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飛騨高山美術館の最終公開(2)インテリア館 [美術]

5月24日(日)、この5月31日(日)で閉館する
飛騨高山美術館の最終公開を見に行きました。

ルネ・ラリックの噴水やアール・ヌーヴォー、
アール・デコ、そして現代のガラス工芸品の展示を
見たことは前記事

飛騨高山美術館の最終公開(1)ガラス工芸
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-05-28

ガラス張りの渡り廊下を通って、
19世紀末のヨーロッパ、主にフランス、イギリス、
オーストリアにおける家具・調度品などの工芸作品を
再現展示しているインテリア館へ。

最初の展示室は「ルイ・マジョレルの部屋
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実は前回来た時(2002年6月29日)、
このインテリア館の記憶がないんですよ。
あまり時間がなかったってこともあるけど、
18年前は、ルイ・マジョレルの名前も知らなかったんだろうなって。

2010年に開館したヤマザキマザック美術館で、
http://www.mazak-art.com/
アール・ヌーヴォーのガラスや家具等を見て、
ルイ・マジョレルを知ったって思ってたけど、
それより前にここで見てたんだと。

ヤマザキマザック美術館の4階展示室と
飛騨高山美術館って似てる。どちらもとても私好みです。

 ルイ・マジョレルがアール・ヌーヴォー家具における名匠であることに、議論の余地はない。マジョレルはパリの美術学校で学んだが、家業の家具工場を兄弟と共に経営する為に故郷のナンシーに戻った。彼が最初にアール・ヌーヴォー様式を試みたのは1894年頃で、それまでの定番商品であったルイ15―16世紀様式の傑作をコピーした家具と共に発表した。そして数年間でアール・ヌーヴォー様式に主力を移し、事業を拡張していった。
(中略)
ガレが柔らかく薄い色調の木材に染色した果樹木で象嵌細工をするのを好んだのに対し、マジョレルは、堅く濃い色の南洋木材を選んだ。当館では豪華なマホガニー製の「睡蓮」のシリーズを中心に、書斎机、椅子、サイドボード、応接セット、照明器具を展示している。(もらった鑑賞ガイドより)
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反対側の壁にはミュシャのポスターも展示してありました。
左《四芸術「ダンス」》 右《モナコ・モンテカルロ》
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2002年に行った時のインテリア館の記憶が全くないので、
その時のリーフレットを取り出してみたんです。
右が2002年、左が2020年のリーフレット
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ちゃんとマジョレルの部屋、ガレの部屋、マッキントッシュの部屋、
ウイーンの部屋ってあって、こんな私好みの展示があったのに、
何を見ていたんだ? って、あきれたんですが、それより驚いたのが、
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リーフレットに載ってる
アルフォンス・ミュシャ《春の夜》って絵!
え?! 今だったら興奮しちゃうと思うんですが、
気が付かずにスルーしちゃったのか? 今も所蔵されてるのかな?
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ガラスの展示室はちょっと変化してます。
2002年当時は「ガラスの歴史500年」って展示室があって、
チケットにも使われている
フリードリヒ・エゲルマン《クルム・ゴブレット》1835年
(ナポレオン戦争における連合軍戦勝記念)
なんて作品も展示されてたみたい(これも全く覚えてませんが)
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今はアール・ヌーヴォー、アール・デコから現代のガラス作品に
特化した展示になってますね。

今のリーフレット
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次が「ガレの部屋」 ガラス工芸で有名なエミール・ガレですが、
製陶や木工芸のデザイナーとしても活躍しました。
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鳥のランプも素敵ですし、
置いてある棚の表面には、木の象嵌で植物が表されています。
ガレの家具は構造や材質よりも表面の装飾効果に重点が置かれている。家具においてはガラス作品以上にジャポニズムの影響が強く表れ、また、植物や昆虫をモチーフとした象嵌が多く見られる」(鑑賞ガイドより)

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花(梅?)の枝があしらわれた大きな鏡が印象的。
その前の巨大な蜻蛉が脚になったテーブルは、
(まぁ、私これちょっとグロテスクな感じがして―ガレのガラス作品でもちょっとグロいのがありますよね―どうなのかな?って思うんですけど)
ヤマザキマザック美術館にあったのと同じかな? って思ったら、
ヤマザキマザック美術館のコレクション検索で画像出てきます
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/search/search.cgi
ヤマザキ―は4本脚で、これは3本脚ですね。

こちらの鳥のランプも素敵。
ミュシャ《香水「ロド」のためのポスター》が壁にかかっています。
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通路を通って次の部屋へ行くと「マッキントッシュの部屋
モダンです。
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チャールズ・レニー・マッキントッシュの重要なパトロンの
一人であるクランストン女史の自邸「ハウスヒル」の
応接室とミュージックルームの境界として設置された
曲線型のスクリーンなんだそう。
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はめ込まれたガラスもカワイイ

この空間もモダン!
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薔薇のモチーフが使われた照明器具や、
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こちらのシャープな形の家具にも薔薇の花のデザインが。
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マッキントッシュは私、背もたれが高いハイパック・チェアを
デザインした人くらいの知識しかしかありませんでしたが、

チャールズ・レニー・マッキントッシュは、1868年にスコットランドのグラスゴーに生まれ、世紀末から20世紀初頭に活躍した建築家である。彼は「グラスゴー美術大学」を始め、「ヒル・ハウス」などの個人住宅や「ウィロー・ティールーム」に代表されるティールームをデザインしたが、建築や内装のほかに、家具、テキスタイル、カトラリーなどのデザインでも知られている。晩年には植物画を描く画家でもあった。(鑑賞ガイドより)

飛騨高山美術館のマッキントッシュの部屋は、
マッキントッシュが描いた「芸術愛好家の家」の図面からダイニングルームを中心に具現化し、さらに彼による他のデザイン作品もまとめて展示」してあるのだそう。
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4本のガラスペンダントで飾られた涙型のシャンデリアもモダン。
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マッキントッシュがデザインしたティールームの中で最も有名な
「ウィロー・ティールーム」の椅子とテーブル
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最後が「ウィーン分離派の部屋
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いかにもウィーンってカンジの(?)黒と白の床!

あ、後ろのステンドグラスがついた仕切りはマッキントッシュのかな?
その前にある豪華な箱は「モーザーがデザインし、クリムトに肖像画を描いてもらった女性マーガレット・ヴィトゲンシュタインとジョン・ストーンボローの結婚記念品としてウィーン工房から贈られた豪華な時計」だそう。
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「ウィーン分離派」による、コラー家の別荘のダイニングルームとサンルームのための家具をほぼフルセットで展示しています。(飛騨高山美術館HPより)
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壁に飾られているのは、エゴン・シーレが制作した
《第49回ウィーン分離派展ポスター》ですね。

「ウィーン分離派」は、オーストリアにおいてそれまでの贅沢な「リバイバル」様式から脱却し、新たなデザインを試みた芸術家集団です。その多くはオットー・ヴァーグナー、コロマン・モーザー、ヨーゼフ・ホフマンなどの建築家やデザイナーでしたが、グスタフ・クリムト、エゴン・シーレなど近代を代表する西洋画家も所属していました。装飾的でエキゾティックなフランスのアール・ヌーヴォーに対し、シンプルで実用主義的なデザインが特徴です。

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奥の椅子は、ヨーゼフ・ホフマン《リクライニングチェア》
通称「座るための機械」ですね! ここも所蔵してるんだ!
豊田市美術館が所蔵してるし、
https://www.museum.toyota.aichi.jp/
昨年、国立新美術館で見た「ウィーン・モダン」展でも展示されてた。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-06-18

この照明器具、なんかカワイイ。
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オットー・プルッチャー《花器》
なんとも存在感というか、退廃っぽい(?)雰囲気
(ガラスの映り込みがジャマでスミマセン)
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ロブマイヤー社《長方形花瓶「ダフネ」》
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階段に飾られているのは、
リヒャルト・ルクシュ《ベートーベン・フリーズ展のためのニーチェの泉に設置された一対の像》
1902年ウィーンで開催された「ベートーベン・フリーズ展」において、
《ニーチェの泉》とともにメイン・ルームに設置された男女二対の像のうちの一対で、
現存するのはこの一対のみだそう。
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昨年、豊田市美術館「クリムト展」
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-10-11
クリムトが制作した壁画《ベートーヴェン・フリーズ》の
精巧な原寸大複製が展示されてて迫力でしたが、
その展覧会にこの像が設置されていたんですね!

昨年は、クリムト展やウィーン分離派の展覧会が続いて、
コロマン・モーザーやヨーゼフ・ホフマン、ウィーン工房などについて
知ることができたので、あらためて、ここの所蔵品、
すごいの持ってたんだなーって感心することができました。


庭で結婚の(?)写真撮影やってます。
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さて、美術鑑賞の後はやっぱりカフェ!
飛騨高山美術館の「ザ・マッキントッシュ・ティールーム

入口の石膏パネルは、「マッキントッシュの部屋」で展示されていた
ウィロー・ティールームに設置されていた「ウィロー・フリーズ」を
再現したもの(展示室のはオリジナル)
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店名どおり、インテリアにマッキントッシュのデザインが
取り入れられています。
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照明器具もカワイイ。
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注文したのは、美術館所蔵の
エミール・ガレ《花器 フランスの薔薇》を
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イメージしたスペシャルパフェ。1,000円(税別)
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食べるのがもったいないくらいステキ!!

