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国立新美術館「ルーヴル美術館展 愛を描く」 [美術]

4月10日(月)、国立新美術館
「ルーヴル美術館展 愛を描く」へ行きました。
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今年の展覧会を特集した雑誌などでも、
見逃がせない展覧会として選ばれていましたね。

なるほど、
ルーヴル(LOUVRE)には愛(LOVE)があります。
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チラシに使われているロマンティックな絵、
とても私好みです!

特に、フランソワ・ブーシェ《アモルの標的》(部分)
森〇製菓のバレンタイン企画なんかにピッタリ(^▽^)!
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まぁ、この展覧会、国立新美術館で
3月1日(水)~6月12日(月)に開催された後、
京都の京セラ美術館で6月27日(火)~9月24日(日)と
巡回するってことだったので、
京都へ見に行った方が近いかな、なんて思ってたんですが、

パートのシフトで日・月と連休になって、
ダンナの仕事の手伝いも兼ねて渋谷で泊まったことは
前記事
山種美術館「富士と桜」展:
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2023-05-01

ホテルからは渋谷駅の方が近いのですが、
国立新美術館の「乃木坂」駅へ乗り換えなしで行ける
東京メトロ千代田線「表参道」駅まで歩くことにしました。

国際連合大学
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青山学院大学
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東京メトロ千代田線「乃木坂」駅直結
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展覧会公式サイト: https://www.ntv.co.jp/love_louvre/
から、10:00~11:00入場のオンラインチケットを購入して
(一般2,100円)プリントアウトして持っていきました。
ほぼ10時に着いたら、会場前には入場の列ができていましたが、
順次入場することができました。


プロローグ―愛の発明

最初に展示されていたのが、チラシにも使われている
フランソワ・ブーシェ《アモルの標的》1758年

アモル(キューピッド)の矢に心臓を射抜かれると、
恋に落ちてしまう ってことは広く知られていますよね。

見上げるような大きな絵なんだ!
キューピッドの浮遊感が感じられます。
有翼の幼児の姿で描かれたキューピッドが可愛らしい。
チラシに使われていない下部分には、
地上で矢を燃やしているキューピッドが。
ハートを射ることに成功したのだから、
もう矢は必要ないのだと。

ヨーロッパ世界には、古代ギリシア・ローマとキリスト教という大きな二つの文化の源流をたどることができます。ルネサンス以降の西洋の画家たちは、一方では古代神話、他方では聖書や聖人伝から題材を得ながら、愛という複雑な感情をさまざまなやり方で絵画に表現しました。
(展覧会公式サイト/作品紹介より: https://www.ntv.co.jp/love_louvre/gallery/)

ってことで、聖書のアダムとエバの絵も展示されていました。



第Ⅰ章 愛の神のもとに―古代神話における欲望を描く


Ⅰ-1 欲情―愛の眼差し

アントワーヌ・ヴァトー《ニンフとサテュロス》1715-1716年頃
さすがヴァトー、眠っているニンフが可愛らしい。
背後からベールを持ち上げるサテュロスとの対比で、
官能的な緊張感が表現されていると。

神々や人間が愛する者の無防備な寝姿を一方的に眺める場面は、ルネサンスから19世紀に至るまで、非常によく描かれました。


Ⅰ-2 暴力と魔力―欲望の行為

ギリシア神話には女性を誘拐・略奪する話も多いですね。
ドラマチックな場面は画家や鑑賞者の人気だったんだろーなー。

セバスティアーノ・コンカ《オレイテュイアを掠奪するボレアス》
1715-1730年頃

こういう絵、女性はなぜかほとんど裸なんですよね。
白く柔らかなオレイテュイアの身体と、白髪の老人ながら、
筋骨隆々の逞しいボレアス(北風の神)との対比。

恋に落ちた者が相手を手に入れようとする場合、
男性の場合は身体の強さ―― 暴力を利用します。神話画に頻出するのは、男性が目当ての女性を追い回したり、力ずくで連れ去ったりする場面です。一方、女性の場合は、イタリアの詩人、タッソの叙事詩『エルサレム解放』に登場する魔女アルミーダのように、魔力や妖術を使って男性を誘惑する場面がしばしば描かれました。

ドメニキーノ(本名 ドメニコ・ザンピエーリ)
《リナルドとアルミーダ》1617-1621年頃
魔力で騎士リナルドを誘拐して自分の宮殿に運んだ魔女アルミーダ
矢を射るキューピッドが上方に描かれています。


Ⅰ-3 死が二人を分かつまで―恋人たちの結末

画家たちがより好んで取り上げたのは、恋人たちの片方が思わぬ事故で命を落とす、あるいは許されない恋に落ちた二人がどちらも死を選ぶといった、悲劇の結末でした。

16世紀後半にヴェネツィアで活躍した画家《アドニスの死》
1550-1555年頃
イノシシに襲われて命を落としたアドニスと、
気を失った恋人ヴィーナス、彼らを支える三美神



