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名古屋市美術館「モネ それからの100年」展 [美術]

5月22日(火)、名古屋市美術館へ行ってきました。
「モネ それからの100年」という展覧会をやっています。
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この日は、パートの休みで、例年この季節に開催される
恩師のグループ展が名古屋市民ギャラリー栄で始まっていたので、
名古屋まで出かけて、ついでにチケットを買ってあった
この展覧会を見て来ようと出かけたのでした。まぁ私のことなので、
出かけたのが昼でしたし、市民ギャラリーでは先生にお会いすることも
できて、すっかり話し込んでしまいましたし、ついでに‥‥って
市民ギャラリーの他の展示室も見て回って、気が付いたら3時を回っていて、
急いで名古屋市美術館まで歩いたんですが、3時半を過ぎちゃってました。
名古屋市美術館は5時までなので、日を改めた方がいいかなとも
思ったんですけど。

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さすが人気のあるモネだけあって、「真島直子展」等では閉まっていた
外のチケット窓口が開いています!

展示室の入口のこのパネルは撮影可でした。
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でも、モネの絵目当てで行く人には、ちょっと
物足りないというか、不満のある展覧会かも‥‥なんて
思っちゃいました。

モネを印象派の巨匠を超えて、現代美術の創始者としてとらえ、
(確かに、モネの晩年の作品は抽象絵画のようにも見えますね)
モネに影響を受けた現代アートと共に展示されています。

私この頃やっとモネの良さってわかってきたんですが、
以前はモネの作品のタッチの荒さや、描きかけじゃない? なんてところが
どうも気になっちゃってダメだったんですよ。

モネの絵は今でこそ大人気だけど、初期の“印象派”って言葉は、
悪口だったんですよね。そしてチラシ裏面の文章にありますが、
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モネが現在パリのオランジュリー美術館の壁面を飾っている睡蓮の大作に取りかかるのは、 ちょうど100年ほど前のことです。画家が没した翌年の1927年にこの睡蓮の壁画が公開された時、 人々の反応は今では考えられないほど冷淡なものでした。それから20年余、あまりに時代に 先んじていたモネの斬新な絵画表現は次第に理解者を増やし(後略)」

なるほど、私の感覚ってやっと印象派を認めたあたりの古さ、
100年遅れているのかなーと。

ということで、この展覧会、モネの作品、現代アートとの
からみ(?)で展示されているので、その分モネの絵の点数が少ないのと、
(22日の名古屋市美術館では25点展示されていました)
展示されているモネの絵も、印象派の光キラキラの絵というより、
色とタッチがバラバラになったような、描きかけのような印象の絵とか‥‥

展覧会の公式サイト: http://www.chunichi.co.jp/event/monet/
見どころ」のページに http://www.chunichi.co.jp/event/monet/highlight.html
並んで紹介されていますが、
《ヴィレの風景》1883年 と
丸山直文《puddle in the woods 5》2010年
なるほど、なんか似てますね。

光や水、大気など、形のないものを描いた、なんだかぼんやりした絵‥‥
あ、でもこの展覧会で、
メナード美術館所蔵の《チャリング・クロス橋》1899年 と、
吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)所蔵の
《テームズ河のチャリング・クロス橋》1903年 が並んでいるのを見て、
この2つの絵いいなぁーって感じました。
(今までモネのこういうぼんやりした絵ってよくわからなかったんですけど)

この展覧会、ほとんどの作品が日本国内の美術館等のものなんですね。
いろんなところから借りて大変(?)だったろうなぁ、そして、
モネの作品を所蔵している美術館の多さ! 日本でのモネ人気がわかります。
(モネが多作で長命だったってこともあるんでしょうが)
でも、もっといい絵(?)あるんじゃない?と。

以前、ここでポーラ美術館の展覧会を見たけど、

名古屋市美術館「ポーラ美術館コレクション展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-01-23

目玉(?)になってたモネの睡蓮の絵、素敵でした。
(この時買ったこの絵を使ったチケットホルダー、まだ使ってます)
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今回、ポーラ美術館から2点モネの絵が出てるんですが、
その絵は来てないんです。来たのは、
チラシ裏面に載っている
《ヴァランジュヴィルの風景》1882年
葛飾北斎の浮世絵の構図から着想を得ていると説明がありました。