そして、ショップは、
39(サンキュー)%OFFセールやってたけど、
結局買ったのは、クリアファイル以外は除外品。
(藤田喬平のガラスの器とか、安くなってても買えませんー)
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クリアファイルは350円が39%offで213円になってました(税別)
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ステンドグラスのペンダント2,000円(税別)
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表紙のイラストにひかれて手に取った
鹿島茂「アール・デコの挿絵本 ブックデザインの誕生」
あまりに私のツボ過ぎて買ってしまいました!
2,800円(税別)
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多分、イラストはどこかで目にしていたと思うんですが、
ジョルジュ・バルビエ って名前初めて知りました。
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そして、バルビエと共に
「アール・デコ四天王」って紹介されている
アンドレ=エドゥアール・マルティ
シャルル・マルタン
ジョルジュ・ルパップ も、覚えておかなくちゃ!
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3年後にどんな美術館としてオープンするか、
あんまり変わってほしくないって思うけど‥‥とりあえず、
今回の最終公開、見に行けて良かった。
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さて、美術館を出て、まだ11時を少し回った頃でしたが、
特に行くところも思いつかず‥‥高山にある光ミュージアム、
一度度行ってみたかったんですが、新型コロナでまだ休館中だったし‥‥
なので、帰りは高速を使わず、せせらぎ街道の新緑を眺めながら。

途中、道の駅「パスカル清見」でトイレ休憩した時は、
売店はまだ閉鎖してて、自販機のドリンクも売り切れが多かったですが、
明宝の「磨墨の里」はやってて(一部閉まってる店も)賑わってました。
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磨墨の里公園を流れる長良川の支流・吉田川がきれい!
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美術館へ行ったり、美しい自然の中をドライブしたり、
とても素敵な日でした。まだ油断はできないみたいですが、
こんな日常が戻ってくるといいなぁ。


飛騨高山美術館: http://www.htm-museum.co.jp/
飛騨高山美術館ブログ「ぬぼでこ」: https://htmmuseum.hida-ch.com/


アール・デコの<挿絵本> ブックデザインの誕生 (ToBi selection)

アール・デコの<挿絵本> ブックデザインの誕生 (ToBi selection)

  • 作者: 鹿島 茂
  • 出版社/メーカー: 東京美術
  • 発売日: 2015/05/01
  • メディア: 単行本



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飛騨高山美術館の最終公開(1)ガラス工芸 [美術]

5月24日(日)飛騨高山美術館へ行きました。

前日、ツイッター見てたら、飛騨高山美術館が閉館するって
流れてきたんです。驚いて元記事見て、

岐阜新聞Web
「装飾の美」伝え23年 飛騨高山美術館最終公開
https://www.gifu-np.co.jp/news/20200523/20200523-242306.html

飛騨高山美術館のHPや、公式ブログ見たら、
http://www.htm-museum.co.jp/
https://htmmuseum.hida-ch.com/

5月31日(日)閉館で、3年後にホテル併設の美術館として生まれ変わる。
23日(土)から、新型コロナ対策を徹底した上で最終公開するとのこと。
(※27日(水)は定休日)
そして「岐阜県内在住のお客様は常設展示室への入館が無料」だと。

飛騨高山美術館には一度だけ行ったことがあります。
ラリックの噴水やガレのガラス作品など、とても私好みの美術館でした。
その時(2002年6月29日)の写真
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二階建ての赤いロンドンバスにも乗ったなー
(JR高山駅への送迎に使われていました)
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なんて思い出して、これは是非もう一度見ておかなくては!
岐阜県内だからいいよね?
(距離にしたら愛知県のほとんどの美術館より遠いんですけどー)

午前中が空いているのでオススメってことだったので、
開館の9時に着けるように、地図アプリでは1時間41分って
出たんですが、私は途中で休憩したりするので、
7時前に出ました。(こういう時は朝ちゃんと起きられる)

ひるがの高原SAで休憩して8時45分頃に到着。
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写真ではうまく写ってないんですが、
遠くの山(北アルプス?)には残雪が見えます。
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二階建てロンドンバスがありました
(さすがに今は走ってないようです)
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受付で、新型コロナ対策のため展示室は一方通行、
距離を保ってなどの説明を受け、
(特に岐阜県内在住を証明する必要なかったです)
階段を上がって2階へ。
展示室内の写真撮影可(フラッシュ・動画は不可)

最初の部屋がルネ・ラリックの噴水ホール
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1926年にパリのシャンゼリゼ通りに作られた
「シャンゼリゼ・ショッピング・アーケード」
そのギャラリー・リドという回廊形式のパティオに
取り付けられていたという噴水。
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取り壊されて長く所在が知られていなかったが、
1989年にパリ郊外の農家の納屋で発見されたものだそう。2020-5-24-(40).jpg

今も10分毎に噴水の水が流れ落ちています。
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ホールの照明が変化するので、いつまでも見ていられます。


次の展示室は、アール・デコから現代のガラス
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ルネ・ラリック《香水瓶「3羽の燕」》
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香水瓶も、赤と黒の外箱もステキ
ルネ・ラリック《五つの花》1926年
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モーリス・マリノの香水瓶
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モーリス・マリノ(1882-1960) ←初めて知りました。
モーリス・マリノはトロイに生まれ、パリ美術学校へ行くが中退、独学で絵画を学び、フォーヴィズムの画家として活躍した。1911年にガラス工芸に関心を持ち、ガラス器をデザインしてエナメルを用いて制作を始める。やがて自らガラスを吹いて制作するようになり、内部装飾、エア・バブルなど独自の手法を考案して斬新な作品を発表、アール・デコ期のフランスのガラス界に大きな影響を及ぼす。25年の間精力的に活動したが、健康を害し、1937年に戦争のため制作場であったガラス工場が閉鎖されたのを機にガラス工芸から一切手を引いて、再び画業に専念した。(もらった解説より)


ドーム兄弟《幾何学文杯》
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そして、現代の作家の作品

黒木国昭《光琳》
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石井康治《風》
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この作品素敵!
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武政 健夫(たけまさ たけお)
高知県出身。
1982年に、オーストリア国立クラムザッハ・ガラス学校を卒業し、世界一のガラス工芸品を制作する米国コーニング社のスチューベン・グラスにマスター・円グレイバーとして7年間勤務。
アメリカ歴代大統領の贈り物として各国に所蔵されている。
少数ながら、この分野で知られる世界的なガラス彫刻家の一人。

(展示説明より)


藤田喬平(ふじた きょうへい)1921-2004
日本の伝統的美意識をガラスという素材で
現代的によみがえらせた作風で知られていますね。

金箔とガラスが合わさってキラキラと豪華!
藤田喬平《飾筥「紅白梅」》
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こちらも藤田喬平の作品ですが、ずいぶん雰囲気が違って
大きいのにガラスの軽やかなイメージ。
1977年からヴェニスでの制作活動を始め、
独自のスタイルの多くのヴェニス花瓶を作られたとのこと。
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藤田喬平《花器 花吹雪・夕立》
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自然光の中で作品が鑑賞できるガラス張りの展望ギャラリー
(ガラスに作品保護の特殊加工が施されているそう)
木々の緑をバックに、ガラス作品がいっそう美しく見えます。
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マウロ・ボナヴェントゥーラ《球》
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次の部屋はアール・ヌーヴォーのガラス
(鑑賞者間の距離を保つために床に線が引かれています)
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アール・ヌーヴォーのガラスと言えば、エミール・ガレ
一番左の日本っぽいのは《四団扇花器》1884-89年
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エミール・ガレ《花器「おたまじゃくし」》1900年
花器の表面をたくさんのおたまじゃくしが泳いでます。
足が出てきてるおたまじゃくしもいるー!
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エミール・ガレ《ランプ「トンボ」》
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エミール・ガレ《花器「セミ」》1890年頃
セミの羽や花器の透明感、とても素敵!
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エミール・ガレ《花器「フランスの薔薇」》1900年
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エミール・ガレ《鶴首瓶「菊」》
日本っぽい!
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ルイス・C・ティファニー《ランプ「孔雀」》1906年
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右側の鉢、グラフィックな文様がなんかカワイイって
キャプション見たら、ヨーゼフ・ホフマンで、納得というか。
左は、ウイーン工房《鉢(ハート形の葉の装飾)》
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最初のルネ・ラリックの噴水ホールに戻ってから、
ガラス張りの渡り廊下を通って、19世紀末インテリア館へ
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ルイ・マジョレルの部屋など、私好みの展示が続くんですが、
長くなりそうなので、とりあえずここまでアップします。


飛騨高山美術館: http://www.htm-museum.co.jp/
飛騨高山美術館ブログ「ぬぼでこ」: https://htmmuseum.hida-ch.com/

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碧南市藤井達吉現代美術館「空間に線を引く 彫刻とデッサン展」 [美術]

昨年2019年9月15日(日)、碧南市藤井達吉現代美術館
「空間に線を引く 彫刻とデッサン展」に行ってきたことを。
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あいちトリエンナーレ2019 を見るのに忙しかった(^▽^)この頃、
実はこの日、トリエンナーレの豊田会場へ行くつもりで
電車に乗ったんですが、途中、この展覧会が翌週までだってことに
気が付いて、乗換の名鉄知立駅で豊田方面とは反対の
碧南行きの電車に乗ったんです。

見ておけて良かった!

