SSブログ

名古屋市美術館「ボテロ展」 [美術]

7月18日(月・祝)、名古屋市美術館の「ボテロ展」へ行きました。
BOTERO.jpg

前日に横浜の友人が名古屋に来て、一緒に名古屋を巡り、
18日に大阪の友人と合流して、3人で名古屋市美術館へ。

名古屋ミニ同窓会のことは前回までのブログに詳しく書いてます。
(1)中川運河クルーズ: https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2022-07-23
(2)メイカーズピア海洋堂フィギュア展: https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2022-07-29
(3)ひつまぶし: https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2022-07-31
(4)大須観音骨董市・他: https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2022-08-07

BOTERO-3.jpg
ボテロの絵って、一度見たら忘れないというか、
あっこれボテロだって、スグわかりますよね。
「ボテロ」って名前も覚えやすい(^^)

全ての人やモノが丸くふくよかになって、
ユーモラスというか、カワイイというか。
なんか面白くて楽しそうな絵、
イラストレーションみたいな印象でした。
(この展覧会を見て「楽しそう」だけではないことを知りましたが)

なので、私にしては珍しく、前売券も買ってたんです。

横浜の友人から、名古屋へ行きたいってLINEあって、
その目的の1つに、できたらボテロ展へ行きたい
でも連休だし、行列ができているようならあきらめる。
なので、前売券は買わずに行くってことだったんですが、

私は、名古屋市美術館だから、行列ができるような混雑には
ならないだろうと思ったし、大阪の友人が合流できることになり、
ボテロ展の前売券は買った方がいい? ってLINE来たので、
まだ前売券が買える期間だったので、やはり当日券と200円違うし、
(一般観覧料 当日1,800円 前売1,600円)
名古屋へ行くついでに買ってくることに。
で、プレイガイド行く前に金券ショップ覗いたら、
前売券が1,580円であったので、それ買っちゃったんですけどね。

横浜の友人が「ボテロ展」へ行きたいと思ったのは、
コロンビアのカルタヘナに滞在中だった
友人のAさんを訪ねて行った時に、
旧市街でボテロの彫刻を見たと。
コロンビアの国民的芸術家だそうですね。

その時の画像送ってくれました。
fromMikoBOTERO-(1).jpg
彫刻もふくよかー! ボテロだー!
fromMikoBOTERO-(3).jpg

ってことで、大丈夫だと言ったけど、
連休だし行列とかできてたらどうしようと、
ちょっと心配して行ったんですが‥‥

全く心配いりませんでした!
(これは帰る時に撮った写真ですが)
2022-7-18-(29).jpg
2022-7-18-(28).jpg
展示室はそこそこ人いましたが。

入口の記念撮影コーナー(当然、お互い撮りっこしました)
2022-7-18-(22).jpg


第1章 初期作品

最初に、いわゆる「ボテロ・スタイル」を確立する前の初期の作品
17歳で描いたという《泣く女》1949年
BOTERO-c1.jpg
(チラシ中面のスキャンから)
ボテロのボリュームへの関心がもう見出されると。
《泣く女》ってタイトルは、ピカソにも関心があったから?
図録の年表で、1949年 17歳 のところに
「パブロ・ピカソと芸術における不適合性」という論説により退校処分となる ってありました。

ボテロ20歳の1952年、コロンビア国内の展覧会で受賞した賞金で、
ヨーロッパに渡り、そこで3年間学びます。
図録の年表、1952年 20歳のところに、
プラド美術館でゴヤやベラスケスを模写する。その後パリに移り、ルーヴル美術館で過去の巨匠たちの作品を模写して過ごす。

