高浜市やきものの里かわら美術館「ダ・ヴィンチ夢の実験」展 [美術]
うーん、ブログに書きたい展覧会とかいっぱいあるんですけどー
どの展覧会にしようかな‥‥
6月23日(木)に行ってきた、
高浜市やきものの里かわら美術館
「東京造形大学 レオナルド・ダ・ヴィンチ再現プロジェクト
ダ・ヴィンチ没後500年『夢の実現』展
―ダ・ヴィンチがよみがえって高浜市にやってきます―」のことを。
レオナルド・ダ・ヴィンチ、知らない人はいないでしょう
ルネサンスを代表する画家というだけでなく、
建築や科学などにも才能を発揮した巨人!
ですが、
レオナルド・ダ・ヴィンチは「最後の晩餐」や「ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)」という、世界で最も知られた絵画を描いた画家の一人です。しかし67年の生涯で残した現存絵画は16点ほど。その多くは未完成や欠損しており、完全な姿で残っている完成品はわずか4点しかありません。
没後500年にあたる2019年には、彼が実現できなかった夢を500年後の現在の技術で実現したいという願いから、ダ・ヴィンチ研究で知られる東京造形大学 池上英洋教授らの指導のもと、学生や卒業生約100名が参加した復元プロジェクトがはじまりました。
高浜市やきものの里かわら美術館HPより
http://www.takahama-kawara-museum.com/exhibition/detail.php?id=356
チラシに使われている《ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)》
右半分が、現在のモナリザ
左が本来こうであったろうという復元
チラシを開くと
現在のモナリザに見られる無数のひび割れがなく、
(ただ、制作に何年もかかっており、レオナルドの死亡時には
すでにひび割れが始まったと考えられるため、
完全には除去していないとのこと)
背景が青々としています。(黄変したニスを除去)
「モナリザ」に描かれているは誰か? ってことに、
かわら美術館の1階シアターで上映されていた動画で
解説されていました。(あくまでも一説であるとのことですが)
最初はフィレンツェの商人の妻、リザ夫人を描いたものだったが、
何かしらの理由で契約破棄となり、その後、レオナルドが
自分なりに描き変えていったのであろうと。
売ることを目的とせずにこれほど描き込んだとすれば、
それはレオナルドが美術史上初ではないか。
趣味的に絵を描くのはかなり近代的な行為だと。
リザ夫人に似せる必要もなくなったので、
レオナルドの実母の面影が反映されていったのではないかと。
両親が正式な結婚をしなかったため、レオナルドは幼くして
実母と生き別れになったが、隣村の職人に嫁いだ母とは
しばしば顔を合わせていた。そしてレオナルド41歳の時、
ミラノにいた彼のもとへ身寄りをなくした母が訪ねて来て、
彼女が亡くなるまでの数ヵ月、一緒に過ごしたらしいと。
よくモナリザはレオナルドの自画像に似ていると言われるが、
実母であるならそれも当然だと。
この展覧会、写真撮影可です!
展示されていたモナリザの復元
モナリザの左手は椅子のひじ掛けにのせてるんだ。
高浜市やきものの里かわら美術館に来るのは、
これで5回目。前回は、昨年9月の
かわら美術館「ボン・ヴォヤージュ!」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-09-30
名鉄三河線「高浜港」駅下車
駅前の案内
「鬼みち」を通って、徒歩約10分
平日のせいか、館内は閑散としていまして‥‥
1階のショップでチケットを購入。800円
展示は2階の企画展示室で
復元された《最後の晩餐》が!
シートに印刷(?)されているので、ちょっとシワが気になるけど、
この大きさ! (原寸大?) 迫力です。
イエスの足元も、レオナルドの弟子たちが模写した作品を参考に
復元したとのこと。
テーブルにはコップに入ったワインに、パン、魚料理もある!
結構豪華な晩餐ではないですか!!