《セーヌ河の日没、冬》1880年
最初の妻カミーユが亡くなった後、悲しみに沈んでいたモネが
再び制作に向かう希望をこめて描いたものだとか、
モネの画歴の重要な絵なんでしょうが‥‥

やっぱりモネは睡蓮ですよね!!
で、その睡蓮の絵、チラシのメインビジュアルに使われているのは
吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)の《睡蓮》1906年
チラシでは、いかにもモネってイメージの絵で、素敵だなぁって見てましたが、
実物を見て、一瞬、え? この絵よね?? って思っちゃった。
なんだか印刷の方がよく見えたというか、実物のマットな画面が、
ちょっと白っぽく見えちゃったみたいな‥‥もう一度見て、
やっぱり素敵だと見直しましたけど。

うーん、ここに並んでいる睡蓮の絵もいいけど、
去年秋に行ったアサヒビール大山崎山荘美術館にあった
モネの睡蓮の絵、結構大きくて素敵だったなぁと。
京都の町家に泊まる同窓会旅行(2)聴竹居と大山崎山荘美術館
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-11-09

あ、でも私、モネの絵目当てってほどでもないので、
展示されていた現代アート、結構面白く見ましたよ。

ルイ・カーヌって作家は、名前も初めて知りましたが、
金網の上に置かれた絵具が影になって映っている絵とか、
絵具と投影された色とのイメージ、面白いなぁと。

岡崎乾二郎のものすごーく長いタイトルの絵の具の透明感もいいなと。
展示してあったのは、東京都現代美術館所蔵のものでしたが、
岡崎乾二郎のこんな絵、愛知県美術館のコレクション展で見て、
それらにも長~い詩のようなタイトルがつけられてて面白いと思ったっけ。

愛知県美術館コレクション展「蕪村・若冲と江戸時代絵画」他
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-04-09

2階の展示室に並んでいたリキテンスタインのモネの積みわらを
モチーフにした連作版画、複製技術が発達した今だったら、
誰でも作れそうwwなんて思いながらも、いいなって見ました。
所蔵が富士ゼロックス株式会社ってのも興味深かった。
アンディ・ウォーホル《花》も、富士ゼロックスの所蔵品なんですね。

現代アートには映像作品もあって、水野勝規のモネの池
(キャプションには岐阜の貯水池としか書いてなかったけど)
を素材にした映像とか、水の揺らぎの映像とか、見てて気持ちよかった。
(モネの池、ウチからわりと近いのに行ったことないんです。
 ものすごく混んでいるってことだけど、一度行って来なくてはww)

水野勝規の作品は、以前、愛知県美術館で見たことがあります。
2012年に愛知県美術館へポロック展を見に行った時に、
新進作家を取り上げている展示室6で《ライトスケープ》という
テーマ展をしていて、白い部屋に白っぽい映像が癒されるーと見ました。

そのことをこちらにちょっと書いてます
愛知県美術館「ジャクソン・ポロック展」の周辺
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-01-12

モネ大好き! モネの絵を見たい! って人には不満のある展覧会
かもしれませんが、現代美術へとつながっていくモネの影響の大きさ、
ちょっと新しい視点でモネや現代美術を見ることができる
面白い展覧会だと思いました。

子ども用にモネを紹介したリーフレットも良かったです。
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名古屋市美術館: http://www.art-museum.city.nagoya.jp/
展覧会公式サイト: http://www.chunichi.co.jp/event/monet/


企画展示室を出ると4時半を過ぎていて、地下の常設展は、
展示室3の「北川民次とメキシコの教え子たち」だけは
なんとか見ましたが、他は入場時間を過ぎていたので‥‥。
チケットに常設展の方が残っているので、ついでがあれば
行ってきたいとは思ってますが‥‥

名古屋市美術館の次の企画展は
「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」
2018-5-22-(27).jpg
チケット買ってあるんです。楽しみー
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