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彫刻家は素材に働きかけ、何もない空間に作品を表します。彫刻を制作するにあたり、自身のイメージを定着させるためデッサンを描く場合があります。彼らが描いたデッサンは魅力に富んでおり、画家のデッサンにはない美しさがあります。この美しさはどこから来るのでしょうか。(チラシ裏面の文章より)

美大を目指してデッサンを習っていた頃、
似せようとして細部にこだわる私に対して、
「彫刻科を目指す人のデッサンはマッスが捉えられているから見習いなさい」
って言われてたなーって。
マッス(塊)で捉えられたデッサンは存在感や迫力があって感心したものです。

(チラシ裏面の文章・続き)
おおむね画家の絵は、三次元を二次元で表現します。一方、彫刻家のデッサンは二次元から三次元を目指します。対象が空間にどのように働きかけるかということが、常に彫刻家の念頭にあるからです。紙面は空間であり、いわば空間に線を引く感性です。これらの線は、対象の存在感、ものの粗密を表現しているように見えます。これを可能としているのは彫刻家の「手」(触覚)です。
(中略)
本展はプロローグとして橋本平八から始め、具象、抽象の現代彫刻家19人のデッサンと、それに関連する彫刻を展示し、その魅力と創作の秘密に迫るものです。

ってことで、
プロローグ 橋本平八から現代へ

‥‥スミマセン、橋本平八の名前も聞いたことがありませんでした。
木彫と下図が展示されていました。

なぜ橋本平八から始めるのか、理由は「彼が洋の東西の芸術、宗教を研究し、西欧の文脈ではない独自の彫刻論を展開しているからだ」(もらった鑑賞ガイドより)


第1章 具象Part1
戦後の具象彫刻―柳原義達・舟越保武・佐藤忠良


戦後の具象彫刻を代表する3人の彫刻家。
鑑賞ガイドによると、「具象」とは1950年頃より呼ばれた写実的表現だそうで、
戦前の彫刻界は大まかに、朝倉文夫ら官展の正確な写実表現と、高村光太郎が鼓舞したロダニズム(内的生命の表現)を基礎とした写実、というふたつの流れで進んできた。
それが、「戦後になると抽象彫刻の台頭、それまでの彫刻概念では収まらぬ立体造形の出現、さらにオブジェ、インスタレーションと広がっている。

そうしたなかで「実在の対象を表現しながらも、従来の写実表現によらず、内面的、心理的要素が強い」具象彫刻を追求した3人。

3人とも彫刻から受ける印象が違うように、デッサンも違うけど、
いかにもこの彫刻を作った人ってデッサンで、

端正で静謐な彫刻をつくる舟越保武のデッサンはやっぱり端正だし、
手の跡から情熱や生命感あふれる彫刻の柳原義達のデッサンは、
叩きつけるような線が迫力。
女性の生き生きした肉体を感じさせる彫刻の佐藤忠良は、
とにかく描く、どんどん描く! ってカンジ


そして、
第2章 抽象Part1
素材の多様性と抽象化の円熟

若林奮・原裕治・飯田善國・森堯茂・保田春彦・砂澤ビッキ


第3章 抽象Part2
実体のないものをかたちに

舟越直木・大森博之・戸谷成雄・多和圭三・青木野枝・長谷川さち


第4章 具象Part2
新たな具象彫刻の展開

舟越桂・高垣勝康・三沢厚彦・棚田康司


って続くんですが、図録も買ってないし、忘れていることも多くて‥‥
(どんな彫刻を作ってらしたのか覚えてない人も(^^;>

でも、このデッサンからこの彫刻ができたのねとか、
こういう彫刻を作る人はこんなデッサンをしてるんだ! って、
制作の過程というか秘密(って言ったら大げさだけど)が
少しわかったような気が。

青木野枝のデッサンがカラフルで、ちょっと意外な気がしましたけど。

撮影可の作品もいくつかあったので

2階入口前にあった青木野枝の彫刻《雲谷2018-Ⅰ》
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展示室の青木野枝のデッサンがちょっと写り込んでます。
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長谷川さち《wood》2018年 ライムストーン、ガラス
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長谷川さち《mirror》2017年 黒御影石
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1階ロビーにあった高垣勝康の彫刻
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左《incarnation(少女像)》 右《incarnation》

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高垣勝康の彫刻のタイトルは5点とも《incarnation》
「incarnation」の意味は
「(超自然な存在が)人間の姿を取ること、肉体化。化身」

誰かの肖像ってことではなくて象徴的な姿?

高垣勝康のデッサン
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存在する形を捉えようとするのでなく、
形のないものに形を与えようとしている?

撮影可だった三沢厚彦のコーナー。楽しい!
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三沢厚彦《Cat 2014-02》
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大きなクマ
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デッサンも大きくて楽しい
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二匹のクマが森の中にいる絵は、絵本のよう。
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小熊ちゃん
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棚田康司のコーナー
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棚田康司《少女》2011年
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紙に描いたドローイングと、樟に描いたドローイングもあるのが面白い
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棚田康司《母的な像》2018年
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棚田康司《h143の女性像》2018年
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写真見てて気が付いたけど、釘が打ち込まれてる?
出品リスト見たら、スパンコールが使われている。
どういった意味が??

美術館を出て、
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デッキに造形作品があったので行ってみると、
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窓に描かれた絵は「ビュートレス」
窓から見える風景を、ガラスになぞって描いたもの。
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カラフルな造形作品は、
「夏休みワークショップ 枝とひものまきまき造形」として、
小学生7名が持参した枝に毛糸を巻き付け、参加者同士でつなぎ合わせたものだそう。
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美術館全景
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藤井達吉現代美術館: http://www.city.hekinan.lg.jp/museum/

藤井達吉現代美術館、収蔵庫などの増設や施設改修工事のため、
2020年2月25日(火)より休館しています。リニューアルオープン時期は未定。

----
周囲には立派な寺院が並んでます。
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眼福の後の口福は、歴史を感じる古民家カフェ&ベーカリー
「わっぱ堂」へ(あれ?以前来たことあるのにブログ記事書いてない)
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まだまだ暑かったので、白玉も入った宇治金時をいただきました。
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岐阜県現代陶芸美術館「華めく洋食器」展のこと [美術]

昨年2019年10月27日(日)、美濃加茂市民ミュージアムで
「竹田尚史 質量の泉と重力の霧」を見た後、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-05-17

多治見の岐阜県現代陶芸美術館へ。
「華めく洋食器 大倉陶園100年の歴史と文化」
が開催されていて、この日の14時から学芸員による
ギャラリートークがあったので、
せっかくならそれに参加しようと。
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大正8(1919)年に大倉孫兵衛、和親父子によって創設された大倉陶園は、日本を代表する洋食器メーカーとして世界に誇る作品を生み出してきました。「良きが上にも良きものを」の理念のもと生産される磁器は、フランスのセーヴルやドイツのマイセンなど西洋の名窯にも比肩する高い品質を有していると評価されています。品格を備えた洋食器は、皇室をはじめ数多くの文化人や財界人に愛されたほか、老舗ホテルやレストランでも供され、日本の洋風文化の一翼を担ってきました。
(チラシ裏面の文章より)


なにぶん半年以上前のことになりますので、かなり忘れてます(^^;
ので、まぁ簡単に‥‥ 記憶違いのところもあるかもしれません。

ノリタケの洋食器は外貨獲得のための輸出を目的に作られ始めたことに対して、
大倉陶園の洋食器は、日本の上流階級をターゲットに、
「良きが上にも良きものを」と、利益度外視で始めた会社だそう。

日本の上流階級というと、まず皇室
ってことで、最初の部屋がすごい!
皇室のお誂え食器が並びます。

上皇后さまの調度品のお印である白樺が描かれた食器揃え、
天皇陛下(当時の徳仁親王殿下)お箸初めの儀の食器揃えは、
クマが描かれて可愛らしい。

昭和天皇のお祝いに上皇 上皇后両陛下が御献上になった皿には、
昭和天皇がご研究になっていた海洋生物? (出品リストには
《ヒドロ虫目呉須 絵替り皿》と) が描かれた在位50周年のものや、
那須御用邸の花が描かれたものなど。

そして、上皇、上皇后両陛下 御所御用食器の
モダンなこと!! 美智子さまのセンスすごいなって。


「セーブルのブルー、オークラのホワイト」と言われた、
カオリンを多く配合した生地を、1460度という世界でも類を見ない
高温で焼くことで得られる純白の白磁。

この白さだから金の縁取りがとても豪華で上品なんですよね。

《白磁薄肉彫蓋付菓子鉢》のなんと素敵なこと!