チケットを提示して展示会場に入ると、
最初にフィレンツェ時代の、レオナルドの実質的なデビュー作、
《受胎告知》
彼が完成させた作品のうち、壁画の《最後の晩餐》を除き、
最大のサイズ。この作品の保存状態は良好なので、
復元は、若干の色落ちを補うのにとどめたとのこと。
《カーネーションの聖母》
初期の、ヴェロッキオ工房の同僚の手も入っているのでは
ないかとみられる絵。こまかな剥落と退色を復元。
《ブノワの聖母》
絵を注文した商家の妻子を工房に呼んでスケッチし、
聖母子のモデルとしたと考えられる。もしそうなら、
聖なる存在である聖母子を、実在の親子をモデルに描いた
ことがわかる最初期の例となる。
《聖ヒエロニムス》
下絵がほば完成していながら、未着色で放置された作品。
同時代のフィレンツェの画家たちの作品を参考に復元。
リアルなライオンは、メディチ家が作っていたとされる
私的な動物園のおかげだろうと。
アクリル板に展示されているのは、
《ジネヴラ・デ・ベンチ》
この作品、オリジナルの右端と下部に切断痕がある。
おそらく水浸しになったかなにかの理由で、のちの所有者が
切断したのだろう。切断部分には何が描かれていたか?
同じモデルを彫ったと考えられる、師ヴェロッキオの
大理石肖像のポーズや、レオナルドが描いた手のデッサンから
復元したもの。
この作品は裏面にも絵(?)が描かれていて、
注文主と考えられるヴェネツィア大使
ベルナルド・ベンボーザのインプレ―ザ(標章)に
酷似していることから推測されて復元されています。
裏面の復元は世界で初めての試みとのこと。
《聖アンナと聖母子》
岐阜市歴史博物館「レオナルド×ミケランジェロ展」で、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2017-10-09
この絵を模写したというウフィツィ美術館所蔵の作品が
展示されていました。当時から評判だったんでしょうね。
《東方三博士(マギ)の礼拝》
1481年7月にサン・ドナート・ア・スコペート修道院との
間で結ばれた注文契約があり、下絵をしっかりと描き込んだが、
支払い方法か主題解釈で揉めて中断されたままになった絵。
同修道院にはその後、フィリッピーノ・リッピが代替作を納品。
構図の類似性などから本作を参考にしたことは確実なので、
リッピ作での色彩を参考に復元。
‥‥背景の階段だけになった建物が不思議な存在感。
《スフォルツァ騎馬像》
レオナルドがミラノで取り組んだ史上最大の騎馬像計画。
原寸大の塑像模型も大々的に公開された。
しかし、鋳造の一歩手前でフランス軍がミラノに侵入。
騎馬像のために集められていた70トン以上もの青銅は、
すぐさま大砲の鋳造用に(T.T)
レオナルドによる初期構想スケッチに基づく縮小復元ブロンズ像。
彼がやりたかった馬の両前脚をあげるポーズに挑戦してみたと。
レオナルドが絵画だけでなく、機械の発明などもしたことは
よく知られていますね。
彼が考案した機械の模型と、それらがどう動いたのか、
CGアニメーションでわかりやすく説明されていました。
軍事技術者として雇われていたこともあるレオナルド。
投石器
古代から存在する攻城用投石器を独自に発展させたもの
左、マルチキャノンシップ
CGアニメで動く様子がすごくカッコよかった! けど、
当時実現させるにはあまりにコストがかかりすぎたと。
右、太鼓自動演奏車
人力か馬で車を曳くと、オルゴールと似た仕組みで
大太鼓が連打される。主として戦場で敵の馬を驚かせるためのもの。
旋回橋
距離計測車
一定距離進むと小石が1個ずつ箱に落ちる仕掛けによって、
レオナルドはそれまでにないほど正確な地図を作製している。
あらためてレオナルドの多彩ぶりに驚いたのが、この
《大墳墓計画》
ピラミッドみたい!
