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岐阜県美術館後援会バスツアー(1)「東山魁夷展」 [美術]

9月13日(木)、岐阜県美術館後援会のバスツアーに行ってきました。
後援会バスツアーに参加するのは3回目です。

今まで行ったバスツアー
2005年 金沢21世紀美術館と石川県立美術館、兼六園
岐阜県美術館後援会旅行(金沢21世紀美術館他)
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2005-10-28-1

2012年 大阪市立美術館と国立国際美術館
岐阜県美術館バス旅行(大阪市立美術館「北斎」展)
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-11-16
国立国際美術館「エル・グレコ」展
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-11-17
宮永愛子「なかそら―空中空―」展
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-11-18

バスツアー(県外美術館日帰り研修旅行)は、毎年恒例の企画で、
ちょっと遠めの美術館に行けて、豪華なランチも付いて、
お値打ちなんですけど、パートが休めそうになかったり、
やっぱりバスツアーは鑑賞時間が短いので、
これなら自分で行こうって思ったりして。

今年は、
京都国立近代美術館「生誕110年 東山魁夷展」と、
佐川美術館開館20周年記念「生誕110年 田中一村展」
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とのことで、東山魁夷はともかく、佐川美術館の田中一村展が
見たかったんですよね。佐川美術館はちょっと不便なところにあるし。
で、この2つの美術展のチケット付き、
京都・祇園での豪華な懐石料理も付いて13,500円ってのはオトク!
パートも木曜なら休めそうだとは思ったんですが、実はグズグズ迷ってて、
申込締切直前に「まだ空きありますか?」と。

当日は、7:45にJR岐阜駅北口・十六プラザ前観光バス乗場に集合。
バス1台で、8:00に出発。(しかし、私が最初に参加した2005年はバス3台で、
2回目の2012年はバス2台、だんだん参加人数が減ってるし、高齢化がww)

バスの中では、岐阜県美術館の学芸員さんから、
東山魁夷と田中一村についての解説を聞きました。

東山魁夷と田中一村、画風の全く違う日本画家だが、
二人の共通点は?

どちらも展覧会に「生誕110年記念」ってついているとおり、
同じ1908年生まれ。

そして、東京美術学校日本画科に同じ1926年(大正15年)に入学
同期には、橋本明治・加藤栄三・山田申吾らがいて、
彼らの卒業の昭和6年(1931年)から「花の六年組」と呼ばれたそう。
しかし、田中一村はわずか2か月で退学してしまいます。

また、どちらにも共通の信頼できる友人が、岐阜市に生まれ、
岐阜公園のロープウェー乗場横に「加藤栄三・東一記念美術館」もある
加藤栄三だそう。
東京美術学校の同期生であった東山魁夷と加藤栄三
真面目な東山魁夷と、明るい加藤栄三は、ずっと親友だったそう。

田中一村はすぐに東京美術学校を退学してしまいますが、
加藤栄三は信頼している友人で、自分の作品を加藤栄三に見せて
批評してもらってほしいという手紙が残っているそう。

バスの中では、東山魁夷や加藤栄三が写っている東京美術学校時代の写真が
載っている図録(市川市東山魁夷記念館のものだったと思う)も
回覧で見せてもらいました。岐阜県美術館所蔵の加藤栄三《空》も
展覧会に貸し出されたようです。
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「岐阜県美術館名作50選」より 加藤栄三《空》1958年

などというお話を聞いている間に、休憩の多賀サービスエリアに到着。
再出発して10時20分頃には予定通り京都国立近代美術館に到着。

平安神宮の巨大な大鳥居が見えます。
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京都国立近代美術館の前の看板(?)‥‥帰りに撮影しました。
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この看板(?)、立体になっているんです。
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障壁画の間を通り抜けることができます!
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私、京都国立近代美術館に入るのは初めてです。

京都国立近代美術館「東山魁夷展」チラシ
真ん中で開くようになっている豪華チラシです!
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1階の階段入口でチケットを見せて、階段で3階まで上ると、
「第1章 国民的風景画家」として、
《残照》1947年 や、《道》1950年 といった初期の代表作が並びます。
それぞれの額に展示台が設けられている程の大作