《バリェーカスの少年(ベラスケスにならって)》1959年
荒い筆致だけど、ボリュームとか、名画をボテロ流に描くってとこは、
後のボテロの制作に繋がっていますね。


第2章 静物

 一度見たら忘れられなくなるボテロ・スタイル誕生のきっかけは、ボテロ24歳のとき。ある日、マンドリンを描こうとしたボテロは、楽器の音響孔を、実際よりも小さくも黒い点のように描き入れました。すると、その小さな孔との対比によって、マンドリンの丸いボリューム感がより際立って現れてくるのに気づきました。ボテロは、この不意に生まれた造形の豊かさに芸術的な美を見出したのです。(チラシ中面の文)

《楽器》1998年
BOTERO-c2.jpg

《黄色の花》《青の花》《赤の花》(3点組) 2006年
BOTERO-c3.jpg

この展覧会で驚いたのが、ボテロの作品って、
描かれているものがふくよかなのはもちろんだけど、
絵のサイズもとっても大きい! ってこと。
この3枚の花の絵、それぞれが 199×161cm
つまり、背丈より大きい!!
単なる色違いではなくて、それぞれ種類の違う花が
細かく描き込まれています。

《洋梨》1976年 なんて、241×196cmのカンヴァスに、
洋梨が1つ、でーーんと描かれているんですよ!
小さな穴から顔をのぞかせている虫がカワイイ(^^)


第3章 信仰の世界

BOTERO-2.jpg
チラシ裏面の《コロンビアの聖母》1992年
キリストが現代的な服装をして、言われないと気付かないけど、
とーーっても小さなコロンビアの国旗を持ってるんです。

太ったキリストや、太った体にちょっとセクシーな服を着た
聖バルバラや聖ゲルトルード、聖カシルダ。
異教徒である私にはとても面白いんだけど、
こんな風に描いて反発や批判は来ないのかな?


《守護天使》2015年
ベッドに寝ているのは、ボテロさんなんだそう(^^)
BOTERO-c4.jpg


第4-1章 ラテンアメリカの世界

バレリーナや、踊る人たち、楽士たち、大統領に寡婦、
通りの人々など、様々な人々が描かれていますが、
どの人もボリュームに満ちて描かれています。

1956年、23歳のボテロはメキシコ芸術に出会いますが、このことは一つのターニングポイントとなります。自らのルーツや故郷コロンビアでの子ども時代の記憶にまなざしを向け、自作の中心的テーマとするようになったのです。同時にメキシコ芸術の大胆な色使いもボテロを触発し、彼の画面を色鮮やかなものへと変容させました。
展覧会公式ホームページ「みどころ」より
https://www.ctv.co.jp/botero/highlight.html

このカラフルさは“ラテンアメリカ”なのかなー。

図録の表紙には《楽士たち》2001年
BOTERO-book1.jpg

裏表紙には《踊る人たち》2002年 が使われています。
BOTERO-book2.jpg


第4-2章 ドローイングと水彩

名古屋市美術館の階段を上がって、2階の展示室へ入ると、
それまでの油彩で隅々まで色が塗られた作品とは対照的に、
ドローイングの線を活かして、透明水彩がサラッと塗られた絵。
こういう技法って、スケッチとか習作に使われるのが多いけど、
これらの絵、紙ではなく、大きなカンヴァスに描かれているんです!

技法は違うけど、描かれているのはやっぱり
ボリュームのある人々。ボテロの絵だってわかります。
BOTERO-b1.jpg
このシリーズ、軽やかな感じで、いいなぁ!
BOTERO-b2.jpg
私、このシリーズ気に入ったんだけど、
チラシには使われていないなー。


第5章 サーカス

ボテロの、ふくよかな人が繰り広げるサーカスの世界。
象も大きくてふくよかー
BOTERO-c5.jpg


第6章 変容する名画

ボテロって言うと、名画をふくよかにしたシリーズが思い浮かびます。

フェルナンド・ボテロが世界に注目されるきっかけとなったのは、1963年、ニューヨークのメトロポリタン美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》が展覧されたとき、ボテロの《12歳のモナ・リザ》がニューヨーク近代美術館(MoMA)のエントランス・ホールに展示されたことです。
展覧会公式ホームページ「みどころ」より
https://www.ctv.co.jp/botero/highlight.html

