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愛知県美術館「古代エジプト展」のコレクション展 [美術]

10月29日(木)愛知県美術館へ行き、
「古代エジプト展」を見ました。

続いてコレクション展の会場へ。
「古代エジプト展」だけで帰っちゃう人も結構いるみたいで、
(「古代エジプト展」のチケットで見られるのにモッタイナイ‥‥)
こっちはわりと空いてました。

2020年度第3期コレクション展

広い展示室5は
私は生まれなおしている──令和2年度新収蔵作品を中心に──

コロナ禍における文化芸術活動の緊急支援策の一つとして、愛知県は若手アーティストの現代美術作品を重点的に購入することとしました。その第一弾として購入した作品を中心にご紹介します。すでに美術館が所蔵する作品とフレッシュな作品との、新たな関係をお楽しみください
愛知県美術館ウェブサイトより
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/000307.html

コレクション展は写真撮影可

まずは巨大な造形が目に飛び込んできます。
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インパクトあるけど、なんだか雑‥‥って近づくと、
モニタに映されているのは、この造形を作っているところ。
なんと、ギャラリーの壁を壊して作ってます!!
壁に穴を開けて、外の風景が見えるようになったり、
ギャラリー外を通る人が驚いていたり! ハハハ!! 面白い!!
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山下拓也《TALIONの子(TALION GALLERYの壁を使って蘭陵王の彫刻を制作する。)》2014-15年制作 令和2年度新収蔵作品

山下拓也はあいちトリエンナーレ2013の長者町エリア他
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-09-29
展示していて知りました。

愛知県美術館「アイチアートクロニクル展」では、
マンガの美少女キャラを描いたような作品が出てました。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-04-21


榎倉康二《干渉 (Story-No. 49)》1992年
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キャンバスの色のにじみ(アクリル絵具だそう)と
前に置かれた木材の、「干渉」‥‥ですか。
「もの派」の作家なんですね。
李禹煥の「関係項」なんて作品を思い浮かべました。
岐阜県美術館の庭に《壁》1971年、再制作1995年 って
木の間にコンクリートの壁を築いた彫刻があります。


水戸部七絵《I am a yellow》2019年 令和2年度新収蔵作品
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ものすごい油絵具の量と匂い。
これは「絵画」なのか「立体」なのか?
顔だと言われて見れば、巨大な顔に見えなくもない‥‥
2016年の愛知県美術館「ピカソ、天才の秘密」の時に、
展示室6で開催されていた
プロジェクト・アーチvol.18 「水戸部七絵」展 で、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-01-19
この作品に勝る巨大な油絵具の作品《DEPTH》が展示されてて、
それも顔だってことでしたが。


こちらも令和2年度新収蔵作品
高山陽介《無題(犬と散歩してつまづく)》2019年
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‥‥この紐に繋がれているのは犬ってこと? なんか面白い。

高山陽介さんの作品は立体や版画もたくさん収蔵されたんですね。
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これなんか面白い! 《無題(頭部 #5)》
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台座の上の首のところに、缶コーヒーの空き缶が使われてます(^o^)

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《彫刻で熱中している自分 #26(分解の地表)》2019年
子どもが描いたような木版とタンポポの咲く地面の写真

展示室前の廊下(?)のケースにも高山陽介の作品がありました。
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ちょっとグロテスクでユーモラス。
台座の上の缶コーヒーの空き缶わかりますか?


横山奈美《Sexy Man and Sexy Woman》2018年 令和2年度新収蔵作品
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この間までの豊田市美術館のコレクション展
「光について/光をともして」のチラシに使われていたのが、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-04-30
横山奈美さんの《LOVE》2018年でした。
てっきりネオン管の造形作品かと思って見に行ったら、絵画で
驚いたんですが、愛知県美術館の作品も絵画。
男と女のセクシーなポーズのネオン管をその構造体まで描いて
います。平面デザインを立体にしたのがネオン管で、それをまた
平面の絵画にしているわけで、絵画って何? みたいな。


大沢鉦一郎《自画像》1919年 (左)と
宮脇晴《自画像》1920年 (右)
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現代のフレッシュな作品の間に100年前の作品。
でも当時は若手アーティストだったわけで、
宮脇晴《自画像》なんて18歳の作品なんですね!


