碧南市藤井達吉現代美術館「時空を超えてつむぐ」展 [美術]
8月18日(火)に、碧南市藤井達吉現代美術館へ行ったことを。
7月3日(金)~8月23日(日)まで、
「時空を超えてつむぐ
――多和英子vs放菴・達吉・鉄五郎」という展覧会をやっていました。
黒を基調にしたこのチラシ「おー!カッコいいww」と見たんですが、
藤井達吉現代美術館は、「石黒鏘二展」とか、
見に行けなかったけど、「原裕治展」とか、
わりと現代彫刻作家の展覧会をやったりしていますね。
多和英子さん、私まったく知らない作家さんでしたし、
鉄の作品かー、碧南は遠いしなーくらいのカンジだったんですが、
7月26日の日曜美術館アートシーンで取り上げられていたんですよね。
そこで、この展覧会が、
碧南市藤井達吉現代美術館と、
小杉放菴記念日光美術館と、
萬鉄五郎記念美術館の共同企画で、
多和英子の作品と三美術館の所蔵作品とをあわせて展示することで、
近代と現代の美術の時空を超えた響きあいを鑑賞するものだと。
へーなんか面白そうって。
チラシの印象的な多和英子の作品をめくると、
小杉放菴、萬鉄五郎、藤井達吉の作品があらわれます。洒落てますね。
ということで、見たいなーと思いつつ、お盆はパートも忙しかったので、
23日(日)までかーって焦ってたんですが、
18日(火)休みだったので、一人で電車に乗って出かけました。
碧南市藤井達吉現代美術館は1年以内のチケットの半券が
リピーター券として割引になります。(1回のみ)
前回の企画展「竹内栖鳳」展の半券を持って行ったので、
観覧料一般当日600円が、団体料金の480円になりました。
今回の企画展は2階の展示室のみ。
階段を上がった会場入口スペースにも、
多和英子の鉄の作品が置かれていました。
数ミリの鉄の棒を溶接して、布を織り上げるようにして制作されたものだと。
ざっくりとした手織りの布のような肌合いがいいなと見ました。
展示室に入ると、ところどころに多和英子の作品が置かれ、
壁などに小杉放菴、藤井達吉、萬鉄五郎の作品が展示されています。
多和英子の鉄の作品が壁からニョキッと出てるみたいな作品を含む
《かるく おもく しずむ4点組》とか面白かった。
小杉放菴は、最初「未醒」と号し、それから「放庵」「放菴」と号したそうですね。
最初の方に展示してあった「未醒」時代の作品は
デザイン的な感覚っていうか、平面的に抽象化されている画風が
私好みでした。そして放菴となってからの軽やかな水墨画がいいですね。
洋画から日本画に転じ、挿絵や漫画も描いた人らしい洒脱な雰囲気が
いいなと。
藤井達吉はここの美術館の所蔵品展示を何回か見ていますが、
工芸から図案、絵画までいろんな作品があるなと。
こうやって展示してあると、小杉放菴となんか似てるなと感じました。
小杉放菴と藤井達吉、生まれた年と亡くなった年が同じで、
どちらも1881年(明治14)~1964年(昭和39)なんですね!
萬鉄五郎は1885年(明治18)~1927年(昭和2)
東京国立近代美術館蔵の《裸体美人》(重要文化財)が有名ですね。
でもここに展示してある作品は私にはふーんってカンジでした。
パワーは感じたんですが。《裸体美人》も東京美術学校の卒業制作で
19人中16番の評価だったそうなので、私のセンスは古いのかな。
次の部屋では、多和英子のたくさんの細い鉄の棒の上に波打つような
鉄板がのっている《112 Level》がよかった。(チラシ裏面左下)
鉄の不安定なカンジ。黒雲から降ってくる雨のようにも見えました。
そしてやはり、チラシ表面に使われている《 Welding 698 time 》
Weldingとは溶接、698とは698本の棒、timeは鉄を溶接するのにかけた時間を示す
とのこと。とにかく大きな作品で、屹立する山のようにも見えるけど、
表面のざらつきが柔らかな雰囲気。白っぽい絨毯に鉄の隙間からの光が
入った影が落ちていて、そんなところも面白かった。
それに対峙するように藤井達吉の六曲一双の屏風《水・火》が
置かれているのも良かった。水と火がダイナミックに描かれています。
2階を見終わって、お腹も空いたので、ランチの時間ギリギリでしたが、
1階のカフェ「むぎの家」でランチセットを。1,080円(税込)
おかゆかパンか選べたのでパンをチョイス。
デザートプレートとドリンクも付きます。
カフェのガラス越しに道向かいの西方寺が見えます。
1階の藤井達吉の常設展示(こちらの部屋は無料で入れます)も見て、
カフェ前のテラス(?)には、小学生たちがワークショップで作ったという、
木の枝にカラフルな毛糸をまきつけた造形が置かれていました。
碧南市藤井達吉現代美術館 全景
碧南駅まで、大通りの方から戻ると、
碧南には立派なお寺が多いですね。常行院
レトロな街並み好きです。
火曜日はこのあたりのお店、定休日が多いみたい
碧南市藤井達吉現代美術館:
http://www.city.hekinan.aichi.jp/tatsukichimuseum/
「時空を超えてつむぐ」展は、この後
9月5日(土)~10月25日(日) 萬鉄五郎記念美術館(岩手県花巻市)
11月7日(土)~12月23日(水・祝) 小杉放菴記念日光美術館 に巡回します。
小杉放菴記念日光美術館: http://www.khmoan.jp/
オマケ
展覧会のチラシみて、私はこの作品を思い出しました。
岐阜県図書館前にある
マルタ・パン《風景の断片》
(以前はここ水が張られていていい雰囲気だったんですが)