「岡染め」という大倉陶園独自の技法は、本焼成した白生地に
コバルト絵具で絵付けをして、再度1460度の高温で焼成するという、
手間のかかる技法だそう。コバルト絵具が釉薬に柔らかく溶け込んで、
ブルーのグラデーションがソフトで深みが出るとのことだけど、
私としては、ちょっとボケた感じがしてあまり好みではないんだけど‥‥。


箱根の富士屋ホテルの食器揃
《岡染付富士絵替食器揃》は、富士山が岡染めで描かれていて、
すごいんだろうけど、私の趣味とはちょっと違うんだけど、
《蒔絵高山植物絵替食器揃》がすごく素敵だった!
「蒔絵」という今ではちょっとやれる職人がいないのではって
技法なんだそう。

《奈良ホテル 貴賓用特別食器揃》は、昭和10年(1935年)
満州国皇帝溥儀を迎えるに際し製作されたそう。
(チラシ裏面上)
奈良の風景や日本的な松や植物が岡染めで描かれていて、
余白も金縁もとても素敵!

「漆蒔(うるしまき)」漆の上に絵具の粉を蒔いて、
綿で軽く擦りながら丹念に染み込ませていく、これも
大倉陶園独自の技法で作られた
《色蒔デミタス椀皿》を見た時、思い出したのが、

百年公園の南にあった「喫茶モーツアルト」(今はもう閉店してます)の
漆を思わせる深い赤色のコーヒーカップ。
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喫茶モーツアルトのミモザと枝垂れ桜
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2011-04-16

マスターに「素敵ですね」って言うと、
「こだわって選び抜いたカップですから」って嬉しそうでした。

ストロングコーヒーが赤で、ブレンドコーヒーが白のカップでした。
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後で大倉陶園のHP見て、そのお値段に驚きました。


陶彫の鳥や動物、魚、人物なども多く展示されていましたが、
わりと最初の方に展示されていた《尾長鶏》の大きさは迫力でした。


岐阜県現代陶芸美術館: http://www.cpm-gifu.jp/museum/

大倉陶園: http://www.okuratouen.co.jp/

---楽天市場---
大倉陶園独自の「岡染め」技法



「漆蒔」技法の深い赤が素敵



「オークラのホワイト」と賞される白磁にゴールドのラインが上品



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美濃加茂市民ミュージアム「竹田尚史 質量の泉と重力の霧」展 [美術]

昨年2019年10月27日(日)に行ってきた
美濃加茂市民ミュージアム
「竹田尚史(たけだ ひさし)
 質量の泉と重力の霧」のことを
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美濃加茂市民ミュージアムでは「芸術と自然」をテーマに、現代美術家による滞在制作と展覧会を開催してきました。今年度は自然界の質量や重力に注目し、立体作品や写真、インスタレーションなどの多様な表現を展開する竹田尚史(1976年~)を紹介します。(後略・チラシ中面の文章より)
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前年2018年は中村裕太さんでした。
美濃加茂市民ミュージアム「日本ラインの石、岐阜チョウの道」
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2018-11-11

竹田尚史さん、あいちトリエンナーレ2013の
納屋橋会場に展示されてました。
いくつもの秤に乗った部屋の作品が記憶にあります。
あいちトリエンナーレ2013 (5) 納屋橋エリア
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2013-09-15

最終日ですが閑散としていました(まぁここはいつものことですが)
他の鑑賞者に会いませんでした。
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受付で出品リストもらって(観覧無料)展示室へ入ると
がらんとした非現実的で美しい空間。
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なにも展示されていないガラスケース(反対側の作品の光が写っています)も作品
No.3《静かになっていく》
何にもない部屋、何にもないという形、ここに全てがあり そして何もない。
(出品リストの「作品について」より)
ケース内は空気に満たされており「無い」という形があると。

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その前の展示台に止まった時計がいくつも置かれています。
作品No.2《忘れて消えて》
ある時止まった時計、その時の記憶、全ての時が集まってくる。


作品No.1《世界の端と端に置いた石》
近くに置かれた石、最も遠くに置かれた石。
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この2つの石を、地球を一周まわった端と端にある石だと捉えたら――

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はかりの上に乗っている作品は、 No.7《私は山になって眠る》
私は死んだら山になるのだろうか。質量が積み重なって山になる。
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山並みを横たわる作家の姿になぞらえた作品。
下で支えるいくつものはかり。
自分が死んでも質量は自然界に残り続けるということを
表しているんでしょうか。
昔習った「質量保存の法則」なんて言葉も思い出しました。

いくつもの瓶に水が入っています。
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No.4《質量の泉》
自身の質量分の水を木曽川から汲んできた。

原子模型で作られた人体
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No.5《無数の星たち》
星は無数にあり、我々の体を構成する原子も無数にあり、
宇宙に広がる星雲の様でもある。


No.6《点と線》
星と星の間の距離をつなげた立体の北斗七星。
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地球から見たら、ひしゃくの形だけど、宇宙では
こういうふうに存在しているのかと。


展示室に入った時から、時々蛍光灯が消えたり、ついたり
していました。数字を表しているかと思うと一部消えていたり‥‥
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No.8《消えていくそれぞれの時間》
10人の誕生時間を表示する。誕生時間それは私のものであると思っていた。
しかし私はそこにはたどり着けない。
これは私のものでなく母や父のものだと気がついた時、
バラバラになっていき無形のものになっていく。



隣のうす暗い部屋には、巨大な空気の風船が
No.10《空気になる》
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私と倒れた木とどれくらいの違いがあるのだろう。
倒れていた木のうちの64kgを空気に変換し、私の体重64kgを空気に変換した。


奥のスクリーンに映されていたのが
No.9《船を造る》
逆再生されたアリと蝉、蝉はアリにバラバラにされていたものが逆になって
アリは蝉を組み立てる。

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蝉に群がるアリ。説明を読むまで逆再生されていることに気が付きませんでした。
しばらく見ていましたが「蝉を組み立てる」とまでは見えず‥‥
見てる時間が足りない? そこまで撮ってない?

でもとても美しい展示で、自然の循環の中での自分とか、
大きな宇宙の中での人間とか、流れる時間の中での現在とか、
そんなことも感じさせられました。
般若心経の「不生不滅」とか「不増不減」なんて言葉も浮かびました。
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スタッフの方に「素敵な展覧会ですね」って言うと、
記録集を作るので、300円で郵送しますってことで、
迷わず申し込んできました。届いたのがこちら。
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11時と2時にテラスに面した窓でイベントが見られますってことでしたが、
まだ1時間以上あったので諦めました。
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1日に数分間だけ、人工の雨が降るそうです。(記録集右ページ)
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No.11《いつかここに還ってくる》
フィクションとリアルの間に私たちはいるかもしれない。


森にも作品があるってことで行くと
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No.14《空気になる》
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展示室にもあった作品が、限定展示で森にも展示されていました。
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出品リストがないと、これが作られたものだと気が付かないかも。
自分の質量を別の物質に置き換えて提示する作品を制作してきた作家が、
滞在制作で最初に作ったという作品。
自分の体重と同じ量の水をたたえる「泉」
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No.13《われて雨になって やがて森になる》
自身の質量がたまる泉、私たちの体は水風船のようで、
一人一人が泉のように水を蓄えている。
やがて割れて、川となり海に流れていき、雨となって泉となる。


そして、この作品、見つけられなかったんですが‥‥
雨で灰が流れてしまったのかな?(期間中、台風もありましたからね)
前年の台風で折れてしまった木を見つけ、それらを燃やして作った灰を
使った作品だそう。
No.12《Sleeping on the forest》
森に倒れていた木に出会った。燃やして空気になり、やがて森に還ってくる。
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(記録集左ページ)
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とても素敵な展覧会でした。最終日に見に行けて良かったです!

森から見た美濃加茂市民ミュージアム
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みのかも文化の森
美濃加茂市民ミュージアム: http://www.forest.minokamo.gifu.jp/

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ギャラリーいまじん「小田隆展」「渡辺悠太展」 [美術]

前記事で、昨年秋に行った上宮寺の
岐阜アートフォーラム「純情動物園Ⅱ」のことを
アップしました。ついでに今年2月と3月に行った
ギャラリーいまじんの展示のことを書いておきます。


2月29日(土)、展示最終日に行った
小田 隆 個展『生命の宿りしものたち2』
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「純情動物園Ⅱ」でも展示されていた
《アジアゾウの死産胎児》2010

個展の案内ハガキですが、私がこの展覧会を知ったのは、
チラシミュージアム」というスマホアプリ
https://eplus.jp/sf/guide/museum

こちらの画像がアップされてました。
あ、「純情動物園Ⅱ」の小田隆さんだと。
chirashimuseum-(3).jpgchirashimuseum-(4).jpg

ギャラリーいまじん、行くのは初めてです。
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隣に駐車場があります。

ゾウやキリン、サイ、エミューなどの動物、骨などが
細密に描かれていて美しい。

美味しいコーヒーまでいただいてしまいました。
(買えないのに恐縮してしまいます)

小田隆さんの『うつくしい美術解剖図』の本
ダヴィデ像など、美術史の名作の美術解剖図が
タイトルどおり“うつくしい”!!
ケンタウロスや翼を持つ天使などの空想上の骨格もありました。