山田七菜子《海みずから泳ぐ海》2012年 令和2年度新収蔵作品
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水が流れているような深いブルーの色がきれい。


エミコ・サワラギ=ギルバート《ニア・ベイ》Ⅰ~Ⅳ 2003年
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アメリカの地図の上に細かな文字がびっしりと書かれてます。
(鉛筆で描かれたドローイング)
「ニア・ベイ」はアメリカ合衆国本土の最西北端にある場所で、
先住民の保留地でもあるそう。


壁の凹んだ部分で、去年のあいちトリエンナーレ2019に出てた
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-09-14
互いにロープで縛られたミュージシャンが四苦八苦しながら
アメリカ合衆国の国歌を演奏する映像作品
加藤翼《Woodstock 2017》2017年 が映されていました。


これもあいちトリエンナーレで見た作品だ!
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手前が、青野文昭《なおす・代用・合体・侵入(震災後宮古で収集した衣料店床面/テーブル)2011》
あいちトリエンナーレ2013で、東日本大震災で被災したものを
用いて作った作品を展示されてましたね。

奥が、今村文《無題》2016年 令和2年度新収蔵作品
エンコースティック(蜜蝋)で描かれた細かな花々の絵。
2016年のあいちトリエンナーレの長者町会場で展示されてました。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-09-19


やましたあつこ《二人だけの夜》2019年 令和2年度新収蔵作品 (左)
やましたあつこ《ままごと》2019年 令和2年度新収蔵作品 (右)
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密やかな甘いエロティシズム?


現代美術嫌いの友人が見たら、
現代美術はわからん、なんでこれがいいの?! って言うかな。
(まぁ私も、うーーん?? なんてカンジなんですけど)
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全て令和2年度新収蔵作品 左から
本山ゆかり《Ghost in the Cloth(芍薬)》2019年
本山ゆかり《画用紙(柔道_左)》2016年
本山ゆかり《画用紙(柔道_右)》2016年
《画用紙(柔道_左)》と《画用紙(柔道_右)》は逆かも?
撮った写真がボケてて、キャプションの確認ができませんでした。
子どもが画用紙にいたずら書きをしたような絵ですが、これ実は、
アクリルボードの裏からアクリルで描いているそう
つまり画用紙に見えるのも描いた絵なんだそうで。
二色の布を縫い合わせただけ(中央に刺繍らしきものがありますが)
のような作品もどんな意味が??


サイモン・フジワラ《驚くべき獣たち(貧しい男の背中)》2015年
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毛を刈った毛皮のコートがパネルに張られています。
高価な毛皮のコートがモッタイナイ‥‥ でも、
こんなにツギハギでできているんですね。
1着の毛皮のコートを作るのに、何匹の獣が必要なんでしょう?
縫い合わせた模様が抽象画のようでもあります。


小林椋《ローのためのパス(ゆ)》2018年 令和2年度新収蔵作品
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モニタがシーソーのようにゆっくり揺れています。
モニタに映し出されているのは、正面のカメラで撮影した映像。
カメラがモニタすれすれの高さなので、モニタにつけられた
山形の動きも映って面白い映像になります。
後ろの作品は、コレクション展の定位置(?)
モーリス・ルイス《デルタ・ミュー》1960-61年


小林椋《州ん(カワウソの頭の平さ)》2020年 令和2年度新収蔵作品
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こちらも動きます。斜め下に向かって上下する棒と、
台座で回転する部品。光るライト‥‥
うーんそれで?? みたいな感じもあるんだけどー
(それぞれの動きが関連していないような気がして)


