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御園座「坂東玉三郎 特別公演」阿古屋

10月17日(日)、何十年ぶりかで歌舞伎を見ました。
御園座「坂東玉三郎 特別公演」
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「チケットぴあ」の抽選販売のメールで知って、
玉さまが名古屋で? 阿古屋ですって?!と、
申し込みをしたら、第3希望まで出したけど、第一希望で
用意できたって、それも2列目の席だったので、
わー、いい席が当たったわって喜んでたら、
1列目はコロナ感染予防対策のために使われてなかったので、
事実上の最前列!! まぁ、わりと上手側だったので、
玉さまを斜め横から見る角度になったんですが、
それでも舞台ならではの臨場感、迫力、良かったー。

せっかくの御園座ですから、気合を入れて(?)着物で!
(そうでないと着ていくものがジーパンくらいしかない)
着物を着ている方、結構多かったです。
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(鏡に映ったものを撮ってます)

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御園座 1896年(明治30年)に開場した名古屋の劇場。
2013年に建て替えのために閉館。2018年4月に上層階が分譲マンションに
なっているグランドメゾン御園座タワーとして再開場しました。
もちろん私、建て替えられてから行くのは初めてです。
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チケットと一緒に、コロナ感染者が出た場合に備えて
連絡先を記入したカードを提出します。
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緞帳が杉本健吉デザインの飛天
10月末で閉館する杉本美術館へ、最後にもう一度と、
10月3日(日)に行ってきたんですが、この緞帳の原画も展示されてました。
(私の席からだと緞帳全体の写真が撮れないー)
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最初の口上では、緞帳があがると、
金屏風に四季の花々が描かれた金屏風がめぐらされた中、
玉三郎と中村橋之助、福之助、歌之助の3兄弟
(中村芝翫の長男・次男・三男)の挨拶があり、
福之助さんが名古屋めしのあんかけスパゲティが好きだって
話にあちこちから笑いが。
そして、玉三郎さんが三着の衣装を紹介してくださいました。
打掛をはおって背を見せて立たれると(こういうのも見得って言うのかな?)
会場内から、どよめきのような拍手が。
高下駄で歩いたり、三番目に紹介された能の演目で使われる衣装は、
京都の古い家に伝わった装束を作り直したものだとか(うろ覚えです)
金糸銀糸が豪華。それを能の衿を開けた着方で纏って立たれると、
能のピシっとした雰囲気が伝わってきました。

20分の休憩の後、
壇浦兜軍記の阿古屋

女形の大役とされる遊君阿古屋はもちろん玉三郎ですが、
配役が日によって違い、17日(日)は、

秩父庄司重忠 福之助
岩永左衛門致連 橋之助
榛沢六郎成清 歌之助 でした。

とにかく阿古屋の衣装が豪華です!
伊達兵庫の鬘に多くのかんざし。垂らされた銀の飾りがキラキラと輝きます。
孔雀と桜の豪華な俎板帯を締めた阿古屋が
捕手に囲まれて花道を出てくる姿!! 素敵!!!!

重忠は白塗りの端正な役。対して、

岩永左衛門は赤っ面(これ、目の玉も描いてる?)で、
人形振りで演じられ、眉毛がクルクルと回るのがユーモラス!

これは人形浄瑠璃からの演目なんですね。
途中でピョンピョンはねるように登場する竹田奴たちも
人形をイメージした動きで面白い。目を描いてるー!

舞台の浄瑠璃と三味線の人が感染対策で黒いマスク(?)を
つけていらしたんですが、意外と格好良かった。

女形の大役と言われるように、舞台上で、豪華な衣装をつけて、
琴、三味線、胡弓を演奏しなくてはならないので、至難の役
だということはわかります。平成9年(1997)に玉三郎が演じる前は、
六世中村歌右衛門が昭和28年(1953)から昭和61年(1986)まで
12回演じています。(プログラムの解説を参照しました)

阿古屋を見るのは初めてだったんですが、
豪華な衣装といい、演奏といい、人形振りといい、
面白かった!! 良かったー!!

