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岐阜県現代陶芸美術館「デンマーク・デザイン」展 [美術]

6月10日(日)、多治見の岐阜県現代陶芸美術館へ
「デンマーク・デザイン」展を見に行きました。
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赤にハート型のスタイリッシュな椅子
(ヴェアナ・パントン《椅子「ハートコーンチェア」》1958年)の
チラシ、カッコイイですね!
――ネットで「デンマーク・デザイン」展を検索したんですが、
「デンマーク・デザイン」展の巡回展のチラシの中でも、
このチラシのデザインは一番クールだと見ました。
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その前に、ついでにって、
とうしん美濃陶芸美術館で「喫茶文化美濃」展見たり、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2018-06-17

多治見駅北口の「TREE by NAKED tajimi」でパンケーキ食べたりして、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2018-06-19

やっと岐阜県現代陶芸美術館のあるセラミックパークMINOに着いたのは、
4時過ぎてました(^▽^;) まぁ、岐阜県現代陶芸美術館6時まで開館して
くれてるので、私のようなノンビリにはありがたいんですけど。

今回も岐阜県美術館の後援会員証で入りますー。
(ハートコーンチェアがデザインされたチケットもらえて嬉しい)
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最初にデンマークの陶磁器の展示

ロイヤル コペンハーゲンの〈ブルーフルーテッド〉の
皿やカップなど、白に青の繊細な花(唐草)の文様の磁器が素敵。
〈ブルーフルーテッド〉はロイヤル コペンハーゲンを代表する
ロングセラーだそうですね。

アーノル・クローウ〈マーガレットサーヴィス〉の花や蜻蛉の絵の
鉢や皿、カップ&ソーサーがとても素敵!!
アール・ヌーヴォーというか、クローウは日本の工芸品から
影響を受けたと図録の説明にあったけど、そんなところも
素敵って感じるところなのかなと。
カップの持ち手が蝶の形なのも繊細で素敵!!

そして、ビング オー グレンダールもデンマークなんですね!
岐阜県現代陶芸美術館「アール・ヌーヴォーの装飾磁器」展で、
《釉下彩鷺センターピース》が展示されていてとても素敵だったんですが、
今回、〈鷺のサーヴィス〉が4点展示されていました。
1890年設立の美術工芸博物館の初代館長に就任した
ピートロ・クローンのデザインだそう。
今回もこのあたりの磁器は塩川コレクション所蔵のもの

と、最初の部屋はいかにも岐阜県現代陶芸美術館らしい展示だったんですが、
それからは、椅子やランプ、工業製品などの展示へ。

アーネ・ヤコプスン[アルネ・ヤコブセン] (1902-1971)の
(アーネ・ヤコプスンがデンマーク語の原音カナ表記で、
[]内が、日本で流通するカナ表記)
自然の植物をモチーフにしたテキスタイルが素敵だった。

そして椅子はいかにもモダンデザイン!!ってシンプルなもの。

去年、愛知県美術館で「フィンランド・デザイン展」を見たんですが、
(ブログに感想が書けておりませんが)
そこにもモダンな椅子がたくさん展示されていました。
私には、フィンランドもデンマークも同じように見えてしまいますが、
(スミマセン、家具とか詳しくないので‥‥)
座面が紐(ペーパーコードって、樹脂を含ませてよった紙紐なんですね)に
なっているのは、フィンランド・デザイン展では見なかったような‥‥
デンマーク・デザイン展では多いですね。

ハンス・ヴィーイナ[ウェグナー](1914-2007)の
椅子JH550〈ピーコックチェア〉1947年 や、
椅子Ch24〈ウィッシュボーンチェア/Y-チェア〉1950年 とか。

ジョン・F・ケネディが座っている写真も展示されていて、
いかにも50-60年代の、機能美を追求したモダンデザイン!!って、
(椅子の中の椅子ってことで、「ザ・チェア」と呼ばれたそう)
椅子JH503〈ラウンドチェア/ザ・チェア〉1949年 も、
ハンス・ヴィーイナ[ウェグナー]のデザインで、
この座面は竹で編まれていました。

フィン・ユール(1912-1989)デザインの
椅子〈チーフテンチェア〉‥‥「酋長の椅子」という意味だそう。
美術工芸博物館での発表時、国王フレズレク9世(Frederik Ⅸ 1899-1972)が この椅子に腰を下ろした。その場にいたジャーナリストの一人が、 「この椅子は“国王の椅子”という名前にすべきですね」と問いかけると、 「いえ、むしろ“チーフテンチェア(=酋長の椅子)”と呼んでください。 この椅子はそれほど豪奢なものではありませんから」とユールは答えたという。
(図録より)
シンプルだけど、ちょっとユーモアも感じるような
愛嬌のある暖かな雰囲気の椅子だなって見たんですが‥‥と、
フィン・ユール邸の写真や、ユール邸に飾られていた絵(版画)も
一緒に展示されていました。

自然の植物をモチーフにしたテキスタイルが展示されていて素敵だった
アーネ・ヤコプスン[アルネ・ヤコブセン]は椅子のデザインで
有名だそうですね。

スチールの足がモダンで機能的で実用的で、大量生産向けってカンジの、
椅子 モデル3100〈アントチェア〉1952年 や、
椅子 モデル3107〈セヴンチェア〉1955年

肘掛椅子〈エッグチェア〉1958年 や、
肘掛椅子〈スワンチェア〉1957-58年 の未来的な美しいフォルム!!

