岐阜県美術館のHP: http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/

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