うつくしい美術解剖図

うつくしい美術解剖図

  • 作者: 小田 隆
  • 出版社/メーカー: 玄光社
  • 発売日: 2018/07/28
  • メディア: 単行本



中日新聞 2020年2月23日(日) 岐阜・近郊 に掲載された記事
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-----
3月21日(土)、ギャラリーいまじん
「渡辺悠太展 わびさび・あそび」
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渡辺悠太さんも「純情動物園Ⅱ」に出品されてましたね。

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パワフルなところと、
繊細にいろんなイメージが描き込まれているところが
同居していておもしろい。

写真撮影可ってことで‥‥(買えないのにスミマセン)
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棚の五角形や八角形の変形パネルに描かれた作品もおもしろい。
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奥の部屋には、展覧会中に公開制作している作品が
いろんなイメージが詰め込まれてますね。
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ドアに描かれた絵も渡辺さんの作品。
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中日新聞2020年3月7日(土)岐阜・近郊 に掲載された記事
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ギャラリーいまじん(facebook)
https://www.facebook.com/pages/%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%98%E3%82%93/178303982270322


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岐阜アートフォーラム「純情動物園Ⅱ」のこと [美術]

昨年2019年10月20日(日) 岐阜の上宮寺で開催されている

「岐阜アートフォーラム ~時空の住処13~
 純情動物園Ⅱ」 へ行きました。
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上宮寺で開催されるアートのイベント、2018年10月には
奥村晃史さんと望月鮎佳さんの二人展として
『純情動物園』と題された展覧会が開催されましたが、

岐阜アートフォーラム「純情動物園」展:
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2018-10-11

Ⅱとなる今回は、チラシ表面に使われている小田隆さんと、
10名のアーティストが参加されていました。
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上宮寺の門をくぐると(写真は帰る時に撮ったもの)
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上宮寺のシンボルともいえる樹齢400年超の銀杏の木の根元が
巨大な足! タイトルも《オテラノサウルス》(^▽^)
衣笠文彦さんの作品
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牛の彫刻は、前年の「純情動物園」で二人展をされた
望月鮎佳さんの《愛情》
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林隆一さんの作品《再生》
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迫力あるボールペン画を描かれる林隆一さん。
立体作品も作っていらっしゃいます。
2016年に上宮寺で「絵本 林隆一展」を開催されてます。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-10-31


庫裡の入口正面には、小田隆さんのシーラカンスの絵が
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入口横には、
衣笠文彦《動物の目 シリーズ》
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左(1)はアフリカゾウの目。瞳に銃をかまえたハンターが映ってます。
右(2)はアリの目 点ですね (・o・)

座敷へ進むと、
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大きなキリンはインパクトあります!!
新聞紙でできてるんですって?!
岡崎芳晴さんの作品
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小鹿の彫刻は、林隆一さんの《born as a life》
後ろの絵は、渡辺悠太さん。迫力です。
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生まれたばかりで立ち上がろうとしている
必死な目と細い脚が印象的。
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左から
荻下丈さんの《ジョーザウルス》
佐藤昌宏さんの油彩画
林隆一さんのボールペン画
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《ジョーザウルス》のお腹に落がきができます(^▽^)
写経ならぬお手本の動物たちの絵をなぞって描く
写動物のコーナーもありました。
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佐藤昌宏さんは2018年の「第9回 円空大賞展」
円空賞を受賞されてましたね。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2018-02-15
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床の間には小田隆さんの絵と奥村晃史さんの油彩画
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離れの茶室には、小田隆さんのシーラカンスの絵と、
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《アジアゾウの死産胎児》の絵が。
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隣の部屋には、奥村晃史さんの作品
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白いヤギさんと見たら‥‥オシャレではないですか!
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この絵面白い!! 金屏風も描かれているんですね!
まるで羊やヤギが空中に浮かんでいるように見えます。
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エリザベスカラーをつけたうさぎ
この部屋、置かれたり吊るされたりしたガラス玉に光があたって、
あちこちキラキラしてるんです。
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襖にはグラフィックな作品が
中村直永《四角いいきもの1》
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本堂には
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小田隆《アジアゾウの死産胎児》
金色の光に包まれて神々しい‥‥場所も場所だけに
思わず手を合わせたくなりました。
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チラシ表面に使われている小田隆《ウマ》2014年
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チラシ裏面の、作者の小田隆さんの文章
 今回の出品作のひとつである、ウマを原寸大で描いた油彩作品は、生きたウマをモチーフとしたものではなく、解剖図の組み合わせから生み出されたものだ。プロポーションも骨格図から計測し、肩までの高さを160cmとして、原寸大のサイズを決定している。構図が決まるまでには、何枚ものラフスケッチを必要とした。特定の個体がいないため、様々なウマの資料を参照している。生きたモデルのいない、絵の中にだけ存在する個体とも言える。それであっても、リアリティを感じさせる生物を描くという目標は達成できたと考えている。

ご本尊の周囲や内陣を飾る打敷は、ご住職である小笠原宣さんの作品。
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脇の壁(襖?)にも絵が描かれています。
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本堂の裏には、荻下丈さんの描いた魚たちが
ぶら下がってゆらゆらしているところに、
映像作家のTERAMAKIさんの協力で映像がかぶせられて
キラキラと素敵な空間になってます。
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本堂から庫裡へ戻る階段
窓に映った影が面白かったので撮りました。
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とても素敵な展覧会でした。
奥村晃史さんのクリアファイルを購入したら(400円)
サインを入れてくださいました!
小田隆さんと、望月鮎佳さんの缶バッジも購入(各300円)
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岐阜アートフォーラム: https://gifuartforum.wordpress.com/

小田隆ウェブサイト: http://www.studio-corvo.com/


小田隆さん、図鑑や博物館の復元画も描いてらっしゃるんですね。
岐阜県博物館のチラシ
ヒラマキウマの復元画とカリコテリウム類の復元画
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「萩尾望都 ポーの一族展」のこと [マンガ]

2019年10月14日(月・祝)、
名古屋パルコ南館・9階特設会場で開催されていた
「デビュー2750周年記念
 萩尾望都
 ポーの一族展」へ行きました。
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この日、前記事に書いたヤマザキマザック美術館
「情の深みと浅さ」展の最終日に行き、

あいちトリエンナーレ2019の最終日でもあったので、
「表現の不自由展・その後」を見るのは無理だとわかってましたが、
中止に抗議して閉鎖されていた全ての展示が再開されていたので、
まだ見てないイム・ミヌクの展示を見ようと、
愛知芸術文化センターへ行きました。
会場は熱気に包まれてました。
「表現の不自由展・その後」展が閉鎖されていた壁に
貼られていたメッセージ
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閉幕の時間までいたかったけど、
モー様ファンの私が、17日(木)までの
名古屋パルコ南館で開催されている「ポーの一族展」を
見られるのは、もうこの日しかなかったので、
パルコ南館へ向かいました。
この展覧会、9時までやっててくれるので助かります。
(この3か所が徒歩圏内ってのもありがたい)

萩尾望都の「ポーの一族」は、リアルタイムで読んでいたので、
(お小遣いが足りなくて買えてない雑誌の号もありますが)
原画を見て、その頃に戻ったような気分に。

「ポーの一族」シリーズ最初の発表作
「すきとおった銀の髪」は、後から単行本で読みましたが、

別冊少女コミック1972年7月号「ポーの村」で
エドガーとメリーベルに出逢い、

別冊少女コミック1972年8月号「グレン・スミスの日記」は
わずか24ページでこんなすごいストーリーが!!って衝撃を受け、

別冊少女コミック1972年9月号から始まった
「ポーの一族」
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時代考証もきちんと描かれていてすごい!!と。
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別冊少女コミック1975年5月号「ペニーレイン」
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(以上、私にとってのお宝コレクションです。
45年間のシミが汚くてスミマセンが)

「トーマの心臓」は、週刊少女コミックだったので、
リアルタイムでは読んでない(週刊誌を買うのはお小遣い的にキツイ)けど、
高校の同級生が、雑誌の連載全てをファイルしたのを貸してくれて
読んだなぁ。(今思うとすごいお宝ですよね! 彼女とは高校卒業後
会ってないけど、あのファイル、今も持ってるかなぁ?)


1980年代以降は、マンガからちょっと遠ざかっていたこともあって、
リアルタイムでは読んでないけど、たまに単行本を読んでました。

「イグアナの娘」1992年 はすごかった‥‥
その単行本に収録されている
「午後の日差し」1994年 は主婦の私には染みました。

「半神」1984年 はわずか16ページの作品なんですね!