廊下にあった作品
田島秀彦《playroom (09-06)/playroom (09-07)》2009年 令和2年度新収蔵作品
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タイルの壁のような作品だなー、キラキラ光ってきれい、とよく見たら、
キラキラ光ってるのは、戦車や戦闘機だったり‥‥
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銭湯の富士山みたいな絵や、イスラム文様みたいなのや、中国っぽいの、
西洋風の絵‥‥なんでもありの装飾が遊戯室ってこと?
あ、田島秀彦さん、2016年のあいちトリエンナーレで、
11F展望回廊をカラフルな空間にしたり、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-09-05

岡崎の石原邸での展示もされてたんですね。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-09-16
カラーフィルムの作品の印象が強かったけど、
タイルの作品も展示されてましたっけ!


廊下の突き当りの出窓には、
木村充伯《祖先は眠る(2匹の猿)》2015年 令和2年度新収蔵作品
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この猿たち、油絵具でできているので、油がしみ出てるんですよね。
それが、血が出ているようにも見え、死んでいるようにも見えるし、
やすらかに眠っているようにも見えます。
木村充伯は2013年のアーツ・チャレンジで知りました。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2013-02-04


展示室6は、
クリンガーと「ブリュッケ」──令和元年度新収蔵版画を中心に──

昨年度受贈したクリンガーの作品の中からその一部を、クリムトの《人生は戦いなり(黄金の騎士)》とともに展示します。また、昨年度購入したブリュッケ展カタログを紹介するとともに、中心メンバーだったキルヒナーの足跡をたどります。

マックス・クリンガーの版画は、愛知県美術館や岐阜県美術館などで
わりと見てるんですが(『手袋』の連作版画が好き!)
油彩って初めて見るかも。小品だけど、女性の顔がなんとも印象的!
マックス・クリンガー《女性像》1890年頃
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幻想的で寓意にみちたクリンガーの版画
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うまく撮れてないので、愛知県美術館ウェブサイトの
コレクション検索に画像あったので借りてきました。
 愛知県美術館コレクション検索で公開しているデジタル画像のうち、「Public Domain」(パブリック・ドメイン)または「CC0」の表示があるものは、当館に申請することなくダウンロードし、自由に複製、再配布することができます。

マックス・クリンガー《海辺で(『間奏曲』より)》初版1881年
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マックス・クリンガー《愛、死、彼岸(『間奏曲』より)》
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クリムトの《黄金の騎士》さまも展示されて、

クリンガーの精緻で幻想的な版画もいいけど、
これらの木版画ならではの単純化されたフォルムがいいなって。
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『ブリュッケ展カタログ版画集』より
左から、作家名(作品名省略)
カール・シュミット?ロットルフ
マックス・ペヒシュタイン
エーリッヒ・ヘッケル
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー

右端のキルヒナー《裸体坐像 (ペヒシュタインに基づく) 『ブリュッケ展カタログ版画集』》コレクション検索公開画像にありました。
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「ブリュッケ」とは、ドイツ表現主義に属するドレスデンのグループ。1905年に結成。1913年にメンバーが対立し解散。(wikiより)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%B1

「ブリュッケ」の中心人物であった
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーの油彩画
《日の当たる庭》1935年
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展示室7は、
新収蔵記念 かたかげり──秋岡美帆とともに──

片陰りとは、日陰、特に夏の午後のそれを指します。自然の風景が見せる一瞬の表情を切り取った大型作品で知られる秋岡美帆。昨年度収蔵した4点の秋岡作品における光と陰の対比に目を向けるとともに、秋岡の表現と共鳴する作品を合わせて展示いたします。

秋岡美帆さん、初めて知りましたが、とても穏やかな
気持ちのいい作品ですね。インクジェットプリントってことは写真?
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これは秋岡美帆さんの作品ではなく、
松本陽子《光は荒野の中に拡散している》1993年
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アクリル絵具で描かれているそう。