15分の休憩の後、
石橋(しゃっきょう)

金屏風に水墨で岩山が描かれ、長唄連中が二段に並んで
演奏する(感染対策の黒いマスク、なかなかカッコイイです)中、
緑の台に乗った獅子の精たちがせりあがってきます。

真ん中に白い毛、両側に赤い毛の獅子の精。

中村橋之助、福之助、歌之助の3兄弟の舞
長い毛を豪快に振ります。いかにも歌舞伎ってイメージ。
私は舞はよくわからないけど、なんか若々しくていいなって。

終演後は、混雑を避けるために、座席列で別れての
退場となっていました。

プログラム1,800円 カラー写真が多くて、
演目の紹介だけでなく、玉三郎の阿古屋に対する思いなど、
とてもわかりやすくて大満足です。
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そして、つい買ってしまったのが、
ポストカード300円と、
桜姫東文章のクリアファイル1,000円
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今年4月と6月に「桜姫東文章」を、36年ぶりに
仁左衛門と上演したって話題になってましたね。
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このクリアファイルに使われている写真は、
昭和57年(1982年)2月南座公演に向け撮影されたもの(撮影/大倉舜二)


私、1981年3月に歌舞伎座で上演された「桜姫東文章」を
見てるんですが、一緒に見に行った友人と(劇場にはたいてい一人で
行くんですが、この時は珍しく2人で行ったんです)
ヘアヌード(当時話題となってた)なんかよりよっぽど興奮するねって(=^▽^=)

その時の配役は、釣鐘権助は片岡孝夫(仁左衛門)でしたが、
清玄は海老蔵でした。
(海老蔵‥‥その後、市川團十郎を襲名し、2013年に死去(T.T)

そして今年9月には、仁左衛門と玉三郎の「東海道四谷怪談」が
38年ぶりに上演ってことで、こちらも話題でしたが、
私、38年前の1983年6月、歌舞伎座での東海道四谷怪談見てます!
陰惨な怪談話の中に、せっかくの孝玉コンビだからって、
美しい夢の場があってよかった。
お岩さんの産後のやつれと生活苦、そして
夫の伊右衛門に裏切られる哀れさが伝わってきました。

玉三郎と片岡孝夫は孝玉コンビって大人気でしたね。
私も、歌舞伎ファンというより、玉三郎ファン、
孝玉コンピファンなんですけど。

1983年3月の歌舞伎座での「助六」
見に行けなくて残念だったけど、テレビで見ました。
「演劇界」1983年4月号表紙
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「演劇界」1983年4月号より、玉三郎の揚巻
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大学を卒業する頃から、就職して結婚するまでの
独身貴族時代は結構あちこちの劇場行ってます。

まだ卒業前の東京にいた頃に見に行ったこの舞台、
当時の若手花形が出て、とても良かった!
1980年1月24日 浅草公会堂 寿初春花形歌舞伎
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「鳴神」吉右衛門の鳴神上人と、玉三郎の雲の絶間姫
「鷺娘」玉三郎の鷺娘
「供奴」勘九郎(2005年に中村勘三郎を襲名、2012年死去)の供奴
「雪暮夜入谷畦道」吉右衛門の直侍と、玉三郎の三千歳、勘九郎の暗闇の丑松
直侍と三千歳のラブシーンがすごく美しかった!
玉さまがしんみり語ると、こめかみあたりの髪がはらりとほつれる場面、
ぞくっとしました。

名古屋にはその頃、御園座、中日劇場、名鉄ホールがあって、
歌舞伎や新派、ミュージカルなど、いろいろやってましたね。
‥‥今は御園座だけになっちゃいました。

1980年4月13日 中日劇場で見た「新派陽春公演」夜の部
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玉さまが「日本橋」のお孝で出てて、妹分の芸子を自分に見立て、
自分が恋しい男のつもりになって「お孝、たんと我儘を言え」
って場面(41年前のことなのでうろ覚えだけど)ぞくぞくしました。

1980年7月27日 中日劇場「椿姫」
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結婚後は、歌舞伎も劇場もすっかりご無沙汰してしまいましたが、
1993年6月 博物館明治村にある呉服座(くれはざ)で、
玉三郎の舞踊公演があるってことで行ったことがあります。
古い芝居小屋の雰囲気がとても素敵でした。

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中日新聞2021年10月14日(木)の記事
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