「残酷な神が支配する」は読んでてちょっとツラかったけど‥‥

そして東日本大震災後に出た「なのはな」は衝撃だった。
この状況にこれだけの作品が描けるのか‥‥と圧倒された。

近年、小学校以来の友人と、コミックカフェに行くようになって、
「王妃マルゴ」や40年ぶりの「ポーの一族」新作「春の夢」を
読んで、ずっと第一線で活躍されているモー様、すごいなぁって。
2012年、女性漫画家では初のに紫綬褒章受章おめでとうございます。

2016年3月3日にEテレで放送された「浦沢直樹の漫勉」で、
制作の様子を見ることができましたが、
すごく努力して描かれているんだ! って知って――
絵の上手い方で、長い期間漫画家やってらっしゃるから、
もっとスラスラと描かれているのかと思ってたら、
下書きもきちんとされてるし、
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手のポーズ一つにしても試行錯誤して描かれているって知って、
あらためて感動してます。
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「Gペンのペン先に人さし指がかかっていて、彫刻刀で
彫っているみたいに見える」と浦沢さんに指摘されてます。
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そして、かなり雑然としている仕事場には親近感を持ちました。
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浦沢さんに「“ロココ”な所でやられているイメージがあって」
と言われて、
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モー様が「私も努力したんですけどダメでした」と。

ネコちゃんが机に乗ってくるシーンもありました。

漫勉: https://www.nhk.or.jp/manben/


展覧会の後半、宝塚歌劇『ポーの一族』の舞台衣装が展示されていました。
(ここは撮影可!)
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キャー! この公演、私は2018年3月25日(日)15:30~の
千秋楽ライブ中継を見ました。

横浜の友人が「もしチケット取れたら見に来る?」って
聞いてきたので、「当然よっ!!」って返事して、
友人はチケット獲得に頑張ってくれたけど、
販売時間と同時に売り切れ。
かなり強力なツテも頼ってみたけどダメだったと。
で、千秋楽のライブビューを全国各地のTOHOシネマで
やることが決まり、岐阜はモレラでやるってことだったので、
地元の友人を誘って行きました。
そのライブビューもまず抽選申込があって、
岐阜だからまぁ外れることはないとは思ってたけど、
無事チケットを獲得。全席指定で4,600円(税込)

岐阜だし‥‥って思ってたけど、モレラ岐阜のTOHOシネマズ
スクリーン2、かなり大きな客席が満席!
早めに行ったので、公演カタログも「ル・サンク」も買うことが
できました! (終了後は売り切れてた)
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大きなスクリーンなので、見やすかった。
「ポーの一族」シリーズのいろんなシーンがスピーディに、
ドラマチックに展開されて、構成がすごく良いし、
「♪我らはー 一族 ポーの 一族」って歌が響いてます。
大勢のダンスも迫力ですね。
私、宝塚歌劇を通して見るのは初めてかも。
でも、これハマる人がいるのわかりますね!

でも何といっても、マンガから出てきたような
エドガーとアランが最高!!!!!
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「ル・サンク」裏表紙 明日海りお のエドガー 


展覧会オリジナルグッズも充実してました。
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図録もあったけど、萩尾望都が特集の
「芸術新潮 2019年7月号」を購入 1,466円(税込)
10月より消費税10%になったので発売時より値上がりになってます
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クリアファイルは何種類かあったけど、
「小鳥の巣」のこちらを購入440円(税込)
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「ポーの一族展」公式サイト: https://www.asahi.com/event/poeten/

この展覧会、
2019年7月25日(木)~8月6日(火)東京 松屋銀座8階イベントスクエア
2019年9月30日(月)~10月17日(木)名古屋パルコ南館9階・特設会場
2019年12月4日(水)~12月16日(月)阪急うめだ本店9階 阪急うめだギャラリー
と巡回した後、

川崎市市民ミュージアムにも巡回する予定が
台風19号の被害で中止となったそう。
(会場が使えても、新型コロナでダメだったでしょうが)

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「萩尾望都SF原画展」が山梨県立美術館で
2019年9月7日(土)~11月4日(月・休)まで開催されていて、
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山梨の友人が9月16日(月・祝)の萩尾望都トークショーに
抽選で当たって行ってきたとLINEで写真送ってくれた。
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う、うらやましい‥‥
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ヤマザキマザック美術館「情の深みと浅さ」展のこと [美術]

昨年2019年10月14日(月・祝)に行った
ヤマザキマザック美術館「情の深みと浅さ」展のことを
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チラシ表面に使われているのは、
上田薫《サラダ E》2014年 油彩、キャンバス

上田薫って、あの生卵とかをスーパーリアリズムで描いてる方?!
今も描いてらっしゃるの?! (*'▽')\(ˊωˋ;)。コラ!なんて失礼な

1970年代、スーパーリアリズムが大流行(?)した時から、
第一人者でいらっしゃいましたよね。

1928(昭和3)年生まれってことなので、2014年制作の
この絵は86歳の作品ってことですね。
これだけの大きさで、このクオリティすごいです。
リアルな絵画って体力というか細かい作業や根気も必要だと思うんですが。
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展覧会ではもう1点出てました。
《アカンサス C》
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この展覧会、
「情の時代」をテーマとするあいちトリエンナーレ2019の
関連企画事業として10月1日(火)~14日(月・祝)に開催されました。

「情」の奥行と複層性をテーマに、愛知県内で活動するギャラリーが ヤマザキマザック美術館の展示室の一部を使用して 現代のアーティストを紹介します。(チラシ裏面の文より)
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18画廊から25作家の作品が展示されていました。

上田薫さんの作品を展示したのは、
1942年創業。中部地方随一の老舗画廊である
名古屋画廊 http://www.nagoyagallery.co.jp/


ヤマザキマザック美術館4階の展示室を入って、
まず何これ?! ってインパクトあったのが、
GALERIE hu: ギャルリフウ から
http://galleryhu.com/
清河北斗さんの作品
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近未来的というか、アニメっぽい? って思ったら、舞台美術や
アニメーションなどのキャラクターの造形物の受注制作なども
していらっしゃるんですね。
清河北斗さんのウェブサイト: http://studio-hot777.com/


壁の作品は、同じくGALERIE hu: から
河合里奈さんの作品
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エネルギーが爆発してます。


深川瑞恵さんのはかなげなガラス作品、とても気に入りました!!
Gallery IDF ギャラリーアイディエフ から
http://www.gallery-idf.jp/
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Gallery A・C・S ギャラリーエーシーエス から
https://galleryacs.amebaownd.com/
長谷川哲さんの作品
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平面作品と映像が組み合わされてます。


AIN SOPH DISPATCH アイン ソフ ディスパッチ から
http://ainsophdispatch.com/
山田純嗣さんの作品
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山田純嗣さんは美術史上の名画をモチーフに、空間構造を読み解き立体化後に撮影。そこへ細密なドローイングを銅板で重ねていく作家です。
うーん、この方の作品、愛知県美術館でも見たことあるんだけど、
その手間がかかるって制作方法私にはよくわからないんですが‥‥
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世界の名画をモチーフにしたエッチング作品も並んでました。


Gallery N ギャラリーエヌ から
http://www.f-g-n.jp/
蓮沼昌宏さんの作品
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パラパラ漫画だー!
「キノーラ」という映画の先祖である動画装置だそう。


同じく、Gallery N から
島本了多さんの作品
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島本了多さんは、外来語の難しい言葉から新しい妖怪をイメージした絵画や、作家本人の体毛でできた筆など、身体や本人の身近な要素から制作する作家です。
最初見た時、ヤマザキマザック美術館の所蔵品も並んでるのね、
くらいにしか見なかったけど、
左がそのエミール・ガレ《ホオズキ文花器》で、
右は島本了多さんが作ったフェイクなんですね!!


え? これはテーブル? 工芸じゃなくてアートなの??
Gallery APA ギャラリーアパ から
http://www.gallery-apa.com/
藤原史江さんの作品
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テーブルの複雑な木目を辿って描いた作品で、
樹であった過去を描き出していると。


Gallery Laura ギャラリーラウラ から
http://www.gallerylaura.com/
松浦進さんの作品
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なんか悪夢に出てきそうな人物ですね。
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ヤマザキマザック美術館のアール・ヌーヴォーの家具とも
不思議にマッチしてしまうというか。
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同じくGallerey Laura から
吉田友幸さんの作品
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吉田友幸さんの制作時間は主に夜。琵琶湖周辺や自宅アトリエ附近の植物や風景を淡々と描いています。
主張が強い現代アート作品の中で、なんか癒されます。


GALLERY VALEUR ギャラリーヴァルール からは
http://www.gallery-valeur.sakura.ne.jp/
田中里奈さんの作品
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陶板の作品もありました。
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STANDING PINE/ スタンディングパイン から
https://standingpine.jp/
杉山健司さんの作品
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杉山健司さんは、1998年より想像上の美術館や図書館を作り出す「I.I.M」シリーズに取り組み、国内外で高い評価を得ています。
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覗き込むと、図書館や、
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部屋がずっと奥まで続いているように見えます。
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鏡を使っているんですね。実際はそこにはないものが、あるように見えて不思議。
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棺のようなものも置かれていて、不気味に美しい。


JILL D’ART Gallery ジルダールギャラリー から
http://www.jilldart.com/
高木基栄さんの作品
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これ面白い!! 高木基栄さんのガラスの作品
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高木基栄さんは吹きガラスでパーツをつくり、そのパーツを組み上げて立体作品を制作しています。
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エミール・ガレの作品と並んでも違和感ないですね。
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同じくJILL D’ART Gallery から
山内喬博さんの作品
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山内喬博さんは抽象絵画を制作し続ける作家です。油絵具の強い物質感と絵画性の両立を目指します。
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グラフィックでメタリックな画面、面白いです。