同じ部屋にあったこれらの絵、
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左2点が辰野登恵子《Aug-86-9》と《Oct-85-5》
島田鮎子《木の葉舞うとき》2000年
仲田好江《樹下静物》1968年頃


展示室8は、
《黒漆厨子 千体観音図貼付》愛知県文化財指定記念
木村定三コレクションの仏教美術──工芸作品を主として──


千体の観音像を描いた絵画が内壁に貼り付けられている厨子(14世紀作)が、本年8月愛知県指定文化財となりました。これを記念し、密教法具をはじめとする仏教の工芸品や小型の彫刻などを特集展示します。

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平安時代の独鈷杵や中国・元時代のものなど、貴重な(と思われる)
仏教の法具などが展示されていました。が、まぁ、私には
知識もないので、ふーん、ってくらいに見たくらいですが。

愛知県美術館「古代エジプト展」で約2時間(ショップ含めて)
コレクション展で約1時間半過ごしました。
今回のコレクション展は若いアーティストのフレッシュな作品
楽しかったです。


小腹も空いたので、「古代エジプト展」の半券チケットサービスのある
オアシス21の「倉式珈琲店」で、ホットサンドとコーヒーを。
フード・デザート注文で本日の珈琲が300円(税別)になって、
971円(税込)でいただきました。
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愛知県美術館: https://www-art.aac.pref.aichi.jp/
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愛知県美術館「古代エジプト展」 [美術]

10月29日(木)、愛知県美術館へ行きました。

「古代エジプト展」をやっています。
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古代エジプト展公式サイト: https://leidenegypt.jp/

新型コロナウィルスのため、「大浮世絵展」が
4月3日(金)に開幕して、わずか3日間、4月5日(日)までで
臨時休館となり、結局再開できずに、
そのまま閉幕となってしまいました。

私は4月5日(日)に見に行けたのでラッキーでしたが、

愛知県美術館「大浮世絵展」
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-04-18

あれだけの展示がわずか3日で!
なんともモッタイナイというか、関係者の方々の
落胆はいかばかりかと‥‥

そして、6月25日(木)~9月6日(日)の予定だった
「ジブリの大博覧会」は開催が延期されて‥‥

ということで、久々の愛知県美術館の企画展
コロナ対策のため、これからチケットを買う人は、
平日限定券 一般1,400円・高大生800円 か、
土日祝は日時指定券 一般1,500円・高大生900円
があります。
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(チラシ裏面)
チケットについて、詳しくはこちら: https://static.chunichi.co.jp/chunichi/pages/event/leidenegypt_aichi/ticket.html

でも私は、愛知県美術館友の会会員なので、平日・土日祝に
かかわらず、都合の良い日時に会員証提示で入場できるとのこと。

パートが休みだった平日に行ったんですが、
結構混んでました。日時指定の日曜の方が意外と良かった??

実は私がこの展覧会イマイチ興味が持てなかったので
‥‥考古学的なものがそれほど好きではない
  (スミマセン知識が足りないせいです(^^;)
おみそれしてました(@o@;)

そっか! いつもとちょっと鑑賞者が違う?
平日にもかかわらず、子ども連れの家族も結構いました。

久々の愛知県美術館!
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友の会の有効期限が7か月間(!)延長されるってことで、
2020年8月までだった有効期限が2021年3月までになりました。
(「大浮世絵展」の前の「コートールド美術館展」も、2週間の
会期を残して3月1日(日)で閉幕になっちゃいましたからね‥‥)


ピラミッドやスフィンクスなどの謎の建造物、絵のような文字ヒエログリフ、 そして死者の生前の姿を留めんとするミイラ‥‥ 飽かず私たちの好奇心を刺激する古代エジプト文明を、かつてない切り口で解き明かす展覧会を開催します。(チラシ中面の文章より)
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最初に展示してあったのがロゼッタストーン(レプリカ)

おぉ! これが古代エジプトの文字(ヒエログリフ)を解読する
手がかりとなったんですね。

絵のような不思議な文字ヒエログリフ
古代エジプト文明の高さには驚くばかりです。
様式化された絵(人物か全て横向き!)と組み合わさった
緻密な絵や装飾が魅力!