そして、展覧会で一番インパクトがあったのが、
赤いプラスチックのサイケな壁と赤い床という強烈な空間に置かれていた、
ヴェアナ・パントン(1926-1998)デザインの
プラスチック一体成型の、ポップな未来!!って雰囲気の
椅子〈パントンチェア〉1967年 と、

チラシのメインビジュアルとして使われている
椅子〈ハートコーンチェア〉1958年

ピア・リュケトン(1916-1998)デザインの
ベース、ピッチャー〈カーナビ〉1968年 の、
鮮やかな原色とインパクトあるフォルムが面白かった!!

でも、私はこういう前衛的なデザインがデンマークっぽいと
思ってたんですが、自然素材を大切にする上品な趣味のデンマークでは、
非デンマークみたいに思われていたと知って興味深かった。

そして工業製品やレゴや木で作られたおもちゃ、
自転車やポスターの展示もあって盛り沢山でした。

最後の展示室は撮影可、そして椅子に座ることができました!!
椅子は全て、ハンス・ヴィーイナ[ウェグナー]デザイン
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椅子pp130〈サークルチェア〉1986年
木で完璧な円形フレームを作るために、木材を薄くスライして
接着しているそう。
デザイン的にとても美しいけど、座るとギシッとなるところが
ちょっと気になっちゃった。なんか壊しそうで‥‥
座ってしまえばリラックスできたんですけど。
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椅子pp19〈パパベアチェア〉1951年
無垢材の頑丈な木製フレームに麻、馬の毛、綿、ヤシの葉等で
肉付けしていくそうで、椅子張りの作業は少なくとも一週間かかるそう。
包み込まれるような座り心地で、形もなんかユーモラス。
「パパベア」ってネーミングもいいな。でもちょっとネットで検索したら、
驚きの値段がww(職人が1週間以上かけてってことですから‥‥にしても!!)
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壁にはロナン&エルワン・ブルレック
テキスタイル・タイル〈クラウズ〉2009年 がかかっています。
手前の赤いシートの椅子は、
椅子pp503〈ラウンドチェア/ザ・チェア〉1950年
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ケネディ大統領が座っていた写真と共に展示されていた椅子は、
座面が竹で編まれてました(JH501)が、シートが皮のもあるんですね。
うん、何の変哲もないもないように見えて、美しい‥‥!
「これぞ椅子(ザ・チェア)」って呼ばれるのもわかります。

椅子pp701〈ミニマルチェア〉1965年
ヴィーイナ[ウェグナー]が、自邸のダイニングルーム用に設計した
椅子だそう。簡素でスタイリッシュ。
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椅子pp68〈アームチェア〉1987年
ほぞで接合された無垢材からなり、接合部は1トンの牽引力にも
耐えることがテストで証明されているとのこと。
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(こちらの椅子は座れませんでしたが)
椅子pp250〈ヴァレットチェア〉1953年
背もたれはジャケットかけに、座部を開けるとズボンをかけることができ、
シートの下のボックスに、鍵や財布を入れるようになっているそう。
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椅子pp505〈カウホーンチェア〉1952年
背もたれの中央の、2つの木材パーツを接合するほぞが
アクセントになっていますね。
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そしてホールにも撮影コーナーが
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左側の椅子が、ハンス・ヴィーイナ[ウェグナー]
アームチェアNo.513 ヨハネス・ハンセン 1957年

右側の椅子が、ヤコプ・ケーア[ヤコブ・ケア]
チェア キタニ 2015年(デザイン1950年)

この撮影コーナー含め、
ギャラリーⅡ A室が、デンマーク・デザイン展の関連展示として、
株式会社キタニ所蔵の椅子や家具が展示されていました。

株式会社キタニは、北欧名作家具をライセンス生産している会社で、
飛騨高山にフィン・ユール邸を再現建築したそう。
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FJC(フィン・ユール アート・ミュージアムクラブ)のリーフより

FJCのウェブサイト: https://finn-juhl-house-takayama.org/
キタニ: https://www.kitani-g.co.jp/

階段を上がったギャラリーⅡ D室は、
「近代の美濃陶芸1
 明治期の革新」というテーマで、
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前回の「コレクション×キュレーター」展 で、
大きさに驚いた西浦焼の
西浦圓治(五代)《上絵金彩染付四季図大長頸壺》明治時代前期-中期
が、今回はここに展示してありました。(チラシ表面左)

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岐阜県現代陶芸美術館: http://www.cpm-gifu.jp/museum/

「デンマーク・デザイン展」は、
2016年12月23日(金・祝)~2017年2月12日(日) 長崎県美術館
2017年4月28日(金)~6月25日(日) 横須賀美術館
9月9日(土)~11月12日(日) 静岡市美術館
11月23日(木・祝)~12月27日(水)東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館
2018年2月24日(土)~4月8日(日) 山口県立美術館
と、巡回してきて、
4月21日(土)~6月17日(日) 岐阜県現代陶芸美術館
そして、
7月14日(土)~8月26日(日) 群馬県立館林美術館 で、開催されるそうです。

盛り沢山な内容なので、図録も買ってしまいました。2,200円
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--オマケ--
2017年4月7日(金)~5月28日(金) 愛知県美術館で開催された
「フィンランド・デザイン展」のチラシ
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イッタラ カイ・フランク《ティーマ》シリーズ1952年
を使った、鑑賞ガイドの表紙が、いかにもフィンランドってカンジ!
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座ることができた、エーロ・アールニオ 椅子《ボールチェア》1963年
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《ボールチェア》と、
ハッリ・コスキネン 椅子《HK002 ラウンジチェア》2012年
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子どもたちに大人気だった、エーロ・アールニオの
椅子《パピー》や《ミニポニー》などのコーナー
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フィンランド・デザイン展の図録も買ってます。(右)
(デンマーク・デザイン展の図録と並べてみました。)
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