岐阜県現代陶芸美術館「三島喜美代ー遊ぶ 見つめる 創りだす」 [美術]
10月15日(日)岐阜県現代陶芸美術館へ行きました。
「三島喜美代
遊ぶ 見つめる 創りだす」
三島喜美代(1932年生まれ)は、大阪市と岐阜県土岐市を制作の拠点として活動し、陶で雑誌や新聞、ダンボールなどを表現する革新的な作品で知られています。(チラシ裏面の文より)
岐阜県現代陶芸美術館のコレクションでも、
そんな作品がよく展示されてたし、
(チラシ裏面、2段目と3段目の作品が岐阜県現代陶芸美術館の所蔵)
今年2月に見た
岐阜県美術館「第11回 円空大賞展」でも、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2023-02-05
陶でできたチラシや雑誌が散乱していたので、
私てっきり陶芸作家かと思ってたんですよ。
で、今回のチラシ表面のビジュアル見て、
三島喜美代のイメージと違うなぁ って。
でも「過去最大規模の個展」(チラシ裏面の文)ってことで、
楽しみに見に行きました。
岐阜県現代陶芸美術館は、岐阜県美術館の後援会員証で
各企画展毎に1回ずつ無料で見ることができます。
(岐阜県美術館の年会費3,000円はなんておトクなんでしょう!!)
もらったチケットのビジュアルは、
岐阜県現代陶芸美術館所蔵の《バナナボックス》2007年
そして、ほとんどの作品が撮影可!
ロビーに置いてある作品は、岐阜県現代陶芸美術館所蔵の
《Work-96A》
展示室入口に掛かっているのは、新作の
《Work23-TAG》
「われもの注意」のタグが陶で作られています(^^)
最初に初期の油彩作品が展示されています。
正面の壁に展示されている1点のみが、
夫である故・三島茂司の1960年の作品
《Work64-Ⅲ》 新聞紙が何枚も貼りつけられています
《ヴィーナスの変貌Ⅴ》1967年
シルクスクリーンが使われています
なんとこれ、馬券が貼り付けられているんです!
三島喜美代と言えば‥‥の、新聞を陶で作り始めた頃の作品
《Package'74》滋賀県立陶芸の森
ダンボールが陶で作られています
《Pacjage'78》滋賀県立陶芸の森
大きなチラシ(陶の作品)が壁面に張り巡らされた
《Copy'78-'80》滋賀県立陶芸の森
作品が巨大化してます
電信柱まで作ってる! この作品は(ここの所蔵なのに)
見たことなかったなー。
《Electric Poles》1984年 岐阜県現代陶芸美術館
新聞紙にくるまれた赤いポット
チラシが陶で作られています。
左側の作品《KOUKOKU 08》
「御同情の一票にて○○○○を働かせて下さい‥‥」(笑)
三島喜美代ってイメージする
陶でマンガ雑誌を制作した作品
めくれたページも再現されてます。
さわれる作品がありました。
持ってみると、ずっしりと重い!
まぁ、陶でできているのだから当たり前なんだけど。
このあたりから、
溶融スラグを使った作品を作るようになったと
溶融スラグとは、ごみを焼却炉で燃焼した後にできる物質
私、三島喜美代を「陶」で新聞や雑誌を作る作家だと
思っていたので、この部屋の作品には
ちょっと戸惑ったというか‥‥
ゴミがただ置かれているようにも見えて。
あとで気が付いたんだけど、この日14:00から
ギャラリートークがあったんだ‥‥もう少し
早く行けば良かった(私は14:30頃に着いた)
素材について聞いてみたかったな。
溶融スラグで作った作品はどれなのか?
(出品リストには素材は書いてなかったし、
図録はまだできてなかった)
この銀色のシート(でも表面をよく見ると文字が読める)が
積みあがっているように見える大きな作品は何でできているのか?
スパッと裁断されたような形になっているのが面白い。
《Work92-N1》
中に入っている新聞は陶でできているんだろうけど
錆びた一斗缶はゴミ(廃棄物)だったのか?
新聞紙を燃やして焚火したい(^^)
《Work21-B》
時計はゴミ(廃棄物)だったんだよね?
錆び具合、壊れ具合が風格を感じるというか。
広いスペースに大きな作品が置かれていていい雰囲気です。
これ、森美術館の「アナザーエナジー展」
(会期:2021.4.22~2022.1.16)で
展示されていた作品ですね!