そしてミイラ! 私が今回の展覧会、友の会で見られるのでなかったら、
多分来なかっただろうってのは、ミイラってのがちょっと‥‥
死体なんですよね? 永遠の生を得る(と信じていた)ためとは言え、
死体から内臓を取り出して防腐処理するなんて、
なんだか気味悪いなぁ‥‥なんて。

古代エジプトのミイラは、ずいぶん前に、名古屋ボストン美術館で
見た記憶があるんですが、薄暗くてなんか怖かった‥‥。


今回の展示では、ミイラ棺を立てた状態で展示してあって、
ずらりと立ち並ぶ展示室は迫力です。
棺に描かれた装飾などがよくわかります。
死者の生前の職業や、供養のための文章も書かれているそう。
棺の色や雰囲気もそれぞれ違うのもわかります。
黄色は太陽を意味し、黒は死と復活を意味するなど、
色にもそれぞれ意味があるとか。
しかし、3千年くらい(?)前のものなのに、色が鮮やかに残ってるんですね!

ミイラ棺の立体展示は、所蔵先の
オランダ・ライデン国立古代博物館の常設展示にならったものだそう。

ライデン国立古代博物館は、ヨーロッパの5大エジプト・コレクションの
ひとつとされているそうで、今日にいたるまで60年以上にわたり
エジプトでの発掘調査を行っているそう。

そして、ミイラのCTスキャンの研究結果が世界初公開されています。
 ミイラの内側を調べるには、 これまで、 ミイラに巻かれた布をほどく必要がありました。 ただし、 研究目的とはいえ、 それはミイラの形を変えてしまうことになります。
 しかし、 ライデン国立古代博物館は早い時期からミイラを布に包まれた状態のまま保存することを決めます。 そして、 布をほどかず、1950年代よりX線による調査を始めます。さらに、 1990年代には世界で初めてCTスキャンを用いた調査を実施しました。

愛知県美術館友の会 会報 第49号「空中回廊」より
https://apmoa-tomo.com/kaiho/kaiho49.pdf

死亡時の年齢や死亡原因の推定や、
お腹に土製のお守り(?)のようなものが収められていたとか、
生前の顔を復元したのもありました。
(このあたり、私にはうーん‥‥ってカンジもあるんですけど、
最新技術を使った興味深い研究で、熱心に見てる人たちも多かったです。)

ミイラをはじめ、貴重な古代エジプト文明のコレクションが見られる機会
コロナで企画展の中止が続いた愛知県美術館にとっても久しぶりなんですが、
この「古代エジプト展」本来はこんな日程だったそう。

・福岡展 2020年4月25日(土)~6月21日(日) 九州国立博物館
・札幌展 2020年7月4日(土)~9月6日(日) 北海道立近代美術館
・愛知展 2020年9月19日(土)~12月6日(日) 愛知県美術館
・静岡展 2020年12月19日(土)~2021年3月31日(日) 静岡市美術館
・東京展 2021年4月16日(金)~6月27日(日) Bunkamuraザ・ミュージアム
・仙台展 2021年7月9日(金)~9月5日(日) 仙台市博物館
・山口展 2021年9月18日(土)~11月7日(日) 山口県立美術館
・兵庫展 2021年11月下旬~2022年2月下旬 兵庫県立美術館

それが、コロナのため福岡展と札幌展が開催中止となってしまい、
愛知県美術館での開催が最初となりました。
コロナ禍の困難を乗り越えて、はるか昔の古代エジプト文明の貴重な品が
見られる展覧会です。


古代エジプト展公式サイト: https://leidenegypt.jp/
愛知展公式サイト:https://static.chunichi.co.jp/chunichi/pages/event/leidenegypt_aichi/
愛知県美術館: https://www-art.aac.pref.aichi.jp/



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そして展覧会後の楽しみグッズコーナー!

