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岐阜県現代陶芸美術館「世界とつながる本当の方法」展 [美術]

3月15日(日)、多治見のセラミックパークMINOにある
岐阜県現代陶芸美術館へ行きました。

「世界とつながる本当の方法
 みて・きいて・かんじる陶芸」という展覧会の最終日。
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前回の展覧会、「大織部展」へ行った時に
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-10-15
この黄金のクマの顔がドーンと使われたチラシを見て、
あら、このチラシのデザイン素敵!ってもらって来たんですが

表面に使われているのは、野村直城《ULTRA KUMAPON》の一部。
金属みたいに見えるけど、透明釉の上に金銀彩だそう。

11月8日(土)から開催されてて、私は岐阜県美術館の会員なので、
岐阜県現代陶芸美術館の企画展も一度ずつ無料で見られるんですよ。
ちょっと見てこようかな、と思いながらも、
出品作家の誰一人として知った名前がない(私、陶芸は知らないので)
ってこともあり、ズルズルと最終日になってしまいました。
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でもせっかくタダなんだからと見に行ったら、これが結構良くて、
おケチな私が図録まで買ってしまいましたよ!
(ま、1,000円という手頃な値段だったことと、
 入館料無料になったってこともあったんですが)

展覧会場最初に、白い陶器でできた街のオブジェ
川崎毅《街》なんか懐かしいような、夢の中の街のような雰囲気。

床には、中囿義光《ceramic stool》
陶器でできた様々なスツールが並んでいます。

壁には、アルベルト・ヨナサン《Morning Star》
花びらのようなカタチに見えるのは、蛾
(チラシ裏面の右上)
貫入が入った白い陶器で作られていて、静謐な雰囲気が素敵!
フクロウが並んだ《Watchers》って作品もありました。

グイン・ハンセン・ピゴット《ホワイト・クラスター》
質感の違う白い陶器の壺や器が並んでいて、静物画のよう。

櫻木綾子の作品は、水がそのまま凍ったような静謐な雰囲気がいいなと。

板橋廣美《白の連想》
泪というか雨粒型っていうの?白い陶でできた
そんなカタチがたくさん床に置かれています。
なんかいいな。

出和絵理の作品は、紙でできているかと思うほど、
薄くシャープ。

山岸大祐《はざかいの容》
ちょっとエロティックなカンジが面白いなと。
こちらのチラシの右上の作品が山岸大祐ですね。
アートフェア東京2015 での
多治見市文化工房 ギャラリー ヴォイス のチラシ
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安藤千登勢の器は、白に色がゆったりとまじりあっていて、
なんか安らぎを感じるなと。

山野千里の作品は、思わず笑っちゃうようなユーモアが!
《スパ・アミーゴ》アルマジロが銭湯になって‥‥タイルのちょっと懐かしい
雰囲気の銭湯に、人も動物も一緒に入ってます。
カバの背中でボーリングをしている《カバーボーリング》
《イカリング波乗りデスマッチ―タコのフライングアタック八の字固め》
って、タイトルからして楽しいものとか。
どれも、細部まで遊び心にあふれていて、見るたびに新しい発見がありそう。
そして、展示品5点とも「個人蔵」だそう。
うん、なんか手近に飾って見て楽しみたいって作品ですね。

チラシ表面に使われている 野村直城《ULTRA KUMAPON》は、
高さ90センチの巨大クマちゃん。キラキラで華やか!

そしてミニ版(というか、こっちが通常で、ウルトラクマポンが巨大なんでしょうが)の
高さ16.5センチの《KUMAPON》が、表面にそれぞれ違う凹凸や色が付けられて、
並んでいます。

一色智登世《seed》は、カラフルで巨大な種を思わせる形が、
展示室の壁や、床や、展示室に門のような造作をしたところに展示されて、
パワーあふれるってカンジがよかった。
触れる作品もあって、陶器の重さを感じました。

斎藤まゆ 細かな文様が描かれたところと、白いところが、ゆるやかな凹凸で
複雑にまじりあうところ、いいなと。(チラシ裏面左下)

藤田匠平の作品は、いろんな色が融けて、混じって、輝いているようにも見える。

薄井歩の作品は、表面に無数の細かな穴が、精緻な工芸品のようにも、
なにか自然物(乾燥した殻とか‥‥)のようにも見える。

作元朋子は、表面のストライプがモダンで面白い~

ユン-ドン・ナムは、素焼きの土ってところと、ヒビがたくさん入った白いところの
対比と、ちょっとユーモラスなカタチが面白いなと。

渡辺泰幸《土の音》 展覧会場に入った時から、時々聞こえるボン‥ボン‥って
音は何かな?って思ってたんですが、部屋の床一面に散らばった穴が空いている球体を
木琴のようにバチで叩いて音が出せるんです。球体は小さいのと大きいのがあって、
どれも音が違うんです。なんか懐かしいような、落ち着くような音がしました。
いいなーこれ。面白い~

次の部屋には、ねじれたような小さな形の陶器が円を描くように床に散らばっていました。
塩谷良太《ひとてま》
この小さな形、人と人が握手をした時の間にはさんだ粘土を焼いたものだそう。
面白いですね!

