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中山道赤坂宿 旧清水家住宅三人展 [美術]

10月9日(日)、中山道赤坂宿にある
大垣市指定文化財「旧清水家住宅」へ行きました。
造形作家の二村元子さんから三人展の案内ハガキが届いていたからです。
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金生山の化石と鉱物の 新川 教 (Niikawa Takashi)
立体造形の 二村 元子 (Futamura Motoko) 
絵画の 吉田 峰雄 (Yoshida Mineo)
という分野を超えた三人の方の展示です。

古民家での展示、とても楽しみでしたが、見るのにそんなに時間
かからないだろうし、我が家からは1時間あれば行けるだろうって、
まぁ、私のことですから、日曜日の午前中テレビ見たりしてのんびりして、
昼食を食べてから出かけました。でも、
もっと早くから出かければ良かったって後悔しました!
展覧会だけでなく、周辺の赤坂宿や金生山がとても素敵で、
もっと見てみたいところがあったからです。

旧清水家住宅は、中山道赤坂宿のほぼ中央、十六銀行の向かい。
日曜日だったので、十六銀行の広い駐車場に停めさせてもらいました。
(旧清水家住宅は土日祝のみの開館)
大垣市HPの旧清水家住宅のページ: http://www.city.ogaki.lg.jp/0000032911.html

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享保15年(1730)もしくは安永4年(1775)建造と伝えられる主屋」は、
歴史的建造物として保存するため、改修工事が行われ、
「住民などによるまちづくり活動の拠点施設としても利用されています。

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向かいの十六銀行も赤坂宿のたたずまいに配慮した建物になっています。
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大戸をくぐって中へ入ります。(無料)
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二村元子さんの、これは2015年の中之条ビエンナーレに出品された
作品のリメイク(というか切り取られた)ですね!
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群馬県の山間で開催された中之条ビエンナーレのことは、
(温泉とアート!! 行きたかったですが、やはり群馬県は遠い‥‥)
場所かさじゅう「天使とおばけ」展と交流会
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
で、スライドも見せていただきました。

土蔵の中に壁をつくり、そこに村の人からもらった古い椅子などを埋め込んだ作品。
今回の展示でも、とても場所となじんでいるというか、
古い記憶が浮かび上がってきているような、そんな雰囲気が素敵。
そして、板の間に展示されていた化石とも通じるものがありますね。

その奥の部屋に展示されていたのは、吉田峰雄さんの絵画。
これ、全てモノクロで描かれているんですが、光の加減で、
いろんな色が見えて、この場所にとても馴染んでいます。
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奥の座敷の床の間
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二村元子さんの造形も、吉田峰雄さんの絵画もとても素敵です!
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吉田峰雄さんの絵、黒一色ですが、光の加減で金や銀に見えますね。
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壁に掛けられた吉田峰雄さんの絵
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奥の土間もすごく素敵な空間になっていました。
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これ、岐阜市の上宮寺で開催された
二村元子「Re∞Birth」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-04-06
でも展示されていた、炭化させた夏みかんが貼り付けられた作品ですね。
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古民家の黒い壁の前で、また素敵に見えます。

吉田峰雄さんの絵も黒い壁ととても合っていますね。
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道に面した蔀戸のある板の間に展示されていたのが、
新川教(にいかわ たかし)さんの金生山の化石と鉱物
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これらの説明パネルは、以前に岐阜県博物館での展覧会で作られたものだそう。
岐阜県博物館の古いHPに展覧会のページがありました。
資料紹介展「赤坂 金生山~新川化石コレクション~」
http://old.gifu-kenpaku.jp/kikaku-past/4299

(旧・岐阜県不破郡)赤坂町は石灰の産地ってことは知っていましたが、
その石灰岩が採掘される金生山は、多くの化石が発掘される
「日本の化石研究発祥の地」と言われているそう。
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このあたりのことは私はさっぱりなんですが、展示されていた
化石の大きさには驚きました。
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「ナゾの二枚貝シカマイア」!!

このあたりの化石は、こんなのが出てくるんだ!!って、
全く興味のない私でも驚くような大きさです。
そして壁の吉川峰雄さんの絵画、化石と不思議に共鳴しているような‥‥。
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金生山には鉄鉱石(赤鉄鉱)の鉱脈もあったそう。
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これらを前にして、新川教さんのお話がとても面白かったです。
(以下、あくまでも、その方面の知識が全くない私が聞いて
 記憶に残ったことを私なりに文章にしたものなので正確ではないですが)

「金生山」は名前の通り、古代から赤鉄鉱を採掘して鉄製品を作っていたのではないか
近くの垂井にある南宮大社は鉱山を司どる神である金山彦命を祭神としているし、
金生山にある明星輪寺には金生山の鉄鉱石で製作されたといわれる短刀もある
近くの昼飯大塚古墳(ひるいおおつかこふん)からは鉄製の刀剣も出ている。
今は石灰石採掘のジャマ扱いされている赤鉄鉱だが、
昔はそちらの方が大切にされていたのではないか。
赤鉄鉱から鉄を作るのは、土器を作る技術があればできる。
砂鉄から鉄を作るのは、かなりな高温を必要とする。赤鉄鉱から作る方が簡単だ。
歴史では石器時代、青銅器時代、鉄器時代って区分をしているけど、
鉄は錆びて残らないし、別のものに作り替えられたりして残っていないだけで、
青銅器と同じ時代に鉄器も使われていたのではないか。
青銅器は合金なので、青銅器を作る技術があれぱ、鉄器も作れるだろう。

こんなお話を聞いて、展示されていた赤鉄鉱の石を触らせてもらいましたが、
ものすごく重い!!! 石だから重いのはわかってましたが、それでも
持ち上がらないほど重い!!! こんなのが庭にゴロゴロあって、家族から
文句を言われているとか。(そりゃー、私、家族の方に同情します)
赤鉄鉱は磁石にくっつかないそうです。
赤鉄鉱に雷が落ちると磁石にくっつくようになるとか。

化石では、こんなのどうやって見つけるんですか?って質問に、
わりと偶然に見つけることがあって、例えば正面の絵の下にあった
「マーチソニア ヤベイ」は、たまたま会った人に
「このあたりで化石が出るところありますか?」って聞かれて
「このあたりで出ますよ」って手で地面の土を払ったら、
そこにあって驚いたとか。(それでもシロートなら、
それが化石だとはわからないですよね)
化石を掘り出していくには、とにかく1点から掘り進めていかないとダメだと。
辛抱できなくて、別のところから掘ってしまうと化石を壊してしまうと。

この空間の居心地が良くて、長居してしまいました。
赤坂宿のレトロなたたずまいが素敵だったので、少し歩き、
新川教さんのお話や、旧清水家住宅にあったパンフレットで興味を持った
金生山化石館へ行き、その上の金生山明星輪寺(こくぞうさん)まで
行っちゃったんですが、そのことは次の記事で。

上り口にあった、三人展へのお祝いの絵と花(造花)
化石の入った大理石でつくった大きな壺に飾られています。
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「サンゴやフズリナの化石がいたる所に見えています。」
ってことだけど、私にはどれが何やら??

旧清水家住宅三人展は、15(土)・16(日)もやっています。
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