《Work21A》森美術館
私は見に行かなかったけど、話題になってたし、
日曜美術館で三島喜美代が取り上げられた時
(2021年6月27日放送「三島喜美代 命がけで遊ぶ」)
紹介されてましたね。
こちらのゴミ箱は、屋外に置かれていたら、
本当のゴミ箱と思われて、空き缶とか捨てられそう(^^)
ギャラリーⅠを出たところで、三島喜美代さんの
インタビュー映像が流れていて、
ちょっと昔(10年くらい前?)のものでしたが、
美術を始めたきっかけは、高校の先生に
好きなことをしていいって言われたことだとか、
後に夫となる三島茂司さんに絵を見せに行ったら、
コテンパンに言われて、帰って大泣きしたとか、
大阪弁で楽しそうに語っておられたのが印象的でした。
で、いつもギャラリーⅡはコレクション展だったりするので、
てっきり、三島喜美代展はこれで終わりかと思って行くと、
(ちゃんとチラシとかにもギャラリーⅠ・Ⅱって書いてあるのに(^^:
こちらも三島喜美代!
吹き抜けの展示室には、高さを生かした作品が!
ドイツの新聞が転写されているとか。
化石の収蔵棚みたいな作品も
階段を上がったB室は‥‥
わー! 三島喜美代さんの家に迷い込んだみたい。
資料なのか、作品なのか、ゴミなのか‥‥雑多なものが
いっぱいあって、なんか楽しそうでもある(^^)
最近の三島喜美代さんのインタビュー映像もありました。
最後のD室には、この展覧会のために作られた
新作が2点展示されています。
床面に広がる《Work23-A》は、
「彩の国さいたま彫刻バラエティ'96」で大賞を受賞して
制作した《Newspaper97-A》(桶川駅西口公園・埼玉)を、
鋳造した際に流れ出たアルミ合金が材料。
そこに型抜きした文字が貼り付けられていると。
うねうねした鉄筋が絡まって、
2つの大きな塊になっています。
《Work23-S》
チラシ表面のビジュアルはこれですね!
捨てられていた建築物の鉄筋を、
土岐のアトリエに運び込んで、長く屋外で寝かしていた
その鉄筋にシルクスクリーン印刷で細かな文字が
転写されています。
屋外にも作品があります。
《Work 03》岐阜県現代陶芸美術館
2017年5月に「コレクション×クロニクル」展を
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2017-06-02
見に来た時にもここの池に展示されていました。
ギャラリーⅠ・Ⅱを使っての大規模な展示で、
吹き抜けの空間を使っての大きな作品とか、
新作もあって見ごたえありました。
新聞やマンガ雑誌を陶で作る陶芸家ではなく、
現代美術家なんだと。
大規模なインスタレーション、迫力です。
図録購入しようとショップへ行ったんですが、
まだできてないとのことで、ちょっと残念。
で、三島喜美代のアートも紹介されていると
並んでいたこの文庫本
秋本雅史「日本で見られる現代アート傑作11」
購入しました。682円(税込)
十和田市現代美術館の
ロン・ミュエク『スタンディング・ウーマン』や、
金沢21世紀美術館の
レアンドロ・エルリッヒ『スイミング・プール』など、
日本で見られるトップレベルの現代アート11作品が
紹介されていて、その1つが、
アートファクトリー城南島の
「ゴミを擬態化したアート」
三島喜美代『Newspaper08』『Work92-N』
『Work2000-Memory of Twentieth Century』
あ、日曜美術館でもちょっと紹介されていたけど、
すごいスケール!! で、予約制だけど、入館料無料?!!
一度行ってみなくては!!
この本で紹介されているアート作品、私は
金沢21世紀美術館の『スイミング・プール』と
ジェームズ・タレル『ブルー・プラネット・スカイ』
金沢21世紀美術館「レアンドロ・エルリッヒ―ありきたりの?」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2014-07-24
DIC川村記念美術閣のマーク・ロスコ『シーグラム壁画』
DIC川村記念美術館「ブリジット・ライリーの絵画」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2018-08-27
くらいしか見たことがないけど、全部見てみたい!!
ついでに隣に置いてあった
「岐阜県現代陶芸美術館 収蔵作品選 日本の陶芸」
1,000円(税込)も購入しました。
もちろん三島喜美代の作品も、
ロビーに展示してある《WORK-96A》が掲載されてます。
(富本憲吉の2点を除き、1作家につき1点で、60点)
この本の表紙になっている
桑田卓郎《陶木》2022
2022年のリニューアル後に来た時、
このドハデなオブジェに驚いたなぁ!