会場を出て、コレクション展
「象るかたち/荒川豊蔵・武夫展/SCENE:20世紀の陶芸」
をやっているギャラリーⅡへ行くと、毎週日曜日は3時から
ボランティアスタッフによるギャラリートークがあって、
ちょうど始まる時刻だったので、聞きながら見ました。
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まず「象る(かたどる)かたち」
会場入口のところに置いてあった植葉香澄《キメラ》キラキラで豪華で面白ーい。
多治見市美濃焼ミュージアム「中田英寿、現代陶芸と出会う。」展
でも、植葉香澄の《キメラ》という作品が展示されていたけど、
それより大きい作品のような気がするけど‥‥

人や自然や身の回りのものなど、様々なものを象った作品。

黒い陶でできた、だぶだぶの服を着たサーカスの少年の像
《Tomorrow》は、女優の結城美栄子の作品だそう。

手や首、舌が動くマイセンのパゴダ人形も展示されていました。

ヤマザキマザック美術館「ロココの雅」展 で、
黒壁美術館所蔵のパゴダ人形が展示されていたけど、
それよりこっちの方が大きいかな。

小塩薫《痕跡からの結晶―today's diary―》は、
よく陶でこんな薄い帽子を!と驚きます。

マンガ雑誌を陶器にした三島喜美代《Comic-07》
雑誌のめくれた曲面に雑誌のページを転写するのは大変なんだと。

西村陽平《"岐阜県現代陶芸美術館収蔵品目録"》は、
タイトルどおり岐阜県現代陶芸美術館の収蔵品目録の本を「焼いた」ものだそう。
本を焼いて??なくならないの?

杉浦康益《ひまわり3部作―うつりゆく時間(ヒマワリの朽ちた殻)》も
巨大なヒマワリの朽ちた花から種がこぼれているところが精緻に作られていて、
精神性みたいなものも感じられて良かった。

杉浦康益、岐阜県美術館の庭や愛知県陶磁美術館の池に作品
《陶による石の群》がある人ですね。
岐阜県美術館「彫刻のさんぽ道」(所蔵品展)その1 に画像のせてます。
最近はこういう植物を精緻に作る作品を発表していらっしゃるそう。
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二階の展示室Bは「荒川豊蔵・武夫展」
「志野・瀬戸黒」の人間国宝・荒川豊蔵と、長男の荒川武夫の作品の展示。
郷土が誇る偉大な陶芸家ですが、どうも私にはわからないんですよねー。
豊蔵さんと武夫さんを見比べてくださいね、と言われても‥‥

展示室C・Dは「SCENE:20世紀の陶芸」
前期展示(2014.11.22~2015.2.15)と後期展示(2015.2.17~4.19)があり、
後期展示は「人間国宝のわざ」として、
陶芸の人間国宝17名の作品が並んでいました。
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富本憲吉《色絵金銀彩四弁花模様飾壺》があって、あ、これなら
本とかでもよく見る、私でも知っている模様の壺だー。
きれいだなぁと見ていたら、ボランティアスタッフの方が、
この壺は、当館きってのお宝で、金銀彩の銀が酸化しないように、
この展示ケースは脱酸素装置が付いているんですよと。

「志野」の人間国宝・鈴木藏と、「瀬戸黒」の人間国宝・加藤孝造の、
それぞれ志野茶碗と瀬戸黒茶碗が展示されていて、見比べてくださいと。
どっちがどうだったのかは忘れちゃった(^^;)けど、やっぱり違うなぁと。
このあたり、陶芸に詳しい人なら、ものすごく贅沢な展示なんでしょうね。

眼福の後は、口福ですよね!
セラミックパークMINOの同じ2階にあるレストラン・カフェ
クレイで、3月限定のデザート ひなまつりパンケーキセット
コーヒー付で1,000円+税80円をいただきました。

雰囲気も豪華なフランス料理レストラン
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カフェタイムのせいか、お客さんは私だけー
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抹茶のパンケーキと生クリームと、桜のジュレで菱餅をイメージしたと。
団子の串のように見えるのは、実は食べられます。
アイスに、あんこにフルーツ。黒蜜がかかってます。
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コーヒーカップはマイセンですね!
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岐阜県現代陶芸美術館: http://www.cpm-gifu.jp/museum/
セラミックパークMINO: http://www.cpm-gifu.jp/


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