7月3日(金)~8月23日(日)まで、
「時空を超えてつむぐ
――多和英子vs放菴・達吉・鉄五郎」という展覧会をやっていました。
黒を基調にしたこのチラシ「おー!カッコいいww」と見たんですが、
藤井達吉現代美術館は、「石黒鏘二展」とか、
見に行けなかったけど、「原裕治展」とか、
わりと現代彫刻作家の展覧会をやったりしていますね。
多和英子さん、私まったく知らない作家さんでしたし、
鉄の作品かー、碧南は遠いしなーくらいのカンジだったんですが、
7月26日の日曜美術館アートシーンで取り上げられていたんですよね。
そこで、この展覧会が、
碧南市藤井達吉現代美術館と、
小杉放菴記念日光美術館と、
萬鉄五郎記念美術館の共同企画で、
多和英子の作品と三美術館の所蔵作品とをあわせて展示することで、
近代と現代の美術の時空を超えた響きあいを鑑賞するものだと。
へーなんか面白そうって。
チラシの印象的な多和英子の作品をめくると、
小杉放菴、萬鉄五郎、藤井達吉の作品があらわれます。洒落てますね。
ということで、見たいなーと思いつつ、お盆はパートも忙しかったので、
23日(日)までかーって焦ってたんですが、
18日(火)休みだったので、一人で電車に乗って出かけました。
碧南市藤井達吉現代美術館は1年以内のチケットの半券が
リピーター券として割引になります。(1回のみ)
前回の企画展「竹内栖鳳」展の半券を持って行ったので、
観覧料一般当日600円が、団体料金の480円になりました。
今回の企画展は2階の展示室のみ。
階段を上がった会場入口スペースにも、
多和英子の鉄の作品が置かれていました。
数ミリの鉄の棒を溶接して、布を織り上げるようにして制作されたものだと。
ざっくりとした手織りの布のような肌合いがいいなと見ました。
展示室に入ると、ところどころに多和英子の作品が置かれ、
壁などに小杉放菴、藤井達吉、萬鉄五郎の作品が展示されています。
多和英子の鉄の作品が壁からニョキッと出てるみたいな作品を含む
《かるく おもく しずむ4点組》とか面白かった。
小杉放菴は、最初「未醒」と号し、それから「放庵」「放菴」と号したそうですね。
最初の方に展示してあった「未醒」時代の作品は
デザイン的な感覚っていうか、平面的に抽象化されている画風が
私好みでした。そして放菴となってからの軽やかな水墨画がいいですね。
洋画から日本画に転じ、挿絵や漫画も描いた人らしい洒脱な雰囲気が
いいなと。
藤井達吉はここの美術館の所蔵品展示を何回か見ていますが、
工芸から図案、絵画までいろんな作品があるなと。
こうやって展示してあると、小杉放菴となんか似てるなと感じました。
小杉放菴と藤井達吉、生まれた年と亡くなった年が同じで、
どちらも1881年(明治14)~1964年(昭和39)なんですね!
萬鉄五郎は1885年(明治18)~1927年(昭和2)
東京国立近代美術館蔵の《裸体美人》(重要文化財)が有名ですね。
でもここに展示してある作品は私にはふーんってカンジでした。
パワーは感じたんですが。《裸体美人》も東京美術学校の卒業制作で
19人中16番の評価だったそうなので、私のセンスは古いのかな。
次の部屋では、多和英子のたくさんの細い鉄の棒の上に波打つような
鉄板がのっている《112 Level》がよかった。(チラシ裏面左下)
鉄の不安定なカンジ。黒雲から降ってくる雨のようにも見えました。
そしてやはり、チラシ表面に使われている《 Welding 698 time 》
Weldingとは溶接、698とは698本の棒、timeは鉄を溶接するのにかけた時間を示す
とのこと。とにかく大きな作品で、屹立する山のようにも見えるけど、
表面のざらつきが柔らかな雰囲気。白っぽい絨毯に鉄の隙間からの光が
入った影が落ちていて、そんなところも面白かった。
それに対峙するように藤井達吉の六曲一双の屏風《水・火》が
置かれているのも良かった。水と火がダイナミックに描かれています。
2階を見終わって、お腹も空いたので、ランチの時間ギリギリでしたが、
1階のカフェ「むぎの家」でランチセットを。1,080円(税込)
おかゆかパンか選べたのでパンをチョイス。
デザートプレートとドリンクも付きます。
カフェのガラス越しに道向かいの西方寺が見えます。
1階の藤井達吉の常設展示(こちらの部屋は無料で入れます)も見て、
カフェ前のテラス(?)には、小学生たちがワークショップで作ったという、
木の枝にカラフルな毛糸をまきつけた造形が置かれていました。
碧南市藤井達吉現代美術館 全景
碧南駅まで、大通りの方から戻ると、
碧南には立派なお寺が多いですね。常行院
レトロな街並み好きです。
火曜日はこのあたりのお店、定休日が多いみたい
碧南市藤井達吉現代美術館:
http://www.city.hekinan.aichi.jp/tatsukichimuseum/
「時空を超えてつむぐ」展は、この後
9月5日(土)~10月25日(日) 萬鉄五郎記念美術館(岩手県花巻市)
11月7日(土)~12月23日(水・祝) 小杉放菴記念日光美術館 に巡回します。
小杉放菴記念日光美術館: http://www.khmoan.jp/
オマケ
展覧会のチラシみて、私はこの作品を思い出しました。
岐阜県図書館前にある
マルタ・パン《風景の断片》
(以前はここ水が張られていていい雰囲気だったんですが)
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