「リラックマ」や「すみっコぐらし」とコラボしたものや、
古代エジプトの神様をモチーフにした落雁(!)とかもあって楽しい。

で、私はこれを選んじゃいました(^▽^)
「王家の紋章」とのコラボファイル! 550円(税込)
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「古代エジプト展」のチラシを入れてみました。
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‥‥いえ、実は私「王家の紋章」ちゃんと読んだことなかったんですけど、
クリアファイルも買ったことだし、とブログ書くにあたって、



細川智栄子あんど芙~みん『王家の紋章』
ネット(Renta!)でポチっとして読み始めちゃいまして(^^;>
なんとも懐かしい少女マンガの絵に今更ですがハマりそうです(笑)
(コロナで外出を自粛していた間に、ついネットでポチることを覚えまして‥‥
手軽なのと、最近老眼が進んで、単行本でさえ読みにくい身には、
パソコンの大画面が嬉しいです。置き場に困ることもないですしね)


ついでにこちらも、48時間レンタル100ポイントにひかれて読んだんですが、
里中満智子『アトンの娘』
ツタンカーメン王の妻となるアンケセナーメンの物語
さすが里中満智子先生、古代エジプトでは、
王の長女は兄弟と結婚して、次の王と王妃になることが多いとか、
親子での結婚もあったとか、エジプトの宗教観なども
わかって興味深かった。神とは、宗教とは‥‥って考えさせられました。
200ポイント追加して無期限レンタルにアップグレードしちゃいました。
アトンの娘(1)



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岐阜県美術館アーティストインミュージアム中路景暁と所蔵品展 [美術]

10月22日(木)岐阜県美術館へ行きました。

岐阜県美術館のアトリエでやっているアーティストインミュージアム
AiM Vol.8 中路景暁 (NAKAJI Hiroaki) さんの展示が
その週末までだと気が付いたからです。
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公開制作 2020.9.8(火)~9.27(日)
作品展示 2020.10.3(土)~10.25(日)
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公開制作の最初の日、私、岐阜県美術館へ
「大橋翠石展」の3回目を見に行って、
こちらのアトリエへも寄ったんです。

「大橋翠石展」は3期の展示替えがあったので、私、
8月8日(土)、16日(日)、9月8日(火)と、3回見に行きました!

岐阜県美術館「大橋翠石~虎を極めた孤高の画家~」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-08-16


中路さんが、卓球ボールを床に置いたレールの上に
何度も転がしていました。
途中でレールから逸れてしまうボールもあって、
真っ直ぐに転がるのが競技用のボールなんだそう。

どんな作品に仕上がったのかな? と。


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アトリエには、卓球ボールが柱の上をトントントンと飛ぶ作品と、
レールの上を転がる作品とが展示されてました。

岐阜県美術館公式ツイッターより


次々と転がっていく卓球ボール、同じように思えるボールだけど、
微妙に違う動きをするところが面白い。見てて飽きませんね。
最後までたどりついたボールには頑張ったねって言いたくなっちゃいます。



そうそう、球拾いの道具が面白いんですよね!
上からスポッと拾えちゃうんです。
これ既製品なのかな? アーティストの手作り?

それから本館の所蔵品展へ。最後の工芸のコーナー以外は、
9月8日(火)に来た時と同じでしたが、何回見てもいいですね。

最初の部屋が「日本画の逆襲 ふたたび
2017年に岐阜県美術館で開催された「日本画の逆襲」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2017-08-17

その時に出てた絵がふたたび展示されています。
わー岐阜県美術館、購入したんだ! って見たら、寄贈なんですね!
寄贈者の方々のご厚意に感謝です。林真《冬の蝶》素敵!