《集中式聖堂》
壮麗だけど、採光用のバラ窓の手前に小さな塔があるので、
遮光してしまうなどの欠点もあると。
両側の壁に向かい合って展示されていた
《岩窟の聖母》第一ヴァージョン、パリ版 と、
《岩窟の聖母》第二ヴァージョン、ロンドン版
うーん、ロンドン、ナショナル・ギャラリーの
《岩窟の聖母》なんか暗いなぁ‥‥
その真ん中に、世界で最も知られた絵画作品
《ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)》が
続く部屋(通路?)に、
《ラ・ベル・フェロニエール》
《白貂を抱く貴婦人》
《糸巻きの聖母 ランズダウン版》
この絵、2016年にレオナルド・ダ・ヴィンチの展覧会があった時に、
目玉として来日した絵?(私は見に行ってないけど)って解説読むと、
この絵が制作された頃、レオナルドは数学などの研究に没頭していて、
一枚の絵をすべてひとりで描く意欲を失っており、弟子たちに
描かせている絵に時おり手を入れる程度だったとかで、
《糸巻きの聖母》は、数十点の派生作品が残っているとのこと。
その中で、ランズダウン版と、バクルー版がレオナルドの特徴を
最もよく備えるとされていた。この2作品の下絵(赤外線撮影によって
見ることができる)は同じなので、この下絵と、それを採用したことが
確実な数点の派生作品をもとに、3人の人物が描かれている背景を
採用したとのこと。
ちなみに2016年1月16日(土)~4月10日(日)に
江戸東京博物館で開催された
「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の挑戦」で展示された
《糸巻きの聖母》は、バクルー版でした。
Wikipedia「糸車の聖母」に、バクルー版、ランズダウン版をはじめ
派生作品や模写の画像があります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%B8%E8%BB%8A%E3%81%AE%E8%81%96%E6%AF%8D
そして、ホールに原寸大で展示されていた《最後の晩餐》
ここには、小さなサイズですが、絵の全体が復元されたものが
展示されていました。
部屋にかかっているタペストリーの華やかなこと!
左右の部屋の入口の高さが違う?
この部屋の正確な形とサイズを算出すると、
奇妙に奥行が長いとか、人物の身長は約3メートルにもなるとか?
《サルヴァトール・ムンディ》
2017年10月、ニューヨークのクリスティーズで開かれた
オークションで、史上最高額となる508億円で落札されて話題となりましたね。
えー? これが?? 今頃発見された?? って思ったら、
存在自体は古くから知られていたとのこと。
《洗礼者ヨハネ》
レオナルドの遺作にあたり、《ラ・ジョコンダ》と
《聖アンナと聖母子》とともに、最後までレオナルドのアトリエに
あった作品。中性的な体つきをしたヨハネは、
こちらを誘惑するような謎めいた笑みを浮かべています。
レオナルドの手稿やスケッチ(全てレプリカ)も、
いくつか展示されていました。
面白かったです!
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵を見られる機会なんて滅多にないけど
(1974年にモナリザが日本に来たなんて奇跡ですよねー。
151万人を動員し、以来、単館企画展の入場者数世界記録と
なっているそう。私は見に行ってませんが)
復元やレプリカとはいえ、こうやって彼の絵画を一堂に見ることができて、
あらためて、万能人と称されたレオナルドの偉大さを感じることができました。
ショップで、この展覧会の公式ガイド本を購入。1,980円(1,800円+税)
斎藤吾朗の絵を使ったハンカチがあったので購入。1,320円(税込)
パリの広場に画家たちがひしめいています!
この画家は誰だ? って見飽きないですね。
愛知県美術館に《描けば描くほど》って、多くの画家が代表作を
持ってひしめいている絵があって、すごいなーって見飽きなかった。
赤が毒々しい、強烈な色使いと、ものすごい描き込み、
とても個性的な画家ですね。
斎藤吾朗は1973年12月から1974年1月にかけて、
ルーブル美術館の「モナ・リザ」を模写してます。
本展監修者の池上英洋と、斎藤吾朗とのスペシャル対談が
美術館の公式YouTubeで公開されています。
https://youtu.be/2VY3svZhlaY
高浜市やきものの里かわら美術館: http://www.takahama-kawara-museum.com/
※月曜と火曜が休館日なので気をつけてください。
高浜市やきものの里かわら美術館
2022年春の展覧会ダ・ヴィンチ没後500年「夢の実現」展/予告動画#1
予告動画#2: https://youtu.be/n0To5etGi10
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どの展覧会にしようかな‥‥
6月23日(木)に行ってきた、
高浜市やきものの里かわら美術館
「東京造形大学 レオナルド・ダ・ヴィンチ再現プロジェクト
ダ・ヴィンチ没後500年『夢の実現』展
―ダ・ヴィンチがよみがえって高浜市にやってきます―」のことを。
レオナルド・ダ・ヴィンチ、知らない人はいないでしょう
ルネサンスを代表する画家というだけでなく、
建築や科学などにも才能を発揮した巨人!
