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岐阜県現代陶芸美術館「Human and Animal 土に吹き込まれた命 [美術]

5月23日(日)、スペース大原で「天野裕夫 彫刻展」を見た後、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-05-30
岐阜県現代陶芸美術館へ

「Human and Animal
土に吹き込まれた命」という展覧会をやっています。
Human&Animal-(1).jpg

この展覧会、私は岐阜県美術館の後援会員証で
タダで見られるし、多治見まで行くついでに見てくるか、
‥‥なんてカンジで行ったんですよ、
知っている作家は奈良美智だけで、まぁ私は
それほど奈良さんのファンって程でもないと思ってたので。
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しっかし!! この展覧会すっごく良かった!!!
人と動物をモチーフに、土素材で向き合う国内外の5作家が
紹介されています。

展示室最初の作品のみ撮影可
ステファニー・クエール(1982- イギリス )
《Old Boar》2012
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この存在感、重量感!
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動物の生き生きした姿が捉えられているけど、
柔らかな「土」で作られているってことがわかります。

力強い動物のドローイングも展示されていました。



ベス・カヴェナー(1972- アメリカ )
《シャドーパートナー》2018
鉄のロープに絡まった白いウサギは訴えかけるような目が
なんかセクシー。作品とても大きい!
制作の様子(別の作品でしたが)が映像で見られて
興味深かったです。土を削ったり、乾かないように
シートをかぶせたり‥‥手間かかるんですね。



キム・シモンソン(1974- フィンランド)
村上隆の彫刻に刺激を受けて陶の人物像を作り始めたという
キム・シモンソン。漫画チックな少女像や、
金属のような質感の《ゴースト・ドッグ》2008 には、
ちょっと私の趣味と違うかな‥‥と見たけど、
緑のナイロン・ファイバーを用いて苔のような質感の
近年のモス・ピープル・シリーズがよかった。
森のパネル写真の前に置かれた緑の少女たちは、
ミステリアスで、童話の世界から出てきたみたい。



スーザン・ホールズ(1966- イギリス)
動物の形はリアルだけど、“うつわ”というか、
内部が空洞になった“やきもの”ってカンジがします。



最後が奈良美智(1958 )
部屋全体が作品だという
《誰もいない土曜日の創作室(あなたはいるけど)》2007-2021

すごく良かった!! 黒板のある教室のような部屋、
教壇のような木製ステージに上がるとギシギシと懐かしい音がします。
(一度に3名までって注意があったけど、ずっと独り占めで鑑賞できました)
棚には奈良さんの陶芸作品が並んでて、
タライ(?)のような上に置かれている作業台には、
大きな少女の頭部作品が載ってました。
今にも奈良さんが戻って制作しそうな雰囲気で良かった。

写真撮影禁止だったけど、この展示空間を記録した写真が欲しい!!

この展覧会良かったし、奈良さん以外のアーティストのこと
何も知らなかったので、図録買ったんですよ。2,400円
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でも、奈良美智のページには、部屋の写真はなくて残念。
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‥‥そうしたら、5月30日(日)の日曜美術館アートシーンで、
この展覧会が紹介されてて、それだけでも嬉しかったのに、
奈良さんの展示室が映ってるではありませんか!!!
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そして、この作業台に載ってた少女の頭部作品、
奈良さんが展示作業の時に会場で急きょ作ったものなんだそうですね!
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中日新聞5月29日(土)夕刊の記事
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奈良美智の展示室も素敵だったし、
他の4名のアーティストたちを知ることができてとても良かった!

この展覧会、岐阜県現代陶芸美術館で6月20日(日)まで、
その後、
滋賀県立陶芸の森陶芸館で、
Part1が 6月29日(火)~9月5日(日)
Part2が 9月18日(土)~12月19日(日)

岩手県立美術館で
2022年5月28日(土)~7月3日(日) に開催予定


続いて、ギャラリーⅡのコレクション展
最初の部屋が「やきもののデザイン:アイデアのありか

陶芸美術館っていうと、作家の手作り作品を展示してる
イメージだけど、岐阜県現代陶芸美術館はそれらの作品に加え、
量産や商品としての流通を想定した「実用陶磁器」や
「産業陶磁器」も収集しています。

そんなコレクションの中から、戦後日本の実用陶磁器を
デザインの視点から紹介しています。

森正洋デザインの《無印良品の器》や、
森正洋デザイン・白山陶器株式会社《H型シリーズ》

手作りによる良質の日常食器を廉価で制作することを目的として
山田光や八木一夫らが設立した「門工房」の
《千点紋食器一式》1962年 が、シンプルだけどとてもいいなって見た。
この千点紋、「歯車の歯に黒の顔料を付け、轆轤と歯車の回転を利用して紋様を施す」ことでつけられているんだそう。
(岐阜県現代陶芸美術館 収蔵品データベース
 http://jmapps.ne.jp/momca/det.html?data_id=589 より)


階段を上がった展示室Bでは「コレクション・ハイライト

この美術館の目玉(?)である
富本憲吉《色絵金銀彩四弁花模様飾壺》1960年
をはじめ、

八木一夫《頁1》1971年、
エミール・ガレ《木の実に蜻蛉図皿》1880年代後半
初代宮川香山《浮彫蓮子白鷺翡翠図花瓶》明治時代前期
など、おなじみ(?)の作品が並んでます。

深い藍色の釉薬が流れて吸い込まれるような
三代 徳田八十吉の《耀彩輪華文鉢》1999年 が気に入りました。


そして、最後の展示室Cは、新収蔵作品(購入7点、寄贈7点)が
展示され、撮影可!

加藤安吾郎《上絵金彩波濤雲鶴図花器》明治中期
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成瀬誠志《上絵金彩人物図花瓶》19世紀後期-20世紀前期
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絵の上に蜂の巣のような網目模様がついているのが面白いなって。
細かい模様や金彩が明治の超絶技巧ってカンジ。

小出ナオキ《cloud (theater)》2011年
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この大きな作品、陶なんだ!
家族のような雲の中のステージに、オオカミやヒツジ、
ドクロもあったり、ライトもついていたり、楽しい。

そして、さっきスペース大原で見てきた天野裕夫の
陶作品が! ここのコレクションに加わったんですね!
(1つが購入で、1つが寄贈だと)
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《バベルガエル》2019年
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《背美鯨》2013年
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川端健太郎《女「スプーン」》2018年
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「女」ってタイトルから、ちょっとエロティックに見えてしまうのは、
私だけ? お耽美だけど、微妙に私の趣味と違うかな‥‥でも
面白い作品だなって。


セーブル(デザイン:ジャック=エミール・リュールマン)
《リュールマン カップ&ソーサー》
2009年(1926/33年デザイン)
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あ、このカップ素敵!
アール・デコのスッキリしたデザインですよね。
まぁ、実際に使うには持ち手が使いにくそうだし、
不安定そうで、飲み物をこぼしそうな気はするけど。


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岐阜県現代陶芸美術館: https://www.cpm-gifu.jp/museum/

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