NODA CONTEMPORARY ノダコンテンポラリー から
https://nodacontemporary.com/
原游さんの作品
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LAD GALLERY ラッドギャラリー から
http://lad-chikyudo.com/ladgallery/
高橋大地さんの作品
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この作品、見た時よくわからずにスルーしちゃったんですけど、
ヤマザキマザック美術館のウェブサイトに解説があって、
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000001007011011008113119115&mode=news
高橋の作品は、既成の方眼紙の罫線を青色のボールペンでなぞっています。 罫線のうえに罫線を描くという、行為の二重です。」とのこと。
ブルーに見えるところは青色のボールペンで罫線が書かれているんですね。


Masayoshi Suzuki gallery マサヨシスズキギャラリー から
http://www.masayoshisuzukigallery.com/
設楽陸さんの作品
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この大きさ! 色! 迫力です。
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絵画作品もエネルギーにあふれてますね。
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Gallery NAO MASAKI ギャラリー ナオ マサキ からは
https://www.naomasaki.jp/gallery
大森準平さんの作品
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カラフルな土器や土偶を作りNEO JAPANと呼んでいます。土器片に着想を得て一旦制作した土器を破壊し再構築させるRecompositionシリーズや平面的なアプローチも展開しています。
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メタリックな土偶!! 素敵です!!
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Gallery HAM ギャラリーハム から
http://1210.g-ham.com/
セシル・アンドリュさんの作品
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セシル・アンドリュさんは人と言葉の関係に関心を抱くアーティストです。文字を修正液で消し、辞書のページを裁断し、鉛活字を潰し、原稿用紙の升目を白く塗りつぶし、文字のデジタル化コードを露わにするインスタレーションによって、人間にとっての書き言葉の意味を考えます。
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試験管(逆になってます)の中に辞書を裁断した紙が入ってるんだ!


HEART FIELD GALLERY ハートフィールドギャラリー から
http://heartfieldgallery.com/
公花さんの作品
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公花さんは繋がりを基に、アフリカ最後の植民地『西サハラ』の人々と様々なプロジェクトを展開しています。『メルファ』と呼ばれる西サハラ女性の民族衣装の切れ端を、彼女たち一人一人から好意で譲り受けた布たちから制作したコラージュ作品を発信しています。


AIN SOPH DISPATCH アイン ソフ ディスパッチ から
http://ainsophdispatch.com/
ふるかはひでたかさんの作品
ポール・アレクサンドロ・デュマのナナカマドのモチーフがちりばめられた
食堂用家具の部屋のテーブルにたくさんの書物が置いてあります。
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ふるかはひでたかさんは、土地の記憶をテーマに制作をしている作家で、
今回、ヤマザキマザック美術館の土地の記憶で作品を作っています。
ここは江戸時代、人参畑で、徳川宗治がちっ居していた屋敷跡でもあり、
朝鮮人参畑が広がっていたそう。
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エレベーターを降りると正面にこの作品が迎えてくれます。
(写真撮り忘れたので最後の紹介になってしまいました)
Gallery GA-RAKU ギャラリー芽楽 から
http://www.gallery-garaku.ecnet.jp/
柴田麻衣さんの作品
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カーテンがリアルに描かれてるので、
その中に描かれてるのはありえない風景だけど、
窓から見てるみたいな気分になります。


同じく、ギャラリー芽楽 から
加藤真美さんの作品
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世界各地で活動する加藤真美さんの作品は静と動を併せ持ち「思考する造形」と高く評価されています。本作は磁土がずれながら幾層にも構成されて内的空間を産み出しています。

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撮った写真いっぱいあるから、今さらだけどブログ記事にしようって
やり始めたら、ヤマザキマザック美術館のウェブサイトに
説明ページがあるのを見つけて
(過去の展示でなく、新着情報のページにありました)
あらためて作品と作家名を確認することができました。
何気なく見てた作品の意味がわかったりして、
展覧会をもう一度楽しんだ気分になって良かった!

上の記事の「括弧内の文」は、以下のヤマザキマザック美術館の
ウェブサイトからコピペしたものです。
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柴田麻衣/Shibata Mai
Gallery GA-RAKU ギャラリー芽楽
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014011014001115114115&mode=news

加藤真美/Kato Mami
Gallery GA-RAKU ギャラリー芽楽
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014011014001115114115&mode=news

清河北斗/Kiyokawa Hokuto
GALERIE hu: ギャラリフウ
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008013001113112114&mode=news

河合里奈/Kawai Rina(GALERIE hu: ギャラリフウ)
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008013001113112114&mode=news

山田七菜子/Yamada Nanako
Gallery HAM ギャラリーハム
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010009120116114&mode=news

深川瑞恵/Fukagawa Mizue
Gallery IDF ギャラリーアイディエフ
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010004117122117&mode=news

長谷川哲/Hasegawa Satoshi
Gallery A・C・S ギャラリーエーシーエス
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010005117119112&mode=news

上田薫/Ueda Kaoru
NAGOYA GALLERY 名古屋画廊
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010009112119122&mode=news

山田純嗣/Yamada Junji
AIN SOPH DISPATCH アイン ソフ ディスパッチ
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010004121113117&mode=news

藤原史江/Fujiwara Fumie
Gallery APA ギャラリーアパ
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010005113117113&mode=news

島本了多/Shimamoto Ryota
Gallery N ギャラリーエヌ
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010005118114113&mode=news

蓮沼昌弘/Hasunuma Masahiro
Gallery N ギャラリーエヌ
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010005118114113&mode=news

吉田友幸/Yoshida Tomoyuki
Gallery Laura ギャラリーラウラ
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008013001116112113&mode=news

松浦進/Matsuura Susumu
Gallery Laura ギャラリーラウラ
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008013001116112113&mode=news

田中里奈/Tanaka Rina
GALLERY VALEUR ギャラリーヴァルール
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010005115116115&mode=news

杉山健司/Sugiyama Kenji
STANDING PINE/ スタンディングパイン
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010006119117114&mode=news

高木基栄/Takagi Motohide
JILL D’ART Gallery ジルダールギャラリー
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010006117113123&mode=news

山内喬博/Yamauchi Takahiro
JILL D’ART Gallery ジルダールギャラリー
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010006117113123&mode=news

原游/Hara Yu
NODA CONTEMPORARY ノダコンテンポラリー
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010009114116119&mode=news

高橋大地/Takahashi Daichi
LAD GALLERY ラッドギャラリー
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008013001118112118&mode=news

設楽陸/Shitara Riku
Masayoshi Suzuki gallery マサヨシスズキギャラリー
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008013001114112122&mode=news

大森準平/Omori Junpei
Gallery NAO MASAKI ギャラリー ナオ マサキ
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010008120122118&mode=news

セシル・アンドリュ/Cecile Andrieu 
Gallery HAM ギャラリーハム
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010009120116114&mode=news

公花/Kimika
HEART FIELD GALLERY ハートフィールドギャラリー
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010009116113122&mode=news

ふるかはひでたか/Furukawa Hidetaka 
AIN SOPH DISPATCH アイン ソフ ディスパッチ
http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005000000014008010004121113117&mode=news

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「情の深みと浅さ」に続いて、常設の5階の展示も見ました。


アントワーヌ・ヴァトー《夏の木陰》1715年頃
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工作機械メーカーならではの展示、
絵の前のボタンを押すと、拡大鏡がせりあがってきます。

私の大好きな赤い壁の部屋!
ヤマザキマザック美術館のシンボルともいえる
フランソワ・ブーシェ《アウロラとケファロス》1745年頃
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ジャン=マルク・ナティエ《狩りの衣を着たマイイ伯爵夫人》1743年
ニコラ・ド・ラルジリエール《ジャッソ夫人とふたりの子供》1707年頃
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ジャン=バティスト・グルーズ《少女の頭部像》制作年不詳
ジャン・オノレ・フラゴナール《キューピットのささやき》1776-77年
ユベール・ロベール《メレヴィル庭園の眺め》制作年不詳
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『ベルサイユのばら』にも出てくる
エリザベト・ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン の作品が2点並んでます
《リラを弾く女性》1804年
《エカチェリーナ・フェオドロヴナ・ドルゴロウキー皇女》1797年
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黄色の壁紙の部屋の
アンドレ・ドラン《胸を開いた婦人の半身像》1928-29年
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青い壁紙の部屋の
ラウル・デュフィ《黄色い背景の裸婦》1930年
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ヤマザキマザック美術館: http://www.mazak-art.com/

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現在、新型コロナウィルス感染予防のため、美術館も、
この展覧会に出品したすべてのギャラリーが休業しています。
愛知県も岐阜県も特別警戒地区に指定されているので、
まだ休業要請は続くのかな。 再び感染が広がるのも心配だけど、
工夫しながら、そろそろ再開できないでしょうかね?