夕陽にキラキラと輝いています。
岐阜県現代陶芸美術館: https://www.cpm-gifu.jp/museum/
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2023年2月4日(土)中日新聞夕刊の記事
--PR--
「三島喜美代
遊ぶ 見つめる 創りだす」
三島喜美代(1932年生まれ)は、大阪市と岐阜県土岐市を制作の拠点として活動し、陶で雑誌や新聞、ダンボールなどを表現する革新的な作品で知られています。(チラシ裏面の文より)
岐阜県現代陶芸美術館のコレクションでも、
そんな作品がよく展示されてたし、
(チラシ裏面、2段目と3段目の作品が岐阜県現代陶芸美術館の所蔵)
今年2月に見た
岐阜県美術館「第11回 円空大賞展」でも、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2023-02-05
陶でできたチラシや雑誌が散乱していたので、
私てっきり陶芸作家かと思ってたんですよ。
で、今回のチラシ表面のビジュアル見て、
三島喜美代のイメージと違うなぁ って。
でも「過去最大規模の個展」(チラシ裏面の文)ってことで、
楽しみに見に行きました。
岐阜県現代陶芸美術館は、岐阜県美術館の後援会員証で
各企画展毎に1回ずつ無料で見ることができます。
(岐阜県美術館の年会費3,000円はなんておトクなんでしょう!!)
もらったチケットのビジュアルは、
岐阜県現代陶芸美術館所蔵の《バナナボックス》2007年
そして、ほとんどの作品が撮影可!
ロビーに置いてある作品は、岐阜県現代陶芸美術館所蔵の
《Work-96A》
展示室入口に掛かっているのは、新作の
《Work23-TAG》
「われもの注意」のタグが陶で作られています(^^)
最初に初期の油彩作品が展示されています。
正面の壁に展示されている1点のみが、
夫である故・三島茂司の1960年の作品
《Work64-Ⅲ》 新聞紙が何枚も貼りつけられています
《ヴィーナスの変貌Ⅴ》1967年
シルクスクリーンが使われています
なんとこれ、馬券が貼り付けられているんです!
三島喜美代と言えば‥‥の、新聞を陶で作り始めた頃の作品
《Package'74》滋賀県立陶芸の森
ダンボールが陶で作られています
《Pacjage'78》滋賀県立陶芸の森
大きなチラシ(陶の作品)が壁面に張り巡らされた
《Copy'78-'80》滋賀県立陶芸の森
作品が巨大化してます
電信柱まで作ってる! この作品は(ここの所蔵なのに)
見たことなかったなー。
《Electric Poles》1984年 岐阜県現代陶芸美術館
新聞紙にくるまれた赤いポット
チラシが陶で作られています。
左側の作品《KOUKOKU 08》
「御同情の一票にて○○○○を働かせて下さい‥‥」(笑)
三島喜美代ってイメージする
陶でマンガ雑誌を制作した作品
めくれたページも再現されてます。
さわれる作品がありました。
持ってみると、ずっしりと重い!
まぁ、陶でできているのだから当たり前なんだけど。
このあたりから、
溶融スラグを使った作品を作るようになったと
溶融スラグとは、ごみを焼却炉で燃焼した後にできる物質
私、三島喜美代を「陶」で新聞や雑誌を作る作家だと
思っていたので、この部屋の作品には
ちょっと戸惑ったというか‥‥
ゴミがただ置かれているようにも見えて。
あとで気が付いたんだけど、この日14:00から
ギャラリートークがあったんだ‥‥もう少し
早く行けば良かった(私は14:30頃に着いた)
素材について聞いてみたかったな。
溶融スラグで作った作品はどれなのか?
(出品リストには素材は書いてなかったし、
図録はまだできてなかった)
この銀色のシート(でも表面をよく見ると文字が読める)が
積みあがっているように見える大きな作品は何でできているのか?
スパッと裁断されたような形になっているのが面白い。
《Work92-N1》
中に入っている新聞は陶でできているんだろうけど
錆びた一斗缶はゴミ(廃棄物)だったのか?
新聞紙を燃やして焚火したい(^^)
《Work21-B》
時計はゴミ(廃棄物)だったんだよね?
錆び具合、壊れ具合が風格を感じるというか。
広いスペースに大きな作品が置かれていていい雰囲気です。
これ、森美術館の「アナザーエナジー展」
(会期:2021.4.22~2022.1.16)で
展示されていた作品ですね!