チラシ裏面は《道》がドーンと使われています。
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チラシを開くと
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これだけの東山魁夷の代表作が一度に見られるってのは、
すごく贅沢なんだろうなーと思いつつ‥‥
鑑賞者は結構入ってたけど(バスの中で「混んでないそうです」
って聞いたけど、岐阜県美術館と比べてはいけませんねww)
作品が大きいので、鑑賞には支障ないんですが‥‥
なんか、あまりに絵がキレイすぎるというか‥‥
カレンダーや画集でよく目にするので、見慣れちゃったのか?
途中から飽きちゃった、というと言い過ぎだけど‥‥

なので本画より、かえって京洛四季習作やスケッチの方が
いいなって思ったり。

ここでチラっと時間を見たら、え!?もう時間の半分近く過ぎてる!!
大作ばかりだから、鑑賞にそんなに時間かかってないって思ってたのに!
なので、《唐招提寺御影堂障壁画》は去年豊田市美術館で見たので、
駆け足で通り過ぎて、階段を上がって4階へ。

「第6章 心を写す風景画」も急いで見ましたが、
雪の枝に鳥(鳩?)が一羽だけとまっている《白い朝》1980年
こっちまで、雪の寒さが伝わってくるような絵で、心に沁みました。

絶筆となった《夕星》1999年
画家の眠る墓所から見える風景によく似ているといわれる絵が
最後に展示してありました。

あまりに人気があって、通俗的すぎるんじゃ??なんて
思ってた時もあったけど、これだけの仕事、やっぱりすごいです。

それに、バスの中で学芸員さんから聞いたけど、
それまでの日本画は余白があって、
《道》のように隅々まで絵具が塗られた絵というのは、
当時としては新しかったそう。

東山魁夷展に続いて、コレクション展として、
「水に映る影、水の戯れ」というテーマでの展示がありました。
ちょっと「モネ それからの100年」展 を思い出してしまうような。
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2018-05-25
モネ《春、エプト川の柳》1885年 やルノワール並んでました。

岡田謙三《入江》1973年 って抽象画のようにも見える風景画が
気に入りました。

そして、民藝運動の作家たち、バーナード・リーチや富本憲吉の陶磁器が
展示されていましたが、駆け足で。

「バウハウスへの応答」という企画展もやっていたんですが、
解説とか読む時間もないので、あきらめてエレベータで1階に降りて、
グッズ売場は最初から行かないつもりだったけど、
美術館前の看板を写してバスへ戻りました。

東山魁夷‥‥国民的風景画家って言われてますが、人気ありましたねー。
唐招提寺御影堂障壁画を描く東山魁夷のドキュメンタリーがテレビで
放映されていましたし。

1976年に「現代日本の美術<愛蔵普及版>」全14巻が集英社から出版されて、
第1回配本が、第7巻「東山魁夷」で、
発刊記念特価で、定価1300円のところ980円で売り出されて、
私をはじめ、多くの友人も買いました。(そして私も含めほとんどが、
その後に発行された巻は買ってないですー)
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展覧会のことは覚えてないんですが、
「東山魁夷 第二期 唐招提寺障壁画展―水墨による中国山水―」
図録があるので(表紙が傷んでますが)、私、行ったみたいなんです。
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制作中の画伯の写真
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全国4か所を巡回し、
東京会場 三越美術館 1980年2月26日~3月16日
名古屋会場 オリエンタル中村 栄本店 1980年3月22日~4月2日
大阪会場 三越大阪支店 1980年4月8日~4月20日
神戸会場 大丸神戸店 1980年4月24日~5月6日

‥‥オリエンタル中村!! 懐かしいww 1980年にはまだ存在してたんだ。
1980年10月に名古屋三越になったんですね(Wikiはすごい)

ブログに感想書けてないですが、2017年6月1日(木)に、
豊田市美術館「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」行きました。
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唐招提寺御影堂が現在修理中なので、この障壁画の展覧会、
各地を巡回しているようですね。(それで今は京都国立近代美術館に)

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豊田市美術館の展示室は大きいので、今回より御影堂の再現度(?)が
高かったような印象。豊田市美術館で見ておいてよかったー。
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もちろんスケールの大きな障壁画、迫力ありましたが、
膨大なスケッチや試作がすごいと思いました。

この「生誕110年 東山魁夷展」
京都国立近代美術館で8月29日(水)~10月8日(月・祝)まで開催された後、
東京の国立新美術館へ巡回します。会期は10月24日(水)~12月3日(月)
国立新美術館のチラシ
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京都国立近代美術館: http://www.momak.go.jp/
生誕110年 東山魁夷展特設サイト: http://kaii2018.exhn.jp/
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