第Ⅱ章 キリスト教の神のもとに

Ⅱ-1 「ローマの慈愛」からキリスト教の慈愛へ

シャルル・メラン《ローマの慈愛》、または《キモンとペロ》
1628-1630年頃
白髪の老人が若い娘の乳房を吸う情景! 実は、
死刑を宣告され、獄中で食べ物を与えられずにいたキモンに
娘のペロがひそかに授乳する場面‥‥って親孝行の絵なんだけど、
なんかエロチックに見えちゃうのはこっちの心のせい?
この作品は17世紀のローマで大きな成功を収めており、古くから模写作品が複数伝わっている」(図録より)

リオネッロ・スパーダ《放蕩息子の帰宅》1615年頃
放蕩のはて、悔いて帰宅した息子と、
寛容に迎える年老いた父親


Ⅱ-2 孝心・親子愛―聖家族にみる模範

サッソフェラート(本名 ジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィ)
《眠る幼子イエス》1640-1685年頃

眠る幼子を抱く聖母像、信仰心のない私にも、
文句なく優しく愛おしい感情がわき上がってきます!


Ⅱ-3 犠牲に至る愛―キリストの犠牲と聖人の殉教

キリストの受難や聖人たちの殉教を描いた絵は、
教会に飾られたりするために多く描かれましたね。
神への愛のためなら苦痛も死も厭わないという犠牲の念

マリアーノ・ロッシ《聖アガタの殉教》1785-1786年頃
胸もあらわになった乙女(聖アガタ)
彼女はこれから乳房を引きちぎられるという拷問で
殉教するんですが、この絵になんかあぶないエロスを
感じてしまうのは、私が異教徒だから?


Ⅱ-4 法悦に至る神への愛―マグダラのマリアの官能的・精神的な愛

マグダラのマリアもよく描かれましたね。
長い髪と豊かな胸もあらわに恍惚とした表情、
信仰の絵と言いながら‥‥ってカンジもしないこともない(^^)



第Ⅲ章 人間のもとに―誘惑の時代
オランダでは17世紀、フランスでは18世紀になると、現実世界に生きる人間たちの恋愛模様が盛んに描かれるようになります。

Ⅲ-1 室内と酒場―オランダ絵画における愛の悦びと駆け引き

ハブリエル・メツー《ヴァージナルを弾く女性と歌い手による楽曲の練習》、または《音楽のレッスン》1659-1662年頃
国立国際美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」で見た
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-01-15
フェルメールの《ヴァージナルの前に座る若い女性》を
思い出してしまいます。フェルメール(1632-1675)とは
同時代人 ハブリエル・メツー(1629-1667)なんですね。


ダフィット・テニールス(子)《内緒話の盗み聞き》1638-1640年頃
農村の簡素な宿屋、手前の男女が内緒話をしているのを
上階の窓から老女が見ています。奥では男たちが暖炉の前で
忙しくしています。
舞台の一場面を見ているよう。


サミュエル・ファン・ホーホストラーテン
《部屋履き》1655-1662年頃
人のいない部屋の情景。脱ぎ捨てられた室内履き、
差し込まれたままの鍵、壁の絵画、立てかけられた箒‥‥
4月9日放送の日曜美術館「まなざしのヒント ルーヴル美術館展」で、
読み解いていましたね。
この家の女主人は、あまり道徳的ではないことに時間を費やすために
自分の仕事を怠けているのだろうと。
光が差し込む部屋の様子とか、フェルメールの部屋のようだな
って見たけど、図録によると、この絵の作者、
かつてフェルメールと考えられたこともあったそう。


Ⅲ-2 優雅な牧歌的恋愛―フランス流の誘惑のゲーム

18世紀のフランスでは、ヴァトーが創始した「フェット・ギャラント(雅なる宴)」の絵画が流行
私は「雅宴画」って覚えたけど、
ヤマザキマザック美術館にこのあたりの画家、
ジャン=バティスト・バテルや、ニコラ・ランクレ
フラゴナール、ユペール・ロベールの絵があって、
ロココの優雅な雰囲気、好きなんですよね。


Ⅲ-3 エロティシズム―《かんぬき》をめぐって

ジャン=オノレ・フラゴナール《かんぬき》1777-1778年頃
日曜美術館の池田理代子の解説に、さすが漫画家、
想像力がすごいって感心してしまいました。
下着姿の逞しい男性は貴族ではなく、長年思い焦がれていた
女主人への欲望を遂げようと扉にかんぬきをかける
女性は抗っているようで、実は嫌がっていない。
「男性はアンドレです」って言葉に、
昔、ポルノを見るようなドキドキ感をもって
「ベルサイユのばら」を読んでいたことを思い出しました(*^▽^*)


フランソワ・ブーシェ《褐色の髪のオダリスク》1745年
まぁなんて魅惑的なお尻!
今なら男性誌のヌードピンナップってとこ?