上田薫さんの作品が約100点展示されるって
おかざき世界こども美術博物館のこの展覧会、
開催できるのかなー?
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ここと一緒に行こうと計画してた岡崎市美術博物館の
「西洋近代美術にみる 神話の世界」展は、閉幕となったそうです(T.T)
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「としのこえ、とちのうた」のこと [美術]

前記事で、今頃あいちトリエンナーレ2019年の
パフォーミングアーツ「サエボーグ」のことを取り上げたんですが、

昨年の画像フォルダを見ていくと、あいちトリエンナーレのことは
しっかりブログ記事にしたけど、そのせいでブログに感想を書けなかった
展覧会とかたくさんあるなって。

なので、時間もあることだし(パートも先月から3人でやるところを
2人でやるようになったので、休みも増えてるし、何より
新しい展覧会を見に行くこともできないしー)思い出しながら
(まぁ何分忘れていることも多いだろうけど)書いていこうかと。

2019年10月13日(日)に、
旧豊田東高等学校内、弓道場周辺 で開催されていた
「としのこえ、とちのうた。」へ行きました。
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チラシの下部分に書かれている文章
としのこえ、とちのうた。
2017年から、とよた市民アートプロジェクト「Recasting Club」では、旧豊田東高校(以下:東高)の一角を少しずつ整備しつついくつかのイベントを開催してきた。なかなかハードな場所で、最初は、電気は発電機、水は美術館から数十メートルくらいホースで引っ張り、トイレは仮設だったり。最初は、と言ってみたものの、実は今もそんなに変わってない。どうやらあいちトリエンナーレの会場の一つになるらしいし、会期に併せて何かやりたいな、と思っていた矢先に、敷地内でこれまで見逃していた奥まったエリアがあった。当然のことながら廃墟だ。でもなんだか想像力を掻き立てられる佇まいの一角だった。
まずはRecasting Clubに参加する個性的な面々のグループ展をしたいなと思った。あと、1月に開催されたトリエンナーレの地域展開事業に出品されていた荒木優光の豊田で制作した作品がとびきり素敵で、連なる展示室に散りばめられたら素敵だなと思った。この2年半ほど豊田に通う中で参加者の顔や街、背景のことが少しずつ見えてきたのもあって、豊田に所縁のある人に出品してもらいつつ、それぞれのインタビューを録らせてもらって作品と共にその言葉も展示させてもらおうと思った。土地や街に根ざした作品や言葉、声や歌の響いて交差するような空間がなんだかこの場所にとても似合うような気がした。(中崎透/本展キュレーター)



この展示を知ったのは、ツイッターで、
あいちトリエンナーレに行った人が、ついでにここも見て
面白かったってツイートしてたから。

旧豊田東高等学校は豊田市美術館の隣で、
ここの使われなくなったプールの底を立ち上げた
高嶺格の作品がトリエンナーレの作品として話題になっていました。
あいちトリエンナーレ2019(6) 豊田市美術館・旧豊田東高校プール
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-10-17

あいちトリエンナーレ2019の会期が14日(月・祝)まで、
豊田市美術館ではそれに加えて「クリムト展」もその日まで
開催されていたので、駐車場は満車。臨時駐車場として
案内されたのが豊田市立童子山小学校。
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歩いて(結構距離あった)旧豊田東高等学校の校庭へ行くと、
「HYBRID BUNKASAI Ⅱ」ってイベントが開催されていて、
にぎやかでした。
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えーーと、弓道場ってどこ?? あ、矢印があった!
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この先? とちょっと不安になりながらも矢印をたどって行くと
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案内の人が立っていました。(帰る時に撮った写真)
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こんな場所だから、ここだけでなく
会場内は蚊取り線香の煙が立ち込めてました。

急な階段を降りていくと、
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昼間でも薄暗い中に、蛍光灯の光が目立ちます。
本展キュレーターでもある
中崎透 NAKAZAKI Tohru の作品
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取り付けられた板には、
豊田自動車の期間従業員をやってて、
期間工っていうんですけど、期間契約で、いわゆる契約社員。
バイトとはちょっと違って、ボーナスがあって、
正社員に登用される機会がある枠で、そこから社員になる人も多かった。


チラシの文にある「豊田に所縁のある人に出品してもらいつつ、それぞれのインタビューを録らせてもらって作品と共にその言葉も展示させてもらおうと思った。
ってことですね。

あちこちの壁や窓などに書いて(シルクスクリーン印刷?)ありました。

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ドアに書かれている文
昭和42年にトヨタに入った。ものすごい急勾配の時期。
ある時にね、会社の工場、製造ラインのところ、
床はもともと木だったんだけど、そこにグリーンの絨毯をバーっと敷いたの。
びっくりして、どういうことって、工場に絨毯ってって?
でもその効果は絶大で、すごい力があった。
それをやることによって、全部が変わっていった。
釣り合うように綺麗にとか、周りを整頓しなきゃとか。
これはすごいおもしろかった。


カラフルな光が薄暗い会場で幻想的です。
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(撮影した時間が違うので、西日が入って印象も違います)


旧トイレだった場所には
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河西進 KAWANISHI Susumu
「韓国で贈られた私への大切な手紙と時間」


韓国の切手が貼られた作品がドアに貼られています。

トイレ個室の中にも作品がありました。
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膨大な作品量です。
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挙母(ころも)って街が豊田市になった。
豊田市っていうのはもともとトヨタの名前だった。
会社と街は普通の生活として繋がってるんじゃないかな。



奥へ進むと、
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高校で、トヨタ自動車の養成校というのがあって、
豊田学園っていって、二年生になるとトヨタ自動車の社員になる。
即戦力を作るために自動車工学とか電気系とか習って、
4年かけて卒業で、トヨタの中で高卒だけど学園卒って括りが違うの。



田代智裕 TASHIRO Tomohiro
「中庭の獣」

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志賀ニュータウンっていう、親父が長崎から移ってきた。
年代的に、集団就職。金の卵とかなのかな。
親父もトヨタだし、うちの近所のおじさんたちもみんなトヨタ。


上手く写ってなくてスミマセン‥‥
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水野なな MIZUNO Nana
「師匠と豊田といろんな日々たち」

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安藤卓児 ANDO Takuji
「じくたうどんあ」

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カラフルでパワフルな作品が並びます。
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今は小原地区というとこにいて、
おじいちゃんおばあちゃんの家で、自分のルーツに繋がってる場所。
墓もあって、子供のの頃、薪で焚く風呂があったり、原点みたいな。
もともとは小原村というところで、たぶん20歳くらいの頃に合併。
だからあんまり豊田ってイメージじゃないかも。



梶千春 KAJI Chiharu
「JKN-DOTシリーズ」「JKN-KMシリーズ」「JKN-TCシリーズ」

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ロッカールーム?の棚にいろんな作品が置かれています。
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高校生の頃、あのグラウンドのむこう側には、
童子山小学校があって、そこが移転になって、
あれ、その場所が美術館になったのかな。

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つちやみさ TSUCHIYA Misa
「きっとおおがかりなこいでした」

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長い洗面台の中に大量の作品が置かれています。
鏡にも作品が貼られているのが面白い
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風呂場(なんてのが高校にあったんですね!)には
山岸大祐 YAMAGISHI Daisuke
「Receptacle of Perception」

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この人の陶芸作品、私
岐阜県現代陶芸美術館「世界とつながる本当の方法」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2015-03-20
で、見たことがあります。
2014年、多治見で開催された「第10会国際陶磁器展美濃」の
コンペティションで入賞されてましたね。
1984年 豊田市生まれの方なんですね。
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ちょっとエロティックな形が面白いなって見たんですが、
こんな場所に置かれると、猥雑さ?みたいなのがよけい感じられて
面白いけど、私はちょっと生理的嫌悪感みたいなカンジも‥‥


千賀英俊 SENGA Hidetoshi
「石和温泉郷」

旧男子トイレには、石和温泉郷で出会った人々を撮った写真が
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「蒼茫の記憶」
豊田市の保見団地で撮った肖像写真
移民としてブラジルに渡り、ブラジルから帰って来た人たちだと
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普段から被写体は探していたけど
きっかけは偶然で、団地があるなって入ってみたら、
外国の人が多くて、なんだか雰囲気が違ってた。
声をかけて写真を撮るところから始まった。



あまのしんたろう AMANO Shintaro
「愛環クエスト・豊田編」

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岡崎で、248号線から少し入ったところに自分の家があって。
248号線は豊田の市街地を通っていてそこからまっすぐ行ったところ。
陸上をやっていたので、豊田は陸上競技場が猿投にふって大会で行く場所だった。

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あ、展示写真の下にプラレールの電車が! 面白い!
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廃墟のような会場内に、蚊取り線香の煙と共に
歌のような女性の声が響いていました。

キュレーターの中崎透さんが「トリエンナーレの地域展開事業に出品されていた荒木優光の豊田で制作した作品がとびきり素敵」って
荒木優光 ARAKI Masamitsu
「Sami-Khedi-Ra-Biot(microcosm)」

無人の豊田スタジアムで発声する女性の声が、
弓道場(今は林みたいになってるけど)や、
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シャワールームや、
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体育館やらのモニタやスピーカーから響いています。
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土地や街に根ざした作品や言葉、声や歌の響いて交差するような空間がなんだかこの場所にとても似合うような気がした。

廃墟のような空間に流れる歌声。忘れ去られようとしている場所が
声をあげようとしているのかも。面白かったです。
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この記事を書くにあたり、出店作家の一人、
あまのしんたろう さんのブログ記事を参考にさせていただきました。
かつて女子高校だった豊田の廃墟、その最深部がアート会場
『としのこえ、とちのうた。』

https://yummyart.shintaro-amano.com/entry/2019/09/15/080000

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