《Work21A》森美術館
私は見に行かなかったけど、話題になってたし、
日曜美術館で三島喜美代が取り上げられた時
(2021年6月27日放送「三島喜美代 命がけで遊ぶ」)
紹介されてましたね。
こちらのゴミ箱は、屋外に置かれていたら、
本当のゴミ箱と思われて、空き缶とか捨てられそう(^^)
ギャラリーⅠを出たところで、三島喜美代さんの
インタビュー映像が流れていて、
ちょっと昔(10年くらい前?)のものでしたが、
美術を始めたきっかけは、高校の先生に
好きなことをしていいって言われたことだとか、
後に夫となる三島茂司さんに絵を見せに行ったら、
コテンパンに言われて、帰って大泣きしたとか、
大阪弁で楽しそうに語っておられたのが印象的でした。
で、いつもギャラリーⅡはコレクション展だったりするので、
てっきり、三島喜美代展はこれで終わりかと思って行くと、
(ちゃんとチラシとかにもギャラリーⅠ・Ⅱって書いてあるのに(^^:
こちらも三島喜美代!
吹き抜けの展示室には、高さを生かした作品が!
ドイツの新聞が転写されているとか。
化石の収蔵棚みたいな作品も
階段を上がったB室は‥‥
わー! 三島喜美代さんの家に迷い込んだみたい。
資料なのか、作品なのか、ゴミなのか‥‥雑多なものが
いっぱいあって、なんか楽しそうでもある(^^)
最近の三島喜美代さんのインタビュー映像もありました。
最後のD室には、この展覧会のために作られた
新作が2点展示されています。
床面に広がる《Work23-A》は、
「彩の国さいたま彫刻バラエティ'96」で大賞を受賞して
制作した《Newspaper97-A》(桶川駅西口公園・埼玉)を、
鋳造した際に流れ出たアルミ合金が材料。
そこに型抜きした文字が貼り付けられていると。
うねうねした鉄筋が絡まって、
2つの大きな塊になっています。
《Work23-S》
チラシ表面のビジュアルはこれですね!
捨てられていた建築物の鉄筋を、
土岐のアトリエに運び込んで、長く屋外で寝かしていた
その鉄筋にシルクスクリーン印刷で細かな文字が
転写されています。
屋外にも作品があります。
《Work 03》岐阜県現代陶芸美術館
2017年5月に「コレクション×クロニクル」展を
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2017-06-02
見に来た時にもここの池に展示されていました。
ギャラリーⅠ・Ⅱを使っての大規模な展示で、
吹き抜けの空間を使っての大きな作品とか、
新作もあって見ごたえありました。
新聞やマンガ雑誌を陶で作る陶芸家ではなく、
現代美術家なんだと。
大規模なインスタレーション、迫力です。
図録購入しようとショップへ行ったんですが、
まだできてないとのことで、ちょっと残念。
で、三島喜美代のアートも紹介されていると
並んでいたこの文庫本
秋本雅史「日本で見られる現代アート傑作11」
購入しました。682円(税込)
十和田市現代美術館の
ロン・ミュエク『スタンディング・ウーマン』や、
金沢21世紀美術館の
レアンドロ・エルリッヒ『スイミング・プール』など、
日本で見られるトップレベルの現代アート11作品が
紹介されていて、その1つが、
アートファクトリー城南島の
「ゴミを擬態化したアート」
三島喜美代『Newspaper08』『Work92-N』
『Work2000-Memory of Twentieth Century』
あ、日曜美術館でもちょっと紹介されていたけど、
すごいスケール!! で、予約制だけど、入館料無料?!!
一度行ってみなくては!!
この本で紹介されているアート作品、私は
金沢21世紀美術館の『スイミング・プール』と
ジェームズ・タレル『ブルー・プラネット・スカイ』
金沢21世紀美術館「レアンドロ・エルリッヒ―ありきたりの?」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2014-07-24
DIC川村記念美術閣のマーク・ロスコ『シーグラム壁画』
DIC川村記念美術館「ブリジット・ライリーの絵画」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2018-08-27
くらいしか見たことがないけど、全部見てみたい!!
ついでに隣に置いてあった
「岐阜県現代陶芸美術館 収蔵作品選 日本の陶芸」
1,000円(税込)も購入しました。
もちろん三島喜美代の作品も、
ロビーに展示してある《WORK-96A》が掲載されてます。
(富本憲吉の2点を除き、1作家につき1点で、60点)
この本の表紙になっている
桑田卓郎《陶木》2022
2022年のリニューアル後に来た時、
このドハデなオブジェに驚いたなぁ!
夕陽にキラキラと輝いています。
岐阜県現代陶芸美術館: https://www.cpm-gifu.jp/museum/
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2023年2月4日(土)中日新聞夕刊の記事
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日本で見られる現代アート傑作11 (小学館文庫 あ 50-1)
- 作者: 秋元 雄史
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2022/07/06
- メディア: 文庫
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