Ⅲ-4 夫婦の幸福の演出

ギヨーム・ボディニエ《イタリアの婚姻契約》1831年
隅々まできっちり、クリアに描かれた絵
細かな描写力すごいなーって。
婚姻契約の緊張した雰囲気の中、
娘の父親が召使の女性に目を奪われているのが笑える。



第Ⅳ章 19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇

この部屋のみ撮影可でした!

Ⅳ-1 アモルとプシュケ

チラシにも使われている
フランソワ・ジェラール《アモルとプシュケ》、
または《アモルの最初のキスを受けるプシュケ》1798年
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なんて美しくロマンティックな絵なんでしょう!!
若く美しい青年の姿をしたアモルとプシュケの肌は、
陶器のように滑らかで完璧に美しい!
フランソワ・ジェラール(1770-1837)は、
ジャック=ルイ・ダヴィッドの弟子で新古典主義の画家
《レカミエ夫人の肖像》やナポレオンの肖像を描いているんですね。

フランス革命により社会が大きな転換期を迎えた18世紀末から19世紀初めには、手つかずの自然のなかで純朴な若者たちが愛を育むというセンチメンタルな牧歌的恋愛物語が流行」したそう。


Ⅳ-2 ロマン主義における男性の情熱

アンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾン
《エンデュミオンの眠り》1791年
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背景のタッチが粗いのは、この作品は、
1793年のサロンに出品した大画面の
《エンデュミオンの眠り》の油彩のエスキースだから。
ジロデもジャック=ルイ・ダヴィッドの弟子
エンデュミオンが両性具有的な優美で官能的な身体を
しているのは、1790年代から1820年代にかけての
新古典主義の絵画・彫刻に多く見いだされると、図録に
宮島綾子(国立新美術館主任研究員)の論文があって
興味深かった。

ジャン=バティスト・ルニョー
《友情の杯を交わすヒュメナイオスとアモル》1820年頃
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クロード=マリー・デュビュッフ《アポロンとキュパリッソス》1821年
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2人の男性ともが両性具有的な優美で官能的な身体をしています。
この頃、古代神話の男性同士の愛を題材にした作品が、
かつてなく制作されたそう。


Ⅳ-3 死に至る愛

ウジェーヌ・ドラクロワ《アビドスの花嫁》1852-1853年頃
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19世紀フランスのロマン主義を代表する画家・ドラクロア
本作は、イギリスの詩人バイロンが1813年に発表した
「アビドスの花嫁」の一場面。
ロマン主義の芸術家たちは、ピュアで情熱的な、しかし許されない愛で結ばれた恋人たちが不幸な終わりを迎える文学作品―― 神話、ダンテ、シェイクスピア、バイロン―― に着想を得て、悲劇の愛をドラマティックに描き出しました。

アリ・シェフェール
《ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊》1855年
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14世紀イタリアの詩人ダンテの叙事詩『神曲』は、フランスでは19世紀前半、ロマン主義の時代に流行し、なかでも「地獄篇」に登場するパオロとフランチェスカの悲恋は人気を博しました。
これは「不義の恋の末に断罪され、永遠に地獄を漂うパオロとフランチェスカの亡霊」と「古代ローマの詩人ウェルギリウスの案内で地獄を巡るダンテ


ショップでは、いろんなコラボグッズもあったけど、
展覧会公式図録 2,800円(税込)のみ購入

表紙は、フランソワ・ジェラール《アモルとプシュケ》
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裏表紙には、ジャン=オノレ・フラゴナール《かんぬき》
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今回のホテルはルートインではないので、朝食は付いてなくて
朝食べなかったので、そろそろ12時になる頃で、
お腹も空いたので、奮発して3階のレストラン行こうかなって、
思ったんですが、12時前なのにいっぱい‥‥待つことも考えたけど
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2階も混んでそうだなぁ‥‥
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1階のカフェではちょっともの足りない。
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やっぱり地下1階の カフェテリア カレ かなって。
せっかくなので、ルーヴル美術館展のコラボメニュー
「牛肉とサルシフィのトマト煮 バターライス添え」1,320円(税込)と
シーザーサラダ500円、コーヒー550円 合計2,370円をいただきました。
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美術館の庭のクルメツツジが見ごろでした!
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地下鉄乃木坂駅から国立新美術館にへの連絡通路には、
美術館のパブリックスペースを使った小企画シリーズ
「NACT View 02 築地のはら ねずみっけ」
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ねずみのアニメーションが投影されてました。
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美術館の1階にも投影があったそうだけど、見落とした(T.T)
専用アプリで館内でARアニメが鑑賞できるそう。
会期:2023年1月12日 ~ 2023年5月29日
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新国立美術館: https://www.nact.jp/

「ルーヴル美術館展 愛を描く」公式サイト: https://www.ntv.co.jp/love_louvre/
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