続く展示室1bは「ルドン、西洋美術コレクションから
岐阜県美術館が多く所蔵するルドンの作品
《ペイルルバードのポプラ》https://gifu-art.info/details.php?id=3805
《薔薇色の岩》https://gifu-art.info/details.php?id=726
《イエスとサマリアの女》https://gifu-art.info/details.php?id=5173
(岐阜県美術館のコレクション検索で画像が見られます)


パスキンの《マリエッタの肖像》https://gifu-art.info/details.php?id=2767
が久しぶりに見られて嬉しい。

藤田嗣治の《猫》はいつ見てもカワイイし、
そして寄託作品とのことだけど《厨房》や《小さな主婦》は、
小さな藤田嗣治展」に出品されてた絵ですよね。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2015-10-04

展示室1cとdを使って「寄贈記念 熊谷守一展
遺族や関係者の方々からの寄贈があったそうで、
多くの作品が展示されていました。

2014年に岐阜県美術館で開催された「熊谷守一展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2014-10-27
まだあるの~?って程の作品数の大回顧展でした。
その時に出てた熊谷守一の絵の変遷がわかる作品、

今では暗色化して何が描かれているかよくわからないけど
初期の重要な作品《轢死》1908年 や、
21歳で亡くなった長女・萬を描いた《萬の像》1950年
これらの主要な作品も岐阜県美術館の所蔵になったのね! と。

そして、9月8日は大橋翠石展の猫の絵が展示されていた展示室2が、
10月22日は「工芸・新収蔵品を中心に」という展示になっていました。

ウェブサイトにも画像が使われている
鯉江良二《電車の皿》1982年頃
思わず笑っちゃう(^▽^) 子どもが作ったみたいにカワイイ!

日本画の逆襲とルドンは12月13日(日)、熊谷守一と工芸は12月20日(日)まで。


県民ギャラリーでは、
岐阜県立加納高等学校美術科 第56回卒業制作展 が開催中で、
38名それぞれの自画像とともに力作が展示されていました。
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紅葉が少し始まりかけていました。
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岐阜県美術館: https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/


前回のアーティストインミュージアムのことはこちら:
岐阜県美術館アーティストインミュージアム三輪祐子
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-04-07

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美濃加茂市民ミュージアム「林 武史 石の記憶、泥の声」 [美術]

10月18日(日)美濃加茂市民ミュージアムへ行きました。
「林武史 石の記憶、泥の声」という展覧会をやっていました。
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毎年、ここは「現代美術レジデンスプログラム」として
アーティストの滞在制作と展覧会を開催しているんですが、
今年は、林武史とのこと。
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日本の彫刻界を代表する岐阜県出身の彫刻家・林武史(1956年~)は、
石という素材が持つ本来の質を見つめ、表現の可能性を探り、多彩な表情を引き出すように造形します。その石の塊を幾つも並べ、連なりと空隙がリズムを宿す独特な空間を作り上げてきました。2000年頃からは、土や泥を使い、山や田をモチーフとする「彫刻」を手がけています。大地の変動の歴史が刻み込まれた石、そして人の営みを支える土。自然の景色と時の流れに息づくように、その地に根を下ろして生き続ける林の彫刻は、遺跡や日本の暮らしの原風景を彷彿とさせます。本展では、木曽川の石と泥土を用いた《水田―美濃加茂》を中心として、この地の風土や太古の自然のイメージを巡る新作を発表します。(チラシ裏面の文より)

私は2011年に岐阜県美術館で開催された「伊藤慶二+林武史展」
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2011-03-06
林武史を知り、あまり加工されていない自然のままの石が
大量に会場に置かれているのがいい感じだなぁと思って見ました。

2012年の「第6回 円空大賞展」で円空賞を受賞されてました。
岐阜県美術館「円空大賞展」と田中泯の場踊り
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2012-02-18