ですが、
レオナルド・ダ・ヴィンチは「最後の晩餐」や「ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)」という、世界で最も知られた絵画を描いた画家の一人です。しかし67年の生涯で残した現存絵画は16点ほど。その多くは未完成や欠損しており、完全な姿で残っている完成品はわずか4点しかありません。
没後500年にあたる2019年には、彼が実現できなかった夢を500年後の現在の技術で実現したいという願いから、ダ・ヴィンチ研究で知られる東京造形大学 池上英洋教授らの指導のもと、学生や卒業生約100名が参加した復元プロジェクトがはじまりました。
高浜市やきものの里かわら美術館HPより
http://www.takahama-kawara-museum.com/exhibition/detail.php?id=356
チラシに使われている《ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)》
右半分が、現在のモナリザ
左が本来こうであったろうという復元
チラシを開くと
現在のモナリザに見られる無数のひび割れがなく、
(ただ、制作に何年もかかっており、レオナルドの死亡時には
すでにひび割れが始まったと考えられるため、
完全には除去していないとのこと)
背景が青々としています。(黄変したニスを除去)
「モナリザ」に描かれているは誰か? ってことに、
かわら美術館の1階シアターで上映されていた動画で
解説されていました。(あくまでも一説であるとのことですが)
最初はフィレンツェの商人の妻、リザ夫人を描いたものだったが、
何かしらの理由で契約破棄となり、その後、レオナルドが
自分なりに描き変えていったのであろうと。
売ることを目的とせずにこれほど描き込んだとすれば、
それはレオナルドが美術史上初ではないか。
趣味的に絵を描くのはかなり近代的な行為だと。
リザ夫人に似せる必要もなくなったので、
レオナルドの実母の面影が反映されていったのではないかと。
両親が正式な結婚をしなかったため、レオナルドは幼くして
実母と生き別れになったが、隣村の職人に嫁いだ母とは
しばしば顔を合わせていた。そしてレオナルド41歳の時、
ミラノにいた彼のもとへ身寄りをなくした母が訪ねて来て、
彼女が亡くなるまでの数ヵ月、一緒に過ごしたらしいと。
よくモナリザはレオナルドの自画像に似ていると言われるが、
実母であるならそれも当然だと。
この展覧会、写真撮影可です!
展示されていたモナリザの復元
モナリザの左手は椅子のひじ掛けにのせてるんだ。
高浜市やきものの里かわら美術館に来るのは、
これで5回目。前回は、昨年9月の
かわら美術館「ボン・ヴォヤージュ!」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-09-30
名鉄三河線「高浜港」駅下車
駅前の案内
「鬼みち」を通って、徒歩約10分
平日のせいか、館内は閑散としていまして‥‥
1階のショップでチケットを購入。800円
展示は2階の企画展示室で
復元された《最後の晩餐》が!
シートに印刷(?)されているので、ちょっとシワが気になるけど、
この大きさ! (原寸大?) 迫力です。
イエスの足元も、レオナルドの弟子たちが模写した作品を参考に
復元したとのこと。
テーブルにはコップに入ったワインに、パン、魚料理もある!
結構豪華な晩餐ではないですか!!