この展覧会のメインビジュアルも
《モナ・リザの横顔》2020年
BOTERO.jpg
この絵、世界初公開なんだそう。
ボテロさん、1932年生まれで、今年90歳!
今もなお旺盛な制作活動をされているとのこと。

“描くということは驚くべき体験である。
 私は絵を描いているとき、存在することを止める。
 一日8時間立ったまま制作しても、疲れることは決してない。
 それはあたかも自分の身体を離れるかのようで、
 恍惚とした気持ちになるのだ。” ――フェルナンド・ボテロ

(図録P104)

ベラスケス、ピエロ・デラ・フランチェスカ、ルーベンス、
ヴィジェ・ルブラン、ゴヤ、ラファエロ、クラーナハ‥‥
どの名画もボテロ・スタイルのふくよかな姿になっています。

キャプションのところにモトの名画の画像が添えられていますが、
見ていくうちに、モトの名画の人物、痩せすぎじゃない? なんて(^^)
私にはボテロの人物の方が親近感わいたりして(^^;

名画がすごく可愛く、親しみやすく感じられます。

《アルノルフィーニ夫妻(ファン・エイクにならって)》2006年
BOTERO-c6.jpg


ショップで図録購入 2,700円(税込)
BOTERO-book1.jpg
本の表紙も「ふくよか」になってます(^^)
柔らかな手ざわりと、箔押し加工された文字が
ボテロらしくていい♡


箱とお菓子の形につられて
落雁諸江屋 菊花せんべい 3,240円(税込) も購入。
2022-7-18-(25).jpg
友人たちと1箱ずつ分けました。
2022-7-29-(6).jpg
花の形は素敵だけど、味は‥‥うーーん、私は好みではなかったなー

ついでに‥‥私の母が育てた花の画像
2022-7-26-(1).jpg
(ヒャクニチソウ)

2022-7-26-(2).jpg


名古屋市美術館地下1階の常設展も見て(ただ私は、前回の
「布の庭にあそぶ 庄司達」の時とほぼ同じだったので、
ちょっと退屈した。(あまり私好みの作品ではなかったし、
モディリアーニ展へ貸し出された
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2022-06-14
《おさげ髪の少女》はまだ戻って来てなかったしー)

あ、「布の庭にあそぶ」は写真も撮らせてもらったし、
ブログの記事にしたいと思いつつ、書けておりません(^^;;>


美術館のカフェでずいぶん長い間、
あれこれ話して過ごさせてもらいました。


名古屋市美術館: https://art-museum.city.nagoya.jp/
展覧会公式ホームページ: https://www.ctv.co.jp/botero/


この「ボテロ展」

渋谷の Bunkamura ザ・ミュージアムで
4月29日(金・祝)~7月3日(日) に開催された後、

名古屋市美術館で、7月16日(土)~9月25日(日)

京都市京セラ美術館で、10月8日(土)~12月11日(日)
と、巡回するそう。

横浜の友人が転送してくれた、Aさんが
Bunkamura ザ・ミュージアムの「ボテロ展」へ
行った時の画像。
fromMiko-BOTERO.jpg

nice!(5)  コメント(2) 
共通テーマ:アート

nice! 5

コメント 2

ナツパパ

この人の絵を見ると、豊穣という言葉が浮かんできます。
昔は肥っていることは良いことだったそうですよねえ。
by ナツパパ (2022-08-14 11:58) 

しーちゃん

ナツパパさん、nice! & コメントありがとうございます。
ふくよかな人物や静物画を見ると、ユーモラスとか、幸せそうとか、可愛いいって感じますね。
肥っている=食べ物が豊富にあるってことは、人類の歴史でも珍しいことで、幸せなことかもしれません。ま、私とか、もう少し自制心が欲しいところではありますが。
by しーちゃん (2022-08-24 14:43) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。