2013年のゴールデンウイークに
美濃白川クオーレふれあいの里から笹平高原へ行った時に、
林武史の屋外彫刻を見ました。
美濃白川クオーレふれあいの里の屋外彫刻
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2013-05-02

2015年12月に柳ヶ瀬画廊で林武史の展覧会を見ました。

なので、この人の展覧会ならと楽しみにしていたんです。

美濃加茂市民ミュージアム
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展覧室入口
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林武史のインタビュー映像がありました。


展示室に入ると‥‥とても素敵な展示空間!
《光の沼》
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石が丸く置かれているだけではありません。
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ところどころに穴に水をたたえた石や、
足跡のような穴があいている石があります。
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壁のアクリル棚に展示されている作品は、左から
《赤い山 一》《赤い山 二》《赤い山 三》《赤い山 四》《赤い山 五》
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赤花崗岩の底に漆で色が付けられています。
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《金華山》ブロンズ、漆
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トンネル?(金華山にはトンネルがある)って思ったけど、
古墳の玄室みたい?
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左から《黒い山 一(うち)》《黒い山 二(そと)》《黒い山 三(へり)》
黒花崗岩、漆
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下から見ると、真ん中の穴に色がつけられているもの、
穴の外側に色が付けられているものがあります。
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サクラの木でできた《桜蝉》
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《水田―美濃加茂》泥土、石、和紙、スタイロホーム
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日本の原風景を思わせるような‥‥彫刻(?)作品
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壁のドローイングは、左から
《蝉のためのドローイング 赤》《蝉のためのドローイング青》
《山のかたち 赤》《山のかたち 黒》《山のかたち 青》
どれもボールペンで描かれています。

壁に掛けられた15の、それぞれ材質の違う石
《15の蝉の声》石 所蔵:柳ケ瀬画廊
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私、2015年に岐阜市の柳ヶ瀬画廊での展示見ました。
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屋外にも作品があるってことで行くと、
《舞の所作》黒花崗岩 1991年の作品
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《水鏡》安山岩 2020年
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なめらかに磨かれた石の表面が水面のように夕陽を反射しています。
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中に、不思議な突起と、前日の雨が溜まったところがありました。
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ワークショップで参加者と一緒に日干しレンガを積み上げて作った
《月に吠える》
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10月3日(土)の夜、この泥の山に登って月に吠えるイベントも行われたそう。
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みのかも文化の森の
生活体験館「まゆの家」
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懐かしい‥‥この地方の典型的な間取りの民家ですね!
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広い家って思えるかもしれないけど、これは養蚕のためなんです。
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この、お勝手のクド! 私が小さい頃は、実家でもこんなクド(カマド)で
煮炊きしてました! 黒いタイル製で、当時はモダンで高級なものだったとか。
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私の実家の思い出を書いた過去記事:築81年の家
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2009-01-11


みのかも文化の森にある他の作家さんの彫刻も少し紹介します。

森の中のどこでもドア?
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篠原猛史《水のシェルター SHIBA HOUSE》2006年
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佐光庸行《水辺の風景》1991年
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眞板雅文《時》1991年(2010年神奈川県から移設)
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石が鉄板の上下で少しズレているのが面白い。
石、耐候性鋼板 とのこと。錆びた鉄板のように見えるけど、
耐候性鋼板とは保護性錆で腐食が内部に進まないようにした鋼板なんだそう。
前日の雨が鋼板にたまってます。
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みのかも文化の森のシンボルにもなってる展示棟の
「森のタワー」
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今年で20周年なんだそうですね。
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美濃加茂市民ミュージアム 過去の展覧会のこと
「竹田尚史 質量の泉と重力の霧」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-05-17
(2019年10月に行ってきたことを2020年5月になって書いてます)

中村裕太 日本ラインの石、岐阜チョウの道
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2018-11-11
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