チケットを提示して展示会場に入ると、
最初にフィレンツェ時代の、レオナルドの実質的なデビュー作、
《受胎告知》
彼が完成させた作品のうち、壁画の《最後の晩餐》を除き、
最大のサイズ。この作品の保存状態は良好なので、
復元は、若干の色落ちを補うのにとどめたとのこと。
《カーネーションの聖母》
初期の、ヴェロッキオ工房の同僚の手も入っているのでは
ないかとみられる絵。こまかな剥落と退色を復元。
《ブノワの聖母》
絵を注文した商家の妻子を工房に呼んでスケッチし、
聖母子のモデルとしたと考えられる。もしそうなら、
聖なる存在である聖母子を、実在の親子をモデルに描いた
ことがわかる最初期の例となる。
《聖ヒエロニムス》
下絵がほば完成していながら、未着色で放置された作品。
同時代のフィレンツェの画家たちの作品を参考に復元。
リアルなライオンは、メディチ家が作っていたとされる
私的な動物園のおかげだろうと。
アクリル板に展示されているのは、
《ジネヴラ・デ・ベンチ》
この作品、オリジナルの右端と下部に切断痕がある。
おそらく水浸しになったかなにかの理由で、のちの所有者が
切断したのだろう。切断部分には何が描かれていたか?
同じモデルを彫ったと考えられる、師ヴェロッキオの
大理石肖像のポーズや、レオナルドが描いた手のデッサンから
復元したもの。
この作品は裏面にも絵(?)が描かれていて、
注文主と考えられるヴェネツィア大使
ベルナルド・ベンボーザのインプレ―ザ(標章)に
酷似していることから推測されて復元されています。
裏面の復元は世界で初めての試みとのこと。
《聖アンナと聖母子》
岐阜市歴史博物館「レオナルド×ミケランジェロ展」で、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2017-10-09
この絵を模写したというウフィツィ美術館所蔵の作品が
展示されていました。当時から評判だったんでしょうね。
《東方三博士(マギ)の礼拝》
1481年7月にサン・ドナート・ア・スコペート修道院との
間で結ばれた注文契約があり、下絵をしっかりと描き込んだが、
支払い方法か主題解釈で揉めて中断されたままになった絵。
同修道院にはその後、フィリッピーノ・リッピが代替作を納品。
構図の類似性などから本作を参考にしたことは確実なので、
リッピ作での色彩を参考に復元。
‥‥背景の階段だけになった建物が不思議な存在感。
《スフォルツァ騎馬像》
レオナルドがミラノで取り組んだ史上最大の騎馬像計画。
原寸大の塑像模型も大々的に公開された。
しかし、鋳造の一歩手前でフランス軍がミラノに侵入。
騎馬像のために集められていた70トン以上もの青銅は、
すぐさま大砲の鋳造用に(T.T)
レオナルドによる初期構想スケッチに基づく縮小復元ブロンズ像。
彼がやりたかった馬の両前脚をあげるポーズに挑戦してみたと。
レオナルドが絵画だけでなく、機械の発明などもしたことは
よく知られていますね。
彼が考案した機械の模型と、それらがどう動いたのか、
CGアニメーションでわかりやすく説明されていました。
軍事技術者として雇われていたこともあるレオナルド。
投石器
古代から存在する攻城用投石器を独自に発展させたもの
左、マルチキャノンシップ
CGアニメで動く様子がすごくカッコよかった! けど、
当時実現させるにはあまりにコストがかかりすぎたと。
右、太鼓自動演奏車
人力か馬で車を曳くと、オルゴールと似た仕組みで
大太鼓が連打される。主として戦場で敵の馬を驚かせるためのもの。
旋回橋
距離計測車
一定距離進むと小石が1個ずつ箱に落ちる仕掛けによって、
レオナルドはそれまでにないほど正確な地図を作製している。
あらためてレオナルドの多彩ぶりに驚いたのが、この
《大墳墓計画》
ピラミッドみたい!
《集中式聖堂》
壮麗だけど、採光用のバラ窓の手前に小さな塔があるので、
遮光してしまうなどの欠点もあると。
両側の壁に向かい合って展示されていた
《岩窟の聖母》第一ヴァージョン、パリ版 と、
《岩窟の聖母》第二ヴァージョン、ロンドン版
うーん、ロンドン、ナショナル・ギャラリーの
《岩窟の聖母》なんか暗いなぁ‥‥
その真ん中に、世界で最も知られた絵画作品
《ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)》が
続く部屋(通路?)に、
《ラ・ベル・フェロニエール》
《白貂を抱く貴婦人》
《糸巻きの聖母 ランズダウン版》
この絵、2016年にレオナルド・ダ・ヴィンチの展覧会があった時に、
目玉として来日した絵?(私は見に行ってないけど)って解説読むと、
この絵が制作された頃、レオナルドは数学などの研究に没頭していて、
一枚の絵をすべてひとりで描く意欲を失っており、弟子たちに
描かせている絵に時おり手を入れる程度だったとかで、
《糸巻きの聖母》は、数十点の派生作品が残っているとのこと。
その中で、ランズダウン版と、バクルー版がレオナルドの特徴を
最もよく備えるとされていた。この2作品の下絵(赤外線撮影によって
見ることができる)は同じなので、この下絵と、それを採用したことが
確実な数点の派生作品をもとに、3人の人物が描かれている背景を
採用したとのこと。
ちなみに2016年1月16日(土)~4月10日(日)に
江戸東京博物館で開催された
「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の挑戦」で展示された
《糸巻きの聖母》は、バクルー版でした。
Wikipedia「糸車の聖母」に、バクルー版、ランズダウン版をはじめ
派生作品や模写の画像があります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%B8%E8%BB%8A%E3%81%AE%E8%81%96%E6%AF%8D
そして、ホールに原寸大で展示されていた《最後の晩餐》
ここには、小さなサイズですが、絵の全体が復元されたものが
展示されていました。
部屋にかかっているタペストリーの華やかなこと!
左右の部屋の入口の高さが違う?
この部屋の正確な形とサイズを算出すると、
奇妙に奥行が長いとか、人物の身長は約3メートルにもなるとか?
《サルヴァトール・ムンディ》
2017年10月、ニューヨークのクリスティーズで開かれた
オークションで、史上最高額となる508億円で落札されて話題となりましたね。
えー? これが?? 今頃発見された?? って思ったら、
存在自体は古くから知られていたとのこと。
《洗礼者ヨハネ》
レオナルドの遺作にあたり、《ラ・ジョコンダ》と
《聖アンナと聖母子》とともに、最後までレオナルドのアトリエに
あった作品。中性的な体つきをしたヨハネは、
こちらを誘惑するような謎めいた笑みを浮かべています。
レオナルドの手稿やスケッチ(全てレプリカ)も、
いくつか展示されていました。
面白かったです!
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵を見られる機会なんて滅多にないけど
(1974年にモナリザが日本に来たなんて奇跡ですよねー。
151万人を動員し、以来、単館企画展の入場者数世界記録と
なっているそう。私は見に行ってませんが)
復元やレプリカとはいえ、こうやって彼の絵画を一堂に見ることができて、
あらためて、万能人と称されたレオナルドの偉大さを感じることができました。
ショップで、この展覧会の公式ガイド本を購入。1,980円(1,800円+税)
斎藤吾朗の絵を使ったハンカチがあったので購入。1,320円(税込)
パリの広場に画家たちがひしめいています!
この画家は誰だ? って見飽きないですね。
愛知県美術館に《描けば描くほど》って、多くの画家が代表作を
持ってひしめいている絵があって、すごいなーって見飽きなかった。
赤が毒々しい、強烈な色使いと、ものすごい描き込み、
とても個性的な画家ですね。
斎藤吾朗は1973年12月から1974年1月にかけて、
ルーブル美術館の「モナ・リザ」を模写してます。
本展監修者の池上英洋と、斎藤吾朗とのスペシャル対談が
美術館の公式YouTubeで公開されています。
https://youtu.be/2VY3svZhlaY
高浜市やきものの里かわら美術館: http://www.takahama-kawara-museum.com/
※月曜と火曜が休館日なので気をつけてください。
高浜市やきものの里かわら美術館
2022年春の展覧会ダ・ヴィンチ没後500年「夢の実現」展/予告動画#1
予告動画#2: https://youtu